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 アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ(公式サイトニコニコチャンネル)』第8話「」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 第一話から様々な花に比喩されていた、メンバー「それぞれが持っている本質的な魅力」のようなものが、今回は「各々が一品事務所に持ち込むアイテム」、で表現されておりました。

 一方、前話で描かれた「一人一人と丁寧に向き合う」という話が、プロデューサーが蘭子の本質的な世界観に、丁寧に近づいていく、という過程で描かれておりました。そして、ここの描き方がプロデューサー視点からは蘭子の話す中二世界言語を解きほぐして蘭子の本質に迫る。蘭子視点からは中二世界的装飾を使わずに「プロデューサー」の一言に到達する、という双方向のプロセスで、かつ「言葉」ネタ! と反応してしまいました。とても好きな回です。言語学用語を使っていいなら、二人の双方向のやり取りは、「シニフィアン」は多様な分装飾にもなっているので、それを使いながらもお互いに「シニフィエ」に到達する、というもの。もう、蘭子が装飾過多な「P」から始まる中二世界言語で最初プロデューサーを呼ぼうとして、徐々に近づいていって最後に「プロデューサー」の一言に到達する瞬間。逆にプロデューサーが徐々に蘭子の世界観に迫って行って、最後に「ROSENBURG ENGEL」という一つの言葉に到達する瞬間。双方美しくて、言語学徒涎垂ものの一話でした。

 さらに、上記の今話のメインプロセスを表現するために、純粋な日本語話者ではないアナスタシアを使って広い射程での「言語ネタ」回にしてるのも見事。プロデューサーと蘭子の関係性進展のメインプロセスを、アナスタシアと蘭子の関係性描写もまたお互いの「言葉」を理解することだと描いて補助している。

 もう、ロシア語が堪能な上坂すみれさん(アナスタシア役)が蘭子(Ranko)の「R」をロシア語独特の巻き舌で発音するのがおかしくて、かつ細かい所で本格的で凄いと思って。アニメ『艦これ』で、大和が己の本質的なことを堂々とやりたいと言えるようにサポートするのが吹雪(上坂さんがキャスト)という役回りもリアルの上坂さんの「革命的ブロードウェイ主義者同盟」の活動&メッセージと重なって上手いと思いましたが、今回の『シンデレラガールズ』の狙ってるのか何かの導きなのか、「お互いの本質に迫るために言葉を通して近づいていく」話で、リアルでも日本のアニメをロシアとの架け橋にしたいってロシア語も本格的に学んで活動してる上坂さん演じるアナスタシアをこういう役回りにするの、本当、リアルも込みの表現として秀逸になってると思います。

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→良い曲でした



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→次回:『アイドルマスター シンデレラガールズ』第9話「"Sweet" is a magical word to make you happy!」の感想へ
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