週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第20話「鋼鉄の聖女」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 前回、九郎丸の「芯がない」は背景の歴史がないというニュアンスも感じるという話を書いたのですが、それと対応するように、圧倒的に歴史がある側として、夏凛先輩の背景の歴史が部分的に明らかに。「鋼鉄の聖女」イシュト・カリン・オーテ。1492年ですからね。背後に積み重なってる歴史と文脈が違う。芯がある。しかし全裸で発光して戦うの面白いなw。

 敵の影使いも能力はアプリではなくて伝統の魔法使いということだったのですが、「悠久度」の「格」対決みたいになって、夏凛先輩の方が凄かったという感じ。ラストの記憶史上の変態ランク付を語ってみせるのは「格」がある雰囲気があって良い。現在時点でおかしい人、嫌な人、ヤバい人に出会っても、悠久の歴史の中で相対化すると、まだまだたいしたことない、そういう視点はリアルでもあります。

 夏凛先輩が何か凄い存在から受けているのは「呪い」じゃなくて「愛」というのもなんか深くてカッコいい。思うに、「痛み」を残してるのはたぶん愛ゆえなんだよな。「愛」は「悠久」性とは切ってもきれないキーワードです。例えば、悠久に生きられるなら、限定された時間を生きている(やがて死が訪れる)個人に向けられる愛には限度がある。そうなると、愛の永遠性とは、みたいな哲学的、宗教的な話にどうしても入っていってしまう。

 縦軸の物語全体の話からすると、『ネギま!』の頃からのある種の永続する愛の類は、『UQ HOLDER!』にも生きていて、どこかで劇中人物たちがそれに触れるって展開があるのかな、と思っております。自分が現在にだけ分断された孤独な存在じゃないと知った時、いきなり強くなれるものですからね。

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