週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第25話「世界を掴む」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 刀太が足で地球を掴むビジュアルが描かれるシーンは、何かビッグな印象は受けたものの、現時点では何を表現しているのかよくは分からなかった(笑)。

 ただ、前回までがお祖父ちゃんのネギから、作品としては『ネギま!』から繋がってるもの、という話で、今話で描かれていたのが、それとはまた違う刀太の話(作品としては『UQ HOLDER!』)にとって重要なんだ、というのは感じました。

 灰斗と刀太とで、「世界との関わり」のようなものについての思想的な対照が描かれていた一話だと思うのですが、灰斗の方の、「金持ちが貧乏人のケツの毛に火をつけて回ってるようなひでぇ世界さ」という現実世界への諦観、だから他はどうでもよくて置いていく、っていうのは方向性としては『ネギま!』の「完全なる世界(コズモエンテレケイア)」っぽいと思いました。ようは、世界からの逃げ。現実の世界の方は苦しくて汚いので、自己完結の世界へと行ってしまう。

 で、そうじゃないでしょ、というのが刀太の方で、たぶん現実の世界の方は苦しいけれど、ちゃんと関わってそっちを何とかしようよ、という方向なのかなと思いました。それこそ、ネギが「完全なる世界」に閉じこもるのを脱却して、現実世界を宇宙開発という現実的な手法で変えていこうという道を選択したように。

 ネギが宇宙開発、テラフォーミング、やってやるよと現実世界を変える方に歩みだしたのだけど、世界は未だ苦しい、という世界観での物語なのだと思うのですね。

 そういう意味で、お祖父ちゃんのネギから、歴史的なリソースが追加されて逆転できた前話までの「闇の魔法(マギア・エレベア)」は助かった点でありがたかったかもしれないけれど、今話ではそれを抑え込んで、刀太本人の物語に焦点があたるというのはイイなと思いましたよ。お祖父ちゃんありがとう的な視点と、それはそれとして、そこから繋がってはいるのだけれど、俺は俺の物語という視点と、両方あると思ったのです。

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→最終回には赤松先生も「コンセプチュアルな"東京の群衆のシーン"」で参加。『はじめの一歩』の森川ジョージ先生が描いた東日本大震災を題材とした漫画『会いにいくよ』も予約開始。(企画発表当時の広報がそのままなら、初版売上の何パーセントかが震災関係の寄付にまわされるとのこと。)



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