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 アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ(公式サイトニコニコチャンネル)』第14話「Who is the lady in the castle?」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 第1話(感想)冒頭の、閉じたレッスン室に一人きりの卯月……という絵が起点になってると思われる本作。レッスンメンバーが一人一人辞めていってしまって、共同体はバラバラになった。いわば人と人の繋がりは途絶え、一人になったバッドエンドが卯月の「一周目」相当にある、そういう始まり方にしてる作品だと思うのですね。

 そして、第1シーズンのキャラクターの感情曲線の振れ幅としては山場だった、第6話(感想)、第7話(感想)では、バッドエンドが繰り返されかける。一人で頑張ってた卯月に出来た凛と未央という仲間(=共同体)が、再び壊れかける……というのが描かれます。その中盤を乗り越えた上で、第13話(感想)では卯月の仲間の途切れないチーム(共同体)としてのシンデレラプロジェクトメンバー達が描かれた所で第1シーズンは終幕。人との繋がりというか、そういうリンクで出来る共同体が、壊れていた所から、出会いがあり再構築されるまでのストーリーとして、物語はバッドエンドがハッピーエンドで上書きされる感じでとてもまとまっていたと思います。

 で、今話の引きにて、第2シーズンでは、そうやって出来た仲間(=共同体)が、また一旦バラバラになる所から始める作劇の模様なのですね。ファーストシーズンは、再び壊れかけたけれど、今度は壊れなかったというお話。となると、セカンドシーズンは、再び(一見)壊れたけれど、もう大丈夫だったという境地に抜ける話として展開していきそう。

 印象的に、新しいアイドルたちとシンデレラプロジェクトメンバーとの接触が今話にて描かれておりますが、一番焦点があたっているのは北条加蓮(ほうじょうかれん)と神谷奈緒(かみやなお)です。凛の中学の時の同級生だった。つまり、形式的に仲間になる前から何らかの「縁」があった……というのが、第13話で明かされた卯月・凛・未央の関係と重なります(「NEW GENERATIONS」として組む前から、第1話冒頭のシーンで接触していて「縁」があった。)。

 加えて、加蓮が少しだけもらした中学時代はあんまり学校に行ってなかったという述懐がかなりキーだと感じたのですが、公式のプロフィールも加味すると、昔は病弱であんまり学校に行けてなかったのですね。つまり、第1話冒頭では一人きりだった卯月……とも、「所属する共同体がなかった」人間として、ポジションとして重なるように登場してきている。そんな人間が、凛と(改めて)出会う……も第一話のリフレイン構造を演出しているのだと感じます。

 第13話以降描こうとしてると感じるのは、表面的にはユニットだとか形式的な「仲間」としての共同体の良さを描きながら、別に形式的にユニットになる以前から「縁」があった。道ですれ違うような誰かが、自分にとって特別な人(=同時代人・共闘者としてのアイドル)になるかもしれない……というのを描いてる点で、逆説的に、形式的なユニットとかなくても大丈夫って所まで物語を持っていこうとしてるのかなと感じるのですね。第1話以前の卯月と凛、中学時代までの加蓮と凛(特に劇的な接点はなし)。そういう「関係性」の中にも真実性を見いだせるなら、形式はなくなってしまっても、もう怖くはない。

 第1話冒頭の卯月の「がんばってるけど一人きり」という不安(家族とか学校とか会社とか地域とか、一昔前の「共同体」が壊れてきたと言われて久しい昨今。心から関われる共同体がない・あるいは頼りなくて不安だ……というのはかなりの母数で現代人に訴求される不安だと感じます。)を乗り越える試論をずっと描いていると思うのですが、ユニットみたいな分かりやすい仲間ができた、良かった……という段階を超えるところまで描いてくれそうで楽しみなのでした。

補遺:ちなみに、『アイドルマスターシンデレラガールズ』の、このファーストシーズンとセカンドシーズンの関係は、非常に『ラブライブ!』TVシリーズと劇場版の関係に重なると個人的に感じるので、視聴済みでネタバレOKの方は、当ブログの『ラブライブ!The School Idol Movie』の感想記事もよろしくです。↓

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→前回:『アイドルマスター シンデレラガールズ』第13話「It's about time to become Cinderella girls!」の感想へ
→次回:『アイドルマスター シンデレラガールズ』第15話「When the spell is broken」の感想へ
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