週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」256Q「これでも必死だよ」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 小金井くん、奮闘するも実渕に一歩及ばず。されど、小金井くんの戦いを観ていた日向が実渕攻略の糸口を掴むの回。

 過去編の、敗北者萩原シゲヒロの片方のリストバンドを継いで戦う黒子、から続いていると思われる「敗北者にも意義がある」パート。最終戦でも隅々に描かれていて良い感じ。小金井くんは結果から見ると実渕に敗北なのだけれど、そこから受け取ったものを力に変換して日向が戦えるという意味で、小金井くんの戦いは無駄ではない、という描き方。こういう隅々の話が、物語全体としては過去の破綻したバッドエンドとして、敗北した萩原シゲヒロを救済している感じ。

 また、ここで出陣するのが過ち(未熟さによる4ファウル)をおかして一旦退場中の日向なので、同じく過ちをおかして現在は赤司くんに利用されるだけになってる黛さんとの対比にもなっている。過ちの後に再起できるかどうか描写。これも過去編バッドエンドの黒子のふるまいを「過ち」と位置付けるなら、一度過ちをおかした人としての過去黒子救済にもなっている。「コート上にいられない」も過去編決勝の黒子と同じ。その部分をリフレインさせて現在編で乗り越えるのを描いたのは何と言っても247Q「いやだ」(感想)で、コート外にいた黒子が参戦するところだけれど、今話の日向にもそれがかかってる感じ。過去の物語をじっくり描いていただけに(使った話数も多かった)、その過去のバッドエンド要素を、現在編の決勝のクライマックスでどんどん乗り越える描写が入ってくるのは好き。この作劇なら、最後は萩原シゲヒロから受け取った何かを生かすとかだとめちゃめちゃ熱いやも。

 読者としては、過ちをおかしてしまったり敗北したりしても再起する、という誠凛側に共感しちゃうよなぁ。誰もが赤司くん(ずっと勝ち続ける)になれる訳じゃない。失敗したり負けたりしつつも、心をギリギリ折らずに工夫したり改善したりして、何とかかんとかやっていくしかない。





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