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 相羽です。

 アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト(公式サイト)』第七話「大場なな」の感想です。

 話題の第七話ですw

 第一話は、現在「スタァライトチャンネル(公式チャンネル)」で観ることができます。↓


 感想は、ネタバレ注意です。

 一部、前日譚コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻のネタバレも含みます。
 ◇◇◇

 大場ななさんが「ループ」していたことが明確に描かれる、(おそらく)最初の種明かし回でありました。

 注目したいのは、ばななさんが「ループ」するにいたったきっかけです。

 きっかけは、大きくは二つ描かれていると思います。


 一つ目は、「競争」の脱落者への共感。

 作中2018年4月9日の「新学期」、「成瀬さん」と「おうさかさん」が辞めた(つまり「競争」が激しい「聖翔音楽学園第九九期生」の中から脱落した)ことにばななさんが動揺する様子が描かれます。

(追記、テリー・ライスさんから「おうさかさん」は字幕で確認すると「逢坂さん」だと教えて頂いたので以下、漢字表記に変更しました〜。)

 ここで、ばななさんがどうやら課題として「孤独」を抱えてる人らしいというのを改めて確認しておきましょう。

 作中2018年3月5日の「聖翔祭」の「打ち上げ」の一場面で、仲間たちとの温かい時間に思わず涙を流してしまう。逆に言うと、泣いてしまうほどそれまで「孤独」が深かったんだろうなぁと推察できたりしますが、より分かりやすくはアニメ前日譚コミックス『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻に、大場ななさんというキャラクターに関してだいぶ核心的な箇所があるので、そちらも見てみましょう。↓

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(以下、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻のネタバレ注意)

 純那さんとばななさんで「委員長」という一つの「椅子」を「競争」で奪い合うというシチェーションにて。

 幼稚園での実習中。ばななさんは、純那さんが集団からあぶれていた(これもある意味「競争」で敗れていた)一人の女児を気にかけていたのにハっとする場面が描かれます。


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画像は『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻(電撃コミックスNEXT)より引用)

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 ここまで物語が進むと、この女児にばななさんは「かつての孤独だった自分」を重ねているのだろうなぁ……というのがもう分かる感じです。


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(画像は『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻(電撃コミックスNEXT)より引用)

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「(純那は)ひとりぼっちの子を ちゃんと見つけてくれる人だって思ったの」(大場なな)


 と、「委員長」を辞退します。(「競争」からは自分から降りたということ。)

 何故、ばななさんは「あぶれていた女児」や「脱落した『成瀬さん』と『逢坂さん』」に共感するのか? これはもう、「かつてばななさんがそういう(「競争原理」で敗れて「孤独」になる)立場だったから」でファイナルアンサーなのではないかなぁという感じです。

 「私も 昔は1人だったから」と、言葉にもしております。↓  


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私も 昔は1人だったから/画像は『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻(電撃コミックスNEXT)より引用)

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(/『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻のネタバレここまで)
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 つまり、「あぶれていた女児」=「脱落した『成瀬さん』と『逢坂さん』」=星見純那=「孤独だったかつての大場なな自身」という構図が成り立つ。

 ばななさんが、「あぶれていた女児」や「脱落した『成瀬さん』と『逢坂さん』」や星見純那(というか「九九組」)を守るという行為には、「かつての孤独だった自分自身を救う」という意味合いがかかってる可能性が高いです。

 なので、「ループ」してでもなんでも、守ろうとする。「孤独」だけは耐えられないから。自分自身の「過去」の「孤独」の代償行為として、「未来」を閉ざして「競争」の「脱落者(孤独者)」が出ない世界(=「忘れられない、永遠の一瞬」)を守り続けるのが大場ななさんというキャラクターです。


 二つ目は、天堂真矢(「競争」の勝者)への反発。

 わりと、大場ななさんが「ループ」を願うきっかけとして、天堂真矢さんとの対話がある……という描き方になっていたと思います。

 真矢さんが、アオリっていうか、ばななさんは本当は強いのに、「脱落者」や「弱者」のことを気にして本気を出さないのは失礼だ、みたいなことをばななさんに言うのですね。

 これが、大場ななさんを「ループ」に向かわせてしまう……という描き方だったんじゃないかと思います。

 この感想でずっと書いてきた、「共同体(仲間を大事に)」と「競争原理(仲間を切り捨ててでも勝利を目指す上昇志向)」の二律背反ネタだと、真矢さんは「競争原理」側の頂点の人ですから、「共同体」志向(「みんな」が一番大事)のばななさんとはめっちゃバッティングするわけです。

 この辺りは、第二話の感想で、


>今のところ「競争原理」側の一番の強者は真矢さんってことだと思うのですが、流れ的にはばななさんに戦ってほしい気もする(OPの二刀流カッコいい)。

>真矢さんのような存在の影に隠れて「独り」になる存在に目がいく人VS「競争」の頂点。


 ということを書いていたのですが、けっこう当たった感じですね。

 この題材、リアルの方も「競争」の「勝者」にはお金とか人とかどんどん集まってきて富んでいく一方で、「敗者」は貧困で一人部屋で「孤独」だ……みたいな社会状況もあったりなので、時代性もあるわけです。

 ばななさん目線に立つなら、テメエ、天堂、おまえは「勝者」だからイイけど、「敗者」が、「あぶれていた女児」とか「脱落した『成瀬さん』と『逢坂さん』」とか「過去の私」とかが、「孤独」に陥っちゃうんでしょーが、という感じです。

(注:もちろん、作品全体として真矢が、「競争」そのものが「悪」として描かれてるというような単純な話ではないです。主人公の華恋が持ってる上昇志向(「日々進化中」など)は好感的に描かれてると思いますし)

 結果、自分が否定的に捉えてる「競争原理」に自ら参戦し(キリンのオーディションに参加し)、ばななさんは真矢さんを「競争」で上回った上で、超「共同体」的な方向、仲間を大事にっていうか、「脱落者(孤独者)」が出ない代わりに同じ仲間で永遠に終わらない「ループ」という方向に行ってしまいます。

 あてつけ的? あるいは極端? にも捉えられますが、それだけ大場ななさんが抱えてる「孤独」が深いのだと思います。「競争」の強者(真矢)は倒した上で、ガチで終わらない「共同体」に引きこもる。ああ、ここなら、この世界なら「脱落者(孤独者)」は出ない……イイなぁというのは、表面的、感覚的には分からないでもないです。

 ただ、「競争」に振れ過ぎて弱者全滅みたいなのもヤバいですが、弱者も脱落しないで済むけど永遠に変化も未来もない「共同体」というのもやはりヤバいわけで、まずは当面、物語としては「大場ななループ」の突破に向かって描かれていくものと思われます。


・「競争」の脱落者への共感。
・天堂真矢(というか「競争」の勝者)への反発。


 という強い動機で「ループ」している大場ななさんですが。

 突破のキーになるのはおそらくひかりと華恋。

 ひかりの方は今話でも分かりやすく「『大場ななループ』の外からきた存在」として描かれていますので、おそらく突破の方法(ギミック)担当。

 で、突破の思想の方を担当するのは、やはり主人公の愛城華恋なのではないかと予想します。

 というのも、第二話の感想で書いたのですが、アニメ版のこのループ(おそらくひかりと再会してるのが大きい)の華恋は、「競争」の「脱落者(孤独者)」にも光を当てる存在として描かれているので。


参考:少女☆歌劇 レヴュースタァライト/感想/第二話「運命の舞台」(ネタバレ注意)


 第二話で純那が華恋に敗北し、純那は「競争」の「敗者」となるのですが。そんな純那に対して、それで終わりじゃない……とでも言うように、幕を上げて、華恋が再び純那に光を当ててあげるというシーンが描かれます。

 加えて、変身(「アタシ 再生産」)時の、スポットライトが無数に外側に向かっていく(つまり、華恋自身というより数多の他者を照らす)「みんなをスタァライトしちゃいます」の演出&決め台詞。「スタァライトしちゃう」相手には、「あぶれていた女児」に「脱落した『成瀬さん』と『逢坂さん』」に「敗北した純那さん」に、さらには「過去の大場ななさん」でさえ入ってる……っていう主人公なんだと思います。

 思えば、第六話(感想)で香子が辞めるって言った時に、一番引き留めてたのも(ギャグ調にはなってましたが)華恋でしたね。脱落者、敗者、孤独者を見過ごせない性質の主人公なんだろうと。

 「競争原理」に覆われた世界では、必ず「敗者」、「脱落者」、「孤独者(かつての自分)」が出る……という問題に対して、大場ななさんが選んだ方法が永遠の「ループ」だったのに対して、

 華恋は、「みんな(「競争」の脱落者も含めて)をスタァライトする」という「別解」を持っている……ということなのかなと思います。

 本作を観てる層は、リアルの「競争」社会ではそんなにも勝てなくて、あるいは「敗北」して引きこもっていて「孤独」だという方向のおじさん・おばさんたちとかで、もう、いっそばななさん的に輝いていた「過去」に永遠に引きこもりたいくらいの勢いの方も多いかもしれないのですが(むごい偏見)、たとえばそういう視聴者に対しても、ややや、「別解」もあるかもよ、見えにくい部屋の片隅にいる「あなた」も見つけてみせるから。光をあててみせるから。

 「あなた」をスタァライトするから……というような「祈り」のようなものすら感じる作品です。

 ◇◇◇

 第一話の放映直後から、僕は『仮面ライダー龍騎』に言及して本作を語っていたりしましたが。

 いよいよ大場ななさんが「ループ」していたことも明示され、『龍騎』めいてきました。

 先行する舞台版時はおろか、アニメ第一話放映後でも、僕の観測範囲ではTJさんと何人かくらいしか『龍騎』を絡めてはいなかったんじゃないのくらいの勢いでしたがw第七話以降はけっこう『龍騎』『龍騎』言ってる方々も増えてきた印象です。

 『仮面ライダー龍騎』自体が、日本のゼロ年代(2000年〜2009年?)創作作品の評論とか考察の時にはよく名前が上がる作品なので、絡めて語るのはまあイイんじゃないのかな〜くらいの心持ちです。

 「セカイ系」の話をする時っていつも『最終兵器彼女』の話出てくるの!?

 みたいな感じで、

 「スタァライト」の話する時っていつも『龍騎』の話出てくるの!?

 みたいな定番のネタ(?)くらいにはなっても、まあイイんじゃないのくらいの気持ちです。

 で、『龍騎』エンドだと、たとえ「ループ」は突破されても、一人は悲しいことになっちゃうわけじゃないですか。

 え、九人から一人減って八人。だから作中の「スタァライト」の演者は八人なの? ぴったり? やだ……

 っていう感じなんですが、今は2018年なんで、2002年の『龍騎』エンドは超えていくエンディングが個人的には観たいですかね……。

→Blu-ray



→前日譚コミックス

少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア1 (電撃コミックスNEXT)
轟斗 ソラ
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
2018-06-27


→前回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第六話「ふたりの花道」の感想へ
→次回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第八話「ひかり、さす方へ」の感想へ
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