『仮面ライダー鎧武(ガイム)(公式サイト)』第7話「大玉スイカ、ビッグバン!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 鳳蓮・ピエール・アルフォンゾ@仮面ライダーブラーボのキーは、本人の言動から「偽物と本物」というのが一つある模様。『仮面ライダーディケイド』以降、偽物(というより虚構的な時間)を、どう本物に変えるか、というのを描いてきた近年の東映作品的に、意味深なポジション。確かにガチの芸術的ケーキ、ガチの戦場での戦闘、という文脈にいる鳳蓮から見れば、インベスゲームでそれこそゲーム感覚で戦闘し、表現してる現時点での紘汰、光実、戒斗らは偽物感、虚構感漂ってるのだけど、『仮面ライダーディケイド』などで、「偽物の旅だったとしても、本物だ!」みたいなカタルシスを経験してる視聴者からすると、何か偽物側の立場からもナメんな! と言ってやりたい心境もあるのね。なので、偽物的、虚構的想像力の巨大スイカ無双で本物の鳳蓮に一矢報いるという今話の展開は中々良かった。物語的にはまだ序盤なので、このテーマにもまだ何層も奥行がありそうな気はしていますが。

 強者は支配権限のようなものと一体で、それに文句あるならより強者になるしかない、という思想で動いてるバロンさんが、ガチの強者である鳳蓮にこの時点でびしっと敗北してるのも興味深い展開。バロンさん自体がヒーローの思想としては、「補い合おう」「強者同士の支配ゲームになると終わりがない」というようなことを描き始めてる近年の東映ヒーロー像からすると逆行する感じなので、そこが面白い。孤高の強者の思想を貫いて行って欲しい気もするし、でもやっぱりどこかで支配じゃなかったんだ、と、それこそ「偽物が本物になる」的に本当の強さに目覚める展開も見てみたい。次回でマンゴーをかぶるっぽい辺りも含めて、バロンさんは美味しい。

Just Live More
鎧武乃風
エイベックス・エンタテインメント
2013-12-11




→前回:仮面ライダー鎧武第6話「ドリアンライダー、参戦!」の感想へ
→次回:仮面ライダー鎧武第8話「バロンの新しき力、マンゴー」の感想
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