『けいおん!(!!)』で怒涛の同人活動をやってた頃から「野生の京アニ」の異名で(え)存じてたらぐほのえりか先生のオリジナル漫画、『ちかのこ』の感想です。

 現在は、PixivでWEBで読めます。

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 絵柄とかだけじゃなく、作者さんが深いところで『けいおん!(!!)』から受け取った様々が愛で変換されて出力されていると感じる作品。
 「007」のラストがすごく好きなのですが。

 『けいおん!(!!)』、ざっくりとは、何気ない「日常」とか「もの」にも、"輝き"は見つけられるよって話だと思っているのですが、『ちかのこ』「007」のラストは、梓が唯から飴玉を貰うくだりを思い出しました。

 飴玉なんて、無機的には「ただの糖分の塊」に過ぎないのだけど、梓にとって大好きな先輩から貰った飴玉には、"輝き"や"幸せ"が宿っている(見つけられる)。

 チカが埋めてた「ただの石」に、ノコが"輝き""幸せ"、そういう"価値"を見つける瞬間を切り取っているのは、『けいおん!』第4話「合宿」で花火をバックにエアギターする唯(何でもない日常)に澪が"輝き"を見付けた瞬間を切り取っていたのと同種の感じ。

 我々は、ただの無機的物質世界を生きてるわけじゃないし、「日常の時間」や「もの」には、全てお金のような分かりやすい形式的指標に変換可能な価値以外の、謎の"価値"が宿る時がある。そういう瞬間は、京都アニメーション作品が「日常」をテーマに追い続けてるものだとも思います。


いろいろ告知(すくりぞ!、ちかのこ、仙台イベント、限定ジークレー)/らぐほのブログ


 らぐほの先生、今週末5月22日(日)は仙台の「杜の奇跡25(仙台では有名なローカルな同人誌即売会イベント)」に来られる模様。みんな、仙台に来るんだ!

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