相羽です。
昨年夏に(ほぼ)毎日更新でWEB連載していた小説『こちら街アカリの復興部!』の「改稿版」を、改めてWEB連載中です。
今回から新しく読んでくださる方はもちろん、昨年のヴァージョンから今回の改稿版はだいぶ変わってるので、もう一度読んでやるかという方も各々のタイミングで読んでやって頂けたら喜びます。「ノベラボ」様は(スマホからも)縦書きで読む仕様で、けっこう雰囲気がありますよ。
本日は第26節/焔(ホムラ)の「たましい」と灯理(アカリ)の気持ち(第三章・了) (1,468文字)……をアップです。本日は「青春・友情」4位、総合(すべて)48位ありがとうございます!)
この後も、毎週、月、水、金に一節ずつ更新の予定となります。
小説『非幸福者同盟』ともども、こちらの方もよろしくお願いします。
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●こちら街アカリの復興部!/ノベラボ
以下、軽く去年公開していたヴァージョンと今回の「改稿版」の違いなどについてライナーノート。
→第三章のラスト。焔が守りたいと思った昔日の「日常」の風景ですね。そのままではもう、戻らないのですけど。
「橋の向こう側は異界かもしれない」は、リアルの方に元ネタになってる風景があります。焔と真雪が震災前まで住んでいた場所のモデルは、まだ書かないでおこうかな。(仙台近郊在住だと、わりとすぐ分かります)
こっちは良さそう。
第23節「告解」で出てくる真雪と焔が読んでいたという「作家のお父さんと、その利発な娘さんとの父子家庭って設定で。街で暮らす二人の何気ない日常が描かれるお話」の元ネタは榛野なな恵『Papa told me』で、今回出てくる「二冊で完結する。心の均整をかいて社会(セカイ)から追い出されかけた少女と、その少女に寄り添うもう一人の芯が強い少女。そんな二人の、友情と、愛の物語」は同榛野なな恵先生の『ピエタ』が元ネタですね。
「日常」を扱った昔日の作品(フィクション)が作劇上必要だったのですが。二人が『けいおん!(!!)』を観ていたとかでも良かったのですが、ここは90年代まで遡りました。
そう言われると、本作自体がすごい榛野なな恵作品っぽい雰囲気だ! というのが、伝わる人には伝わると思います(笑)。
『ピエタ』、昨年末に電子書籍版も出ておりました。死ぬ前に読んでおいた方がよい。個人的にいつかこういう作品を書きたいという作品ですので、紹介しておきます。
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「もし君が、本当に、一番大事なものを取り戻すと決めたなら」
微睡(まどろみ)の中の焔には聴こえていない。それでも、彼の「たましい」を慰撫(いぶ)するように。灯理は優しく、力強く言葉をかけた。
「私達が絶対に、『助っ人』するから」
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この辺り、僕は好きなんですけどねw。
震災後の文脈で「世界がどうこう」という話の「ヒーロー」像が描かれるのが『非幸福者同盟』で、「街」の「ヒーロー」像が描かれるのが本作ですが、こういう(灯理)「ヒーロー」像となりましたよ。
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