ネタバレ注意です。
カナメさんにおける隊長、ハヤテにおけるミラージュさん、想い人が別な人の方を向いている(ように見える)メッサー中尉とフレイアがラストに語り合うシーンはしみじみとして良いです。
しかもこの二人は、メッサー中尉はバール化、フレイアは寿命が三十年ほどと、未来に死の影がちらつくのも二人共通で、その点も重ねて描いているのがこのシーンかと思います。それでも恋敵を恨むでもなく、犠牲者意識にとりつかれるでもなく、未来は不安でも今をいっぱいいっぱい生きてるみたいなことを話し合っております。
そんなメッサー中尉がカナメさんの「AXIA」という歌にかつて救われ、拠り所にしてお守りのように身に着けてるのも良い。カナメさん自身が昔はパっとしなくて、美雲さんには敵わなかったのと折り合いをつけながら生きてる感じなのだけど、世界中を救うような歌は歌えなかったけれど、パっとしなかった時代なりにメッサー中尉を救う歌(AXIA)は歌えていたというシチェーション。
もちろんメッサー中尉の方がカナメさんに救われているのだけど、メッサー中尉の存在が、カナメさんのような立場の人を広く掬っているという構図にもなっている。パっとしなかった昔のカナメさん、これから敗北するかもしれないハインツ王子、そう遠くなく寿命がきてしまうフレイア、フォールドレセプターを持たないミラージュさん、などなど、そういう「持ってない人」でも、誰か必要としてくれる人はいる……という風にかかってくる感じ。
この流れで次回のサブタイトルが「閃光のAXIA」なのは熱いな。世界中に認められている「ワルキューレ」的なものではなく、「AXIA」的なもので戦うという回を期待したいのでした。
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【関連リンク2:当ブログの2015年アニメーション作品ベスト10記事】
→2015年アニメーション作品ベスト10〜共同体から零れ落ちた人間にも、それまでとは違うカタチなりの祝福を(ネタバレ注意)