訝しみながらもドアを開けると、廊下に見知った少年が立っていた。
「あ、スヴャトだ」
蒼黒い髪を少し乱した童子は、鼻筋が通っていて、少々異国風の顔立ちをしている。茫洋(ぼうよう)とした瞳は捉えどころがなくて、「特別」な中谷理華とは違う。煌びやかではない少年。ただそう。スヴャトの妻の、アンナの面影がある。
孫のジョーであった。
「おやおや。ジョーよ。いったいどうやって、ワシの館に入ってきたんだ?」
スヴャトはジョーやカレンと接する時用の、「ファンキーなお爺さん」としての自分を演出しながら問いかけた。
第244節(第241節)「過去編――二〇〇二年〜夢の守り人」/「カクヨム」および「小説家になろう」にて3月11日(土)に公開。(小説『非幸福者同盟』)
---
ティザー的に。
長かった第十一話「君の名前は」も、この節を入れて残り九節となります。
そのままラスト二話に突入していく予定です。
読めるところをまとめておきますね。↓
●小説『非幸福者同盟』/カクヨム
●小説『非幸福者同盟』/小説家になろう
●小説『非幸福者同盟』イントロダクション&登場人物紹介
是非ぜひ。
評価、応援ボタン(ハートマークのやつ)などもありがとうございます。励みになります!