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アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト(公式サイト)』第三話「トップスタァ」の感想です。
日にち的には第四話が放映されておりますが、とりあえずまだ感想書いてなかった第三話から。
第一話は、現在「スタァライトチャンネル(公式チャンネル)」で観ることができます。↓
感想は、ネタバレ注意です。【 #スタァライト 第1話をYouTubeに公開??】
— 少女☆歌劇 レヴュースタァライト (@revuestarlight) 2018年7月13日
TVアニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」、第一話「舞台少女」をスタァライトチャンネルにアップいたしました??舞台少女たちの物語の幕開けを、是非何度もお楽しみください??
一部、前日譚コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻のネタバレも含みます。
前回の感想で、何らかの「ループ」(あるいはSF的な)要素が怪しい作品だよなぁということを書いていたのですが、今回もこんな台詞が。↓
「一年ごとに再演して、どんどん舞台を成長させていくの」
うーむ。やっぱり、SF的な世界が「ループ」してる的な要素と、「舞台」を題材にした作品として一つの演目を繰り返し「再演」する要素を、かけてたりするんじゃないかなぁ。
そうなると、ある種「競争」から降りて裏方に回るという大場ななさんがますます怪しいと感じてしまう。裏方っていうより、今話で強調されてるのは「脚本」に回るっていう部分ですよね。
前回の感想で書いたように、大場さん自身は「競争」とちょっと距離を置いてる人として前日譚コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』から描かれてますから、(演者としての)「競争」から降りるというのは自然な流れだったりするのですが。
繰り返される「競争」(ループ(?))から降りて、「脚本」に回る人。うーむ。やっぱり「メタ」に今回のルートを書き換えようしてるのか? とか考えちゃいますよね……。
そんな、本作の重要な要素と思われる「競争」。
双葉とクロディーヌ、香子とまひる……と、今までのカップリングがシャッフルされる様子が今話では描かれるのですが、香子が台詞としてひかりが来てからだということを言ってますし、これはやっぱりひかりが来てから何らかの「競争原理」が九十九組「共同体」に貫入してきたという流れなんじゃないかと。
で、双葉は「競争」意識に目覚めて香子から離れ、クロディーヌも真矢との「競争」が次のステップに進んでいるというのが、第三話の時点という。
そういった、「競争」の世界観の頂点が、第三話時点では天堂真矢さんです。
「ふたりでスタァになる」という、「競争の頂点の椅子は一つだけ」という世界観を第一話から否定している主人公の華恋が決め台詞の時はスポットライトが外側に向かっていくのに対して(つまり照らすのは他者・みんな)、全てのスポットライトを自分に受ける真矢様と、演出上も対比されます。
「私は、一人でもスタァだ」「頂きに煌めく星は一人」という、超「競争原理」寄りの強者の発言をする真矢様の前に、主人公華恋は今回敗北。「ふたりでスタァになる」とか「みんなを照らす」とか、甘くなかった……。
真矢様、(クロディーヌ)は「差し出した」、(双葉は)「切り捨てた」と、すごい「対価」の世界観を語ってるのですよね。何かを得るには、何かを切り捨てる、的な。一方で、華恋は「対価」を求めないというか、切り捨てなくても、ふたりで、あるいはみんなで煌めくことができる世界観をどこかで意識してるという。この対立は、定番ではありますが盛り上がりますね。
で、「競争」で一つの椅子を目指し続けて、「対価」の世界観で大事なものとか切り捨てていくって、わりと地獄な世界観ですから。真矢様は頂点で煌めいてはいるんだけど、なんだか(たとえば華恋とひかりの)バッドエンドっぽくも見えるという。真矢様自身の課題は、真矢様の本当の深層の気持ちと反して、むしろ頂点、一つの椅子を勝ち取ることに拘り過ぎてるって部分かもしれないという。「競争」の下(敗北する方ね)はまあ大変なのですが、上の方は上の方で過酷で超大変という、世相も反映してるかのような物語ですな……。
香子と双葉にしろ、真矢とクロディーヌにしろ、(色んな意味で)お互いに依存していた状態から、ちょっとお互い離れるステップを経て、最終的にそれぞれの自分自身を獲得した上でのもう一度いっしょにいられる関係になっていく……
というのは、百合作品だとゼロ年代の金字塔作品『マリア様がみてる』とかでも描かれている人間関係のステップでして。
参考:マリア様がみてる/感想&レビュー(別ブログ:全巻感想とか書いてます……)
わりと百合作品のオーソドックスな辺りを丁寧に描いてるかなって感じなのですが、怖いのはまひるちゃんですよ。
「みんなを照らす」華恋と、「華恋を独占したい」まひるちゃんが、バッティングしている。ひかりとにしろ、純那とにしろ、華恋は「みんなを照らす」そのあり方から次々と関係を深めていくのですが、その方向は「華恋を独占したい」まひるちゃんとはバッティングして、ある意味まひるちゃんを切り捨ててしまう。
表面的に反目する双葉と香子、クロディーヌと真矢様とかはむしろ安心して見ていられるのですが、まひるちゃんのこのストーリーのラインは怖い。
真矢と華恋の(「頂点は一人」VS「みんなスタァ」の世界観の)対立よりも、むしろ怖い。ここだけ、破滅系百合なの!? みたいな。
ただ、前日譚コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』を読むと、まひるは「家族」の要素が強いキャラクターのようなので(地元の北海道に温かい家族がいる)、その辺りを救いとして絡めてくるのかな? とも。
「家族」。だいぶ劣勢になってる時代かもしれないですが、それでも「共同体」オブ「共同体」ですからね。過酷な「競争原理」に対置される現状一番の概念と言ってもいいくらい。
たとえ華恋と結ばれることがなく、華恋はひかりとふたりでスタァになったとしても、まひるは北海道の「家」に戻ることもできる。これは、何気に大事な要素だと感じるのでした。
→Blu-ray
→前日譚コミックス
→前回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第二話「運命の舞台」の感想へ
→次回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第四話「約束タワー」の感想へ
→アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想の目次へ