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 アニメ『SHIROBAKO(公式サイトニコニコチャンネル)』第10話「あと一杯だけね」の感想です。仙台にて地方遅れ視聴中。

 ネタバレ注意です。
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 未来のイメージを確定させて、それに向かって今できることをやる(選ぶ)という話。監督の絵コンテ(結末がどう完成するか)と美沙の未来の話は前回までで重ねて描かれていましたが、今話から本田さんの未来(ケーキ屋)などもかかってきて、わりと広汎な話に。

 ただこれ、それぞれの選択の結果「分断」は進んでいく。落合さんがカナンに移れば武蔵野アニメーションのみんなとは分断だし、本田さんがケーキ屋に転職すればこれまた武蔵野アニメーションのみんなとは分断だし、美沙が今の会社を辞めれば立石社長ら、今の会社の人達とは分断だし……というのを描いてる背景で、アニメーション作品というものが、そういう分断を乗り越え得る「共有体験」をもたらすっていう所にまずは進んでいるのだと思うのですね。ついに完成した監督の『えくそだすっ』最終回のコンテを、みんなで共有していく様は感動的です。

 五人組の『神仏混淆七福陣』という作品が、五人組の分断を繋ぐ役割になっている。『イデポン』という作品が遠藤さんと下柳さんの分断を繋ぐ役割を果たす……とか、これまでもやってきましたが、一つ、選択の結果これから「分断」に向かう人たちを、『えくそだすっ』最終回の映像が一つの共有体験として繋ぎ続けるというのをやろうとしてるんじゃないのかなかと。なので、『えくそだすっ』最終回の制作進行のあおいが、やっぱり分断の中を駆けるヒーローって感じなのですね。

 そして、次回、未来のイメージとして確定した(コンテが出来たので)『えくそだすっ』最終回が、本当に実現化するのか(サブタイトルがバッドエンドの代表として語られることが多い『マッチ売りの少女』と重ねられていることで、未来のバッドエンドもあり得るという感じになってる)という話と、例えば美沙が選んだ未来が結実するのか? みたいなのが重なる話になっていくっぽい。五人組はあおいも含めて何かと「まだ未来が見えない」というのが描かれているのですが、どこかで、アニメの最終回ラストのイメージが共有できたからそれに向かって行くように、五人組の未来もイメージとして描けて、共有される展開になるのかな。

 そしてこれ、アニメの最終回のように共有できる未来の結末がある一方で、物語自体が「輝いた高校時代」の「続き」から始まっているように、現実は最終回(相当の何か)が終わった後も続いて行く……ということを描いているようで熱い。そういう意味で、『えくそだすっ』最終回の後こそが、真骨頂な感じなのですよね。

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→次回:『SHIROBAKO』第11話「原画売りの少女」の感想へ
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