週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第27話「刀太VS南雲」の感想です。
 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 ずっと作中についてまわっている「悠久VS最新」の構図。

 「最新」側としては「魔法アプリ」とか瓦礫が使っていた「サイボーグ」とか、何かと量産化が可能、金さえあれば手に入る、という点が強調されたものがこれまでも出てきておりました。そして、今話で出てきたのは同じような戦闘スーツに身を包んだ民間軍事の特殊戦部隊。この手の資本の論理で動く「最新」の量産化パワーと古き「悠久」の強者の対立というのは、以前も比喩としての例で出したけど、リアルの「Amazon電子書籍勢力VS古き紙とペンで描くベテランコンテンツメイカー」、みたいなものだと考えると分かりやすい。物量があり、複製力・波及力があり、金もあるのはAmazon側、一方で、歴史があり、現在も謎のコンテンツパワーを持ってるのがベテラン作家側。

 で、今話とか、「最新」側が「悠久」能力の「闇の魔法」を持ってる刀太を捉えに行ってますからね。これも、Amazon電子書籍勢力が、ベテラン作家を囲い込んで利用したいと目論んでると連想すれば分かりやすい(え)。

 一般的に、競争原理や資本の論理を押していくと、共同体は壊れる方に力が働くと言われます(例:大金を狙って競争を勝ち抜こうと上京すれば、地元の地縁共同体や家族共同体は壊れていく)。ネギが、二つの世界を救うために宇宙開発をやろうとしたわけだけど、宇宙開発やるなら、資本の論理や競争原理を押していく必要があったと推察するのですよね。これは現実でも、大規模技術開発って、そっちの力を使わないとできないので。

 で、その結果、物語冒頭の『ネギま!』の「3-A」共同体が壊れていく物悲しさのように、色々と、理想の対価として共同体を壊していってしまったのだとしたら切ない。もう、そういう「もののあわれ」も描いてる作品だと思う。

 南雲はちょっと距離を取って飄々としてる感じだけど、「最新」側はビジネスライクなんですよね。お金が拡大されればOK。共同体が壊れる? 何それ? みたいな。その辺りが、「愛」がキーワードの夏凛とか、性別の関係などで自身のアイデンティティに悩んでる九郎丸とかの「悠久」側とちょっと違う。魔法アプリ拡大生産的、サイボーグ化して波及していく的、民間軍事会社で資本の拡大を志向する的、そういう「最新」の動力の中では、夏凛の話とか九郎丸の話とかは、一笑にふされてしまう。

 だから、そういう「最新」の動力の中では排斥される側の不死者達がマイノリティ共同体を作ってる、というのが『UQ HOLDER!』の面白い所だと思うのだけど、加えて今話がそういう「最新」の動力の強大さを感じさせる話だっただけに、扉絵がナギ、ネギ、刀太、なのは良い。共同体、というか「血縁」だよな。いかに「最新」の資本の動力が全てビジネスライクな世界に変えてしまおうと猛威をふるっても、途切れない大事なものもあるはずなわけで。

 最新刊第2巻の感想はこちらに書いております。引き続き、毎週楽しみです。

→第2巻発売中



→『魔法先生ネギま!』はKindle電子書籍版も



●応援:Jコミ

→前回:「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」Stage.26「夏凛の危機」の感想へ
→次回:「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」Stage.28「ナンバーズ、来る!」の感想へ
『UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)』コミックス第1巻の感想へ
「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」感想の目次へ

「魔法先生ネギま!」マガジン連載分感想の目次へ
『魔法先生ネギま!』/コミックス感想の目次へ
クーネギ推奨!ネギと結婚するのは古菲説・まとめ