地元仙台が舞台のアイドルアニメ『Wake Up, Girls!(公式サイトニコニコチャンネル)』。引き続き、感想&トラックバックセンター記事です。前週は300PV超えありがとうございます。

 TVシリーズ第4話「スキャンダル」は、僕本人は2月9日(日)深夜の仙台放送での放映or2月3日(日)深夜のニコニコチャンネルでの生放送配信が開始してからの視聴になりますが、最速放映地域は本日31日深夜からとのことで、早めに記事を立てておきます。記事中はネタバレ注意です。
(2月1日追記:公式サイトより、2月3日深夜のニコニコチャンネルでの生放送も総集編に変更とのこと。管理人の感想は第4話視聴以後になります。)
(追記:2月10日、管理人の感想を書きました。)
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 『劇場版「Wake Up, Girls!七人のアイドル」』のBlu-rayのパッケージイラストが公式Twitterで公開。こちら

 今回は真夢。TVシリーズは全12話で、Amazonなどに登録されてる点から判断すると全6巻なので、劇場版が0巻扱いで、7人がそれぞれパッケージイラストになる感じでしょうかね。

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(追記:2月10日、管理人の感想を書きました。)

 メンバー一人一人がWake Upしていく、というストーリーラインが事前広報で語られている本作。未夕、実波に続いて、誰かのWake Up回かと思いきや、第4話は縦軸の一番の物語である、真夢に焦点があたったお話でありました。

 「地下鉄」が、地下から外に向かって階段を駆ける真夢、閉じた地下で未夕と二人になるも、真夢は秘匿(何故「I-1クラブ」を辞めたのか)を打ち明けられない、など、真夢の内面の迷い、閉じた心情、孤独(お母さんとの関係が上手くいってない、お母さんは顔すら描写されないなどの描き方も効いている)などを演出する表現になっていた感じ。

 地下鉄は仙台の主要な交通インフラでしてね。背景美術としての地下鉄も本当仙台の地下鉄のままだし、泉中央という駅名も実際にあるし、こうストーリーや演出に絡めて描いてくれると何か嬉しい。

 また、作り手もそこまでは意識してないように思いますが、「仙台の地下鉄」というのが、ちょうど80年代後半の、バブルの黄昏時、みんなして進歩とか競争を追って、こぞって上京していった頃に作られたインフラなんです。そういう意味で、僕の中なんかでは「地下鉄が構築されていくこと」と「進歩や競争を追うこと」は比喩的にリンクしていたりします。そこにはもちろん、『Wake Up, Girls!』という作品のテーマの一つであろう「中央と地方」の話的に、仙台という地方は、優秀な人材はみんな上京して行ってしまって、強い表現で言うなら地元には上京できないレベルの人達と、お年寄りばかりが残ってる、という過酷な現実の側面が、確かにある。なので、進歩・競争を追って発展してきた地下鉄構内で、進歩・競争の最前線で傷を負って今は地方にいる真夢と、ローカル(地方)のメイド喫茶で身近な人たちを幸せにしてきた未夕が対話してるというシチェーションは、捉え方によっては色々とコンセプチュアルなものが感じられて、なんかイイ。

 そんな真夢に対して、島田真夢ありきのアイドルユニットか、とか、信頼されてないってこと、とか、少し棘がある態度になっているのは佳乃で、地方ではトップレベルだけど中央レベルでは勝てなかった、そのことが引け目や嫉妬になっているというポジションという彼女なりな感じで良い。印象的に、「I-1クラブ」内の、脱落する者と新たに加わる者、というパートが描かれていたけれど、佳乃は中央では勝てないレベルなので、あの中では脱落する側なので。今はそういうポジションの自分、それじゃどうするのか、というのは大いに共感する部分なので、佳乃のWake Up回がどう描かれるのかは大変楽しみ。

 「地下鉄の中的心情」というが如く心に傷を負っている真夢に対して、攻撃を加えてさらに追い詰めようとする者たちと、サポートしようとする人たち、という対照的な二種類の周囲の人達が印象的に描かれます。前者がネット上の中傷者やゴシップ狙いのマスコミで、後者が丹下社長や大田邦良(オタクのおっさん)。

 大田邦良の、再起する方が難しい、だから応援したい、みたいな書き込みは、この作品の色々なものがつまっていて良い感じ。再起が必要ということは、一度失ったということで、もちろん真夢のことだし、今話の「I-1クラブ」の描写的には脱落を宣告された側のアイドルたちだし、東日本大震災が作品のきっかけにあると述べられている作品的には、震災で傷を負った人たち、という比喩も意識されるし、あるいはよく引き合いに出される年間の自殺者3万人というデータという方向での、心の危機を抱えている沢山の人達のことが意識されるかもしれない。そういう状態の人達への応援者とは、というような話。

 視点を変えると、そういった失ったりあぶれたりしてる人たちに少しだけ幸せを授与できたり、サポートできたり、というのは、クリスマス・イブにあぶれていた人たちに少しだけ幸せを授与した勾当台公園のライブ、場末のメイド喫茶で歌う未夕のステージ、石巻の仮設住宅のお年寄りたちを励ました実波、と、ポジションとしてはWUG!のメンバーたち側がやってきたことでもあります。それは、競争の末のトップアイドルの「I-1クラブ」にできることとは、少し違うカタチのはずで。

 ラストは、そんな進歩・競争世界の中央のトップオブトップの「I-1クラブ」のセンターの岩崎志保と、上述のような文脈で、一度失って傷を負って再起の過程にいる真夢が、地方都市仙台で再会した所で引き。面白くなってきました。



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 ブログで感想を書く文化も役目を終えた感じなのか、トラックバックがあまり来ないというかそもそもみんなTwitterとかのSNSで感想書いてる感じですが、とりあえず最速放映地域で第3話の感想をブログに書かれた方おられましたらこの記事にトラックバック頂けたら幸いです。ある程度アクセスアップに貢献できる可能性もあります。今回はTVシリーズも毎話感想記事を立てるつもりでおります。

→前回:『Wake Up, Girls!』第3話「一番優しく」の感想へ
→初回:『劇場版「Wake Up, Girls!七人のアイドル」』の感想へ
→次回:第5話「天国か地獄か」の感想へ
Wake Up, Girls!雑記(2014年1月12日"聖地巡礼その1")へ
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