『巴マミの平凡な日常』でお馴染みのあらたまい先生(ホームページTwitter)の、本日発売の『まんがタイムきららフォワード』2015年8月号より始まった新連載。

 ネタバレ注意です。
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 24歳、日高ちゆの会社クビになった一日目を描いた第一話。

 仕事なし、貯金なし、資格なし、彼氏なしの逆境なれど、アパートのお隣さん・白神スズナとの縁で、とりあえず道端に生えている草(ツクシ)を食べてみることに開眼する展開。やった! 道端の草が食べられるなら、無職でも飢えない!

 グルメ漫画の系統にガチで草を食べるというエッジを入れつつも、雰囲気的には『巴マミの平凡な日常』と同様、辛い状況なりに何とか生きていこうよ、その過程をできることならユーモアとかギャグに包もうよ、という温かさが感じられる作品。僕的には「元気でる作品」枠と感じた第一話です。

 劇中では失職というピンチだけど、何かと普通に生きていても厳しい状況(特に経済的な苦境が多いと思いますが)に立たされることが多い昨今。主人公の境遇は読者各々の厳しい境遇に置き換え可能です。個人的な経験では、東日本大震災の直後の頃は、けっこう道端の草が食べられないか真面目に検討したな……。

 ラストでは主人公の本名は「日高ちゅーりっぷ」と明らかになり、上記の逆境にDQNネームという逆境も加わることに。社会の中のノリノリの場所や流れからはちょっと距離を取って、失職を初め厳しい立場の人に寄り添ってる立ち位置の作品なのは好感。辛い事沢山あるけど、草食べてでも何とか死ぬまでは生きていくしかないのであった……。





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