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 アニメ『Charlotte(シャーロット)(公式サイトニコニコチャンネル)』第十二話「約束」の感想です。

 本作及び麻枝准氏の他作品のネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 閉じた場所、庇護下を出て、不安を抱えながらも外の世界へ踏み出していくラスト。兄貴ポジション(恭介:隼翼)がダウンしてる所を、成長した主人公が引っ張り上げる展開も含めて、『リトルバスターズ!』的。

 『リトルバスターズ!』的、虚構世界、児童時間世界は、今作では、「学園」であったり「日本という国」であったり。そういう守られていた場所に別れを告げて外に出ていく展開と、児童時間を象徴する能力(=青春期間だけ使える)を各メンバーが(有宇に略奪される形で)失っていく展開がシンクロしており、一つの「終わり」を描いておりました。やがて「死」という終わりがくる……までも射程に入ってるシーンの連続で、このブディズムチックな雰囲気は麻枝さんの作品という感じ。

 そして、今話にて有宇と美砂が「死んだらどうなるのか?」という会話をしてるタイミングで、『Angel Beats! -1st beat-』の公式サイト(音:注意)で「あなたは…わたし? わたしは…あなた」のキーワードと共に高松と高城が同種のパラレル的存在か? というのが公開されており、(当初からTwitterアカウントが『Angel Beats!』と『シャーロット』で共通だったりしましたが)『Angel Beats!』の世界とのリンクが示唆されたりも。

 ようは、『CLANNAD』の個別ルートにしろ、『リトルバスターズ!』の虚構世界にしろ、『Angel Beats!』の死後の世界にしろ、そういった虚構的・児童時間的世界での縁や徳分の積み重ねが、「外の世界」、あるいは「輪廻後」的な世界でも、意義を持ち得るよ……ということをずっと描いていると思うので、今作においては、「虚構的・児童時間的世界」=学園の中や能力が発症していた時期や何かの庇護下にいた時期……で、今話でそこから外へ。

 そして、『CLANNAD』における「幻想世界の少女」や『Angel Beats!』における例のギミックのような、「それでも(虚構世界だろうが外の世界だろうが、ループしようが輪廻しようが)途切れないもの」が、本作では有宇と奈緒の「約束」になるって感じですかね。

 ポスト『まどか☆マギカ(感想)』文脈視点では(第十話がタイムリープの種明かし回など、意図してるのを感じておりました)、ラストが主人公が(「略奪」の能力で)世界の負を一身に引き受けて世界の方はルール変更……までは同じ。

 ただ、「その次」の物語として、(まどかは一人で引き受けたけど)有宇は奈緒と再会して一人ではない……でラストだと、虚淵玄氏本人がシリーズ構成してポスト『まどか☆マギカ』文脈を自身で描いていた昨年の『仮面ライダー鎧武(感想)』が既にやってるのですよね。「外宇宙」を絡めるのも、『鎧武』で一定の「その次」を描いてしまってたりします。

 そこをさらに超えてくるか、別解を見たいところですが、最終話はどうなるのか。『Angel Beats!』を絡めた時点で(自然と『AIR』的なものも絡む)より深淵な部分とリンクしてるとは言えるのですが、ラスト、何かピタリと「その次」の物語として収束する感覚を味あわせてくれるのに期待したいところなのでした。

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→前回:『Charlotte(シャーロット)』第十一話「シャーロット」の感想へ
→次回:『Charlotte(シャーロット)』第十三話(最終回)「これからの記録」の感想へ
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【関連リンク:これまでの当ブログの麻枝准作品感想】

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