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 相羽です。

 人理が安定していないからこそ、「マンガで分かるバーサーカー」さんのような存在も存在できる。

 では、劇中に複数存在する彼女のような立場の存在たちを救済するために、物語は今後どういう方向に向かっていきそうなのかという点から少し書いてみます。

 TYPE-MOONのスマートフォン用ソーシャルゲーム、FGOこと『Fate/Grand Order』の感想・プレイ日記などです。公式サイトはこちら。↓


『Fate/Grand Order』(公式サイト)


 記事中には最新イベント「オール・ザ・ステイツメン! 〜マンガで分かる合衆国開拓史〜(こちら)」の最終節まで、メインクエスト第1部「終局特異点A.D.2016―冠位時間神殿ソロモン」ラストまで、『Fate/stay night』桜ルート(Heaven's Feel)ラストまでのネタバレを含みますので、ご注意ください。
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 気になったのは、イベント「オール・ザ・ステイツメン! 〜マンガで分かる合衆国開拓史〜」のラストで、アンデルセンさんがポール・バニヤンさんに言及してこう述べていた箇所です。

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 都市伝説もデミ・サーヴァントも幻霊もAIも、
 ここでは同じ"可能性"だ。


(画像は『Fate/Grand Order』より引用)

 そして、こう続きます。


 人理が安定しないうちはいかなる"イフ"をも許容し、利用する。それがこのカルデア。


 栄えていく人・物・文明がある一方で、それらを繁栄させるために「犠牲」になっている存在がいる。

 『Fate』シリーズの主題の一つですが、ポール・バニヤンさんはそんな「犠牲」のポジションの象徴の一人だという話を「オール・ザ・ステイツメン! 〜マンガで分かる合衆国開拓史〜」の感想で書きました。↓


参考:FGO感想・プレイ日記27〜「オール・ザ・ステイツメン! 〜マンガで分かる合衆国開拓史〜」のストーリー感想(ネタバレ注意)


 ポイントは、こういったそのままだと「犠牲」になって淘汰されてしまう立場の存在も、人理が安定しないうちは(ゆらいでいる間)は「可能性」として存在できるらしい、ということです。

 『FGO』は『Fate/stay night』のテーマを継いでいる物語です。アイコンがセイバーさん(アルトリアさん)なのも、キャラクターとしての作品の顔役というよりも、テーマを「stay night」から継いでますという意味合いの「表明」のニュアンスが強い。

 『Fate/stay night』でも、桜ルートラストで一見世界も桜も救った感じに見えるのですが、やはりそれらを生かすための「犠牲」が存在している……という物語だと思っています。

 桜ルートにおける「犠牲」は、アンリマユさん、イリヤ、セイバーさん(オルタ)辺りですね。

 今回の「オール・ザ・ステイツメン! 〜マンガで分かる合衆国開拓史〜」内の表現でいえば「ひとりを犠牲にして100億が生きるのが、世界の冷酷なシステム」のもと、結局1(ひとり)の犠牲は出したのが『Fate/stay night』桜ルートのラストです。

 で、『FGO』は『Fate/stay night』の桜ルートラストよりもさらに物語を「次」に進めるという気概を感じる作品ですので、そうなると、『Fate/stay night』桜ルートにおけるアンリマユさん、イリヤ、セイバーさん(オルタ)的な存在すら救うには? という方向に物語が向かっていってる感じなのですね。

 『FGO』でのこれら「犠牲」のポジションは、今回のポール・バニヤンさんもですが、メインクエストだと「第七特異点」のゴルゴーンさんなどなど、多数描かれております。そういう存在も存在できるよ、という世界、ある意味衛宮士郎の「理想」に辿り着けそうな世界があり得るとしたら?

 そこでキーワードになってくるのが「可能性」で、これはざっくりとはいわゆる「可能世界」関係の世界観です。

 「第六特異点」で実はマシュがこういうことを言っています。


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 "知られなかったけれど、そういう人生があった"という事自体が、人類史の要素の一つだと?

(画像は『Fate/Grand Order』より引用)


 単線的な世界観・人類史観の複線化ですね。

 そして、そういう「可能性」としてポール・バニヤンさんなどが存在できるのは、人理が安定していないかららしい。

 これは『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』という作品のことを考えると分かりやすいです。

 『Fate/stay night』桜ルートでは「犠牲」になったイリヤですが、「可能性」として『プリズマ・イリヤ』では救われているのですね(そもそも『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』が可能世界を題材にした物語なのですが)。


参考:プリズマ☆イリヤ(アニメ)/感想/第2話〜第10話(最終回)


 こういう「可能性」としてのある意味二次創作的想像力での救いが可能であるということ。そういう存在でも「存在してもイイ」ということ。しかし、そのためには「人理」(=唯一の『正史』のような観念)はゆらいでいる必要があるということ。(→確かに、原典『Fate/stay night』のみが絶対にして唯一……というような単線的な世界像(歴史像)だと、『プリズマ・イリヤ』は存在できません。)

 だとすると、バニヤンさんのような存在(=ゴルゴーンさんや、『stay night』のイリヤなどなど)すら救いたいという方に向かっていくなら、物語の今後の方向性も見えてきます。

 つまり、第1部で必死に守った「人理」を第2部ではポール・バニヤンさん的な存在たちのために棄却するか? という物語を描くんじゃないかと。

 『Fate/stay night』の桜ルートが、世界か?桜か?というアンビバレントを動力に進む物語だったのですが、そのリフレインとして、人理か?バニヤン(的存在たち)か?という物語をやるんじゃないかということですね。

 本編で肯定した主題を、続編で否定する……というのはわりとポピュラーな作劇法でもありますしね……。(うちのブログ的にポピュラーな作品の例をあげると、『機動戦士ガンダムSEED』は「戦うな」ということを描いた一方で、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は「戦え」ということを描いている→感想

 否定や棄却まで強くいかずとも、「人理」をあえて「ゆらが」せたままにするくらいまではありそう。

 最近リリースされたホームズさん体験クエストでは、ホームズさんと新宿のアーチャーさんの会話にこういう箇所があります。


  「実在? 架空? いまさら何を言ってるのかネ?」
 「仕方ないさ。あまり踏み込むと並行世界や剪定事象の話になってしまうし、神代の解説にまで踏み込む事になる。」
 「実在の痕跡が一切ない遥かなる過去、
 私たちはそんなあやふやなモノの上に生きている――」
 「それも当然、こうして我々が目にして触れられる現実など所詮は薄皮一枚での出来事にすぎないのだからね。」
 「聖槍で繋ぎ留められてはいても、
 手段を尽くせば剥ぎ取ってしまえる程度のモノだ。」
 「人が知る必要はないのさ。
 知ってはいけない」



 「安定しない」「ゆらぎ」「あやふや」……そういうものを「解体」してしまえる存在としてのホームズさんですよね。それを是とするか否とするかは、大きな今後の物語の動力という気がします。コアなTYPE-MOONファン向けに言えば編纂事象と剪定事象が相互貫入し合ってる(ゆらいでる)ような状態の是非というか。

 思えばホームズさんが初登場したのも「第六特異点」なのですよね。

 これは本当に推測ですが、奈須きのこ氏が「第六特異点」のシナリオを執筆する頃には第2部が決定していて、この辺りから第2部への布石として「可能世界(並行世界)」「人理の保持と可能世界的存在が存続することのアンビバレント(相克)」といった題材も(構想・世界観は前からあったとして、実際にシナリオの内部にも)入れ始めたんじゃないですかね。

 『FGO』のメインクエストで「犠牲」になったポジション。『Fate/stay night』桜ルートにおけるイリヤのポジションはロマンさんですが、「終局特異点」を読んだ時に、これはこの後の物語で何らかのフォローが入るなという印象を個人的には感じていました。

 「可能世界」「人理がゆらいでいる状態ならポール・バニヤンさん的な存在も存在できる」辺りの現在積んでいる布石の帰結として、ロマンさんにも何らかのフォローが入る方向に向かっていくのだとしたら、『Fate/stay night』桜ルートラストから、「でもイリヤが……」ということを時々考えていた身としては十数年越しに桜ルートの「次」を見せて貰えそうでワクワクとするのでした。

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→前回:FGO感想・プレイ日記27〜「オール・ザ・ステイツメン! 〜マンガで分かる合衆国開拓史〜」のストーリー感想(ネタバレ注意)
→次回:FGO感想・プレイ日記28へ
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FGO感想・プレイ日記1〜序章:特異点F A.D.2004―炎上汚染都市冬木クリアまで(ネタバレ注意)
FGO感想・プレイ日記5〜第一特異点 A.D.1431―邪竜百年戦争オルレアンラストまで(ネタバレ注意)
FGO感想・プレイ日記7〜第二特異点A.D.0060―永続狂気帝国セプテムラストまで(ネタバレ注意)
FGO感想・プレイ日記9〜第三特異点A.D.1573―封鎖終局四海オケアノスラストまで(ネタバレ注意)
FGO感想・プレイ日記10〜第四特異点A.D.1888―死界魔霧都市ロンドンラストまで(ネタバレ注意)
FGO感想・プレイ日記11〜第五特異点A.D.1783―北米神話大戦イ・プルーリバス・ウナムラストまで(ネタバレ注意)
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FGO感想・プレイ日記23〜第七特異点B.C.2655―絶対魔獣戦線バビロニアラストまで〜両義者としてのイシュタルとエレシュキガル(ネタバレ注意)
FGO感想・プレイ日記25〜終局特異点A.D.2016―冠位時間神殿ソロモンラストまで(ネタバレ注意)

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FGO感想・プレイ日記13〜「復刻:天魔御伽草子鬼ヶ島ライト版」で風越丸と闘っていた頃(ネタバレ注意)
FGO感想・プレイ日記21〜「復刻:夏だ! 海だ! 開拓だ! FGO 2016 Summer カルデアサマーメモリー 〜癒やしのホワイトビーチ〜ライト版」のストーリー感想(ネタバレ注意)
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セイバールート(Fate)/感想(TYPE-MOONファン別ブログ)
遠坂凛ルート(Unlimited Blade Works)/感想(TYPE-MOONファン別ブログ)
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『劇場版「空の境界」未来福音』の感想(ネタバレ注意)
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