ブログネタ
艦隊これくしょん -艦これ- に参加中!
 アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-(公式サイトニコニコチャンネル)』第8話「ホテルじゃありませんっ!」の感想です。仙台にて地方遅れ視聴中。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 本当は海に出たいのにホテル状態になってる大和さんと、本当はリスとキャッキャと戯れたりもしたいのに厳しい上官でいなくてはならない長門さんが、「本来の自分と違うことをさせられてる」と重ねて描かれていた一話。

 吹雪の助力もあり自分の本途である海での大砲発射を実現する大和さんなんだけど、それはルール違反。なのだけど、長門さんも敷かれている役割のために本来の自分が抑圧される息苦しさは知ってるので、今回は長門さんも咎めない……という凝った構成の一話。本来の長門さんの解き放たれた笑顔を知ってるのは、史実では己の本来を全うできずに爆沈した陸奥だけ、とかイイじゃないですか。本来の大和を応援する吹雪のCVが「革命的ブロードウェイ主義者同盟」で本当に好きなこと好きって言える世がいいよって活動してる上坂すみれさんなのもイイじゃないですか。

 『艦これ』自体のコンセプトに、劇中にたぶん存在する(ループ的な話での)「一周目」や遠景にあると感じられる史実(これが一周目と同一の扱いなのかはまだ不明)では本来の生き方をできなかった艦娘たち、その悔恨を「今回のループ」で同根存在である深海棲艦と戦う物語を通して鎮魂する・意味合いを変える・昇華する……というものがあって、その流れをコンパクトに一話にエッセンスとして描いていた感じ。

 「悔恨なき、自分の本来の姿」が、大和さんは大砲発射と軍事的で、長門さんは女の子として動物と戯れると平和的と、逆な感じなのも面白い。その二つのアンビバレントを切り取ってる作風でもあるのでしょうね。艦娘と深海棲艦、水の上と水の底とその境界としての水平、軍事と平和、何かとアンビバレント(相克)が要素として入ってる作品だとも思います。そして、そうした相克も、オープニングの歌詞とか、各箇所の暗示によるならば、最終的には全て海に還る類のものだと。

→Blu-ray



→幸宮チノ先生(ブログ)のぼっちリプレイ



→前回:『艦これ』第7話「一航戦なんて、大ッッキライ!」の感想へ
→次回:『艦これ』第9話「改二っぽい?!」の感想へ
『艦これ』(アニメ)感想の目次へ

2014年にふれたアニメ作品ベスト10へ