地元仙台が舞台のアイドルアニメ『Wake Up, Girls!(公式サイトニコニコチャンネル)』。引き続き、感想&トラックバックセンター記事です。前週は900PV超えありがとうございます。

 TVシリーズ第2話「ステージを踏む少女たち」は、僕本人は1月19日(日)深夜の仙台放送での放映orニコニコチャンネルでの配信が開始してからの視聴になりますが、最速放映地域は本日17日深夜からとのことで、早めに記事を立てておきます。記事中はネタバレ注意です。
 (追記:1月20日、管理人の感想を書きました。)
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 WEB拍手コメントのお返事(第1話のネタバレ注意)。

>劇場版は未見なのですが、なるほど!パンチラにはそんな文脈があったのですね。テレビ版から入った自分のような視聴者は、あの場面にいたる彼女達の「物語」を共有していないので、「おいおい、パンツみえちゃってるよ」という、作中の公園でたまたまライブを見掛けた観客と同じような好奇の目線で。そういう視聴者を、これからどう引き込んでくれるのか楽しみです。第一話は地味だけど丁寧な演出、脚本で、人物たちがキャラデザ・性格ともに「キャラ」ではなく「キャラクター」として描かれている点も、復興を念頭においた作品として好感がもてました。これからもこちらのサイトの考察を楽しみに読ませていただきます。

 そう、ライブシーンで印象的に、好意的じゃない、ちょっと嘲笑するような表情の群集の男の人が映ったり、劇中第1話冒頭で「島田真夢当人の文脈(何故アイドルを辞めたのか)などを知らないのにネットで中傷する人たち」が描かれていたりと、そういうシーンを意識的にコンセプトとして入れてる作品だと感じています。そういう劇中の「当人、現地の物語(文脈)を知らないで好き勝手に解釈し発信する大衆」が、メタに現実にも写像されるように狙ってる企画なんじゃないかと。『OFFICIAL FAN BOOK』にも、虚実を交差させるのがコンセプトの一つのような話が書いてあったりしますし。

 こちらの監督インタビューなんかも↓

ヤマカンに訊く! 山本寛監督が語る「Wake Up Girls!」 第2回“テレビと劇場同時展開”/アニメ!アニメ!

 要約すると、スケジュールが大変になるとしても、アイドルを扱うにあたって「ライブ」の価値というものを表現したくて劇場版に意義を持たせたというような趣旨かと思います。

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(追記:1月20日、管理人の感想を書きました。)

 須藤さん的な、ブレイクするには身体はらないとという思想に、真夢がある程度はその通りだって言ってるのね。実際、トップアイドルの「I-1クラブ」の岩崎志保でさえ際どい水着グラビアとかやってるのだしという現実が確かにある。

 今話はアイドルに対するユーザーの話でもたぶんあって、アイドルに対して好意的じゃないベクトルだと、第1話冒頭のような、当人の文脈(物語)を知りもしないで中傷するネットユーザーになるし、ややそっちよりとしては、水着目当て、セクシャルなもの目当てのユーザー、ということになる。一方で、ベクトルを逆方向にふれて、たいへんアイドルに対して好意的でアットホームなユーザーなのが、今話の未夕のお店のお客さん、と。

 アイドルとしてのステージを上げるということは、前者の好意的じゃないユーザーも相手にすることになるんだ、という点を、未夕と真夢を中心によく描いていたと思いました。未夕は、昔ながらの好意的なお客さんに励まされてステージを一歩上る覚悟を決めるという物語だったし、既に一度はトップステージにいた真夢だけど、地方都市の場末の小さな未夕のステージに、何かハっとさせられる表情を見せる、というシーンが入る話でもあった。中央と地方、画面の向こう側のアイドルと現地の当人の物語があるアイドル、競争の果てのトップアイドルとこれからの等身大のアイドル、そういう対照でお話は進んでるのだけど、一人だけ両方にまたがった物語がある真夢はやっぱり一人重要キャラという感じですね。

 ラストシーン、ぐーっと東京スカイツリーが印象的に使われて、中央で競争のトップアイドルの「I-1クラブ」に画面が移るのは上手い。地方のメイド喫茶の未夕のステージには、確かに元トップの島田真夢でさえハっとするような何らかの真実性があるのかもしれないけれど、そんなものを一撃で吹き飛ばしてしまいそうな中央の強者です。東京スカイツリーも、尖塔にまつわる批評(ゴシック建築とかのね)とかの話を思い出すと、やっぱり進歩志向とか競争のイメージありますしね。これ、地方の仙台は象徴としては何で対抗すればいいのだろう。伊達政宗像とかかな(笑)。

 映画冒頭の幸せの授与にまつわる三種類の人という話からすると、今話の未夕は、既に二つ目の「身近な回りの人達を幸せにする」に関しては有資格者だった感じなのだと思うのですよ。地方のメイド喫茶で数えられるくらいの身近なお客さんを、幸せに出来るアイドル。それはそれで尊いと思うのだけど、じゃあ、一つ目、「沢山の人を幸せにする」というステージを目指すのだとしたら、という物語。上述のように、抜群で「沢山の人を幸せにする」有資格者だったのに、(おそらく)自分を幸せにできなかった真夢を有するWUG!が、「沢山の人を幸せにする」において、「I-1クラブ」とは別解に辿り着いてくれそうで楽しみです。

 エンディング曲「言の葉 青葉」の歌詞は、「美しい街と 無邪気には言えない そこにある悲しみを知ったから」。今話のメイド喫茶に来ていたオッサンのお客さんたちにも色々あったのだろうと補完すると、「幸せの授与」に関してアイドルって何だろうという点で、かなり踏み込んでいると思う。クリスマスの夜、「I-1クラブ」がドームライブで沢山の人を幸せにしていた夜、勾当台公園の小さなステージで、そこからあぶれている何人かにだけ幸せを授与できた、という始まりの作品だと思うので。



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 ブログで感想を書く文化も役目を終えた感じなのか、トラックバックが来ないというかそもそもみんなTwitterとかのSNSで感想書いてる感じですが、とりあえず最速放映地域で第2話の感想をブログに書かれた方おられましたらこの記事にトラックバック頂けたら幸いです。ある程度アクセスアップに貢献できる可能性もあります。今回はTVシリーズも毎話感想記事を立てるつもりでおります。

→前回:『Wake Up, Girls!』第1話「静かなる始動」の感想へ
→前回:『劇場版「Wake Up, Girls!七人のアイドル」』の感想へ
→次回:『Wake Up, Girls!』第3話「一番優しく」の感想へ
Wake Up, Girls!雑記(2014年1月12日"聖地巡礼その1")へ
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