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 相羽です。

 アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト(公式サイト)』第八話「ひかり、さす方へ」の感想です。

 第一話は、現在「スタァライトチャンネル(公式チャンネル)」で観ることができます。↓


 感想は、ネタバレ注意です。

 一部、前日譚コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻のネタバレも含みます。
 ◇◇◇

 神楽ひかりが、アニメ第一話で「聖翔音楽学園第九九期生」共同体にやってくる以前に、ロンドンの王立演劇学校でキリンのオーディションに参加し、既に一度敗北していたのが明らかになる回でありました。

 これは、ここのブログの感想で書いてきた、本作は「競争(仲間を切り捨ててでも勝利を目指す上昇志向)」と「共同体(仲間を大事に)」の二律背反(基本的には両方同時には成り立たない)を一つは題材として描いているのだろう……という視点からすると、ひかりは既に「競争」の「敗北者」であった、ということです。

 「敗北者」としてのひかりは、前回の感想で書いたところの「競争」の脱落者である「学校を去った『成瀬さん』と『逢坂さん』」や「あぶれていた女児(コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』)」と重なります。そして、おそらくは「過去の『孤独』だった大場なな」とも。

 疑似的に重なる関係は、


 敗北して全てを失っていた神楽ひかり=学校を去った「成瀬さん」と「逢坂さん」=あぶれていた女児 =過去の「孤独」だった大場なな


 です。

 今回のレヴューは「孤独のレヴュー」ですが、「孤独」要素はおそらくひかりだけじゃなくばななさんにもかかっていて、「孤独」者二人のレヴューが描かれたといった印象でした。

 で、「孤独」という課題が何らかの形で昇華に向かっていく……という物語の進み方だと思うのですが、やはり劇中の「孤独者」の救いには、主人公の愛城華恋の存在が一役買う……という作劇のように感じます。

 神楽ひかりと大場ななの「孤独者」二人、今話時点では要因が分かれてひかりが勝利するのですが、ばななさんになくてひかりにあった要因とは、やはり華恋との、


・幼少時の「約束」
・第一話で華恋が(「競争」で勝ち抜くためじゃなく)「守る」ために飛び込んできてくれたこと
・そして第四話で(「競争」の勝者の椅子は一つではなく)「ふたりでスタァになる」という世界観を示してくれたこと


 が大きかったのではと思うのでした。

 一方で大場ななさんの方は「孤独」に対して永遠の「ループ」という方法を選んでいたわけですが、今話時点ではまだ「孤独」という課題に進展が見られません(ひかりに対して何かは感じたとは思うのですが)。これは、今話時点ではまだばななさんにはひかりにおける華恋のような、「『競争』で敗れても信じてくれる存在」、あるいは華恋がそこはかとなく提示しているような「一度敗北し、脱落した人間でもキラめきが取り戻せる」世界観に心当たりがない(そういうものがあり得ると、受け取れていない)からなのかな、と。

 第二話の感想と、第七話の感想で華恋の特性は「『競争』の脱落者(孤独者)にも光を当てる主人公」「『競争』の勝者の椅子は一つだけという世界観をブレイクして『みんなをスタァライトする』世界観を提示する主人公」と書いておりました。


参考:少女☆歌劇 レヴュースタァライト/感想/第二話「運命の舞台」(ネタバレ注意)

参考:少女☆歌劇 レヴュースタァライト/感想/第七話「大場なな」(ネタバレ注意)


 ひかりさんは華恋を信じているので今回第二幕モード(?)が開花したのに対して、大場ななさんはまだ、華恋のような存在(世界観)が信じられなくて、「孤独」の脅えを抱えたまま……という印象を受けてます。まだ、脱落した「『成瀬さん』と『逢坂さん』」や過去の「孤独」だった自分に対して、「競争」で「敗北」したらそこで終わり……という世界観を抱えたままでいるように感じられます。

 踏み込んで言うなら、それは、どこかで他者を信じられない、ということです。深刻な「孤独」という課題を抱えているのでまあそうだろうなぁという心理なのですが、永遠に「ループ」してでも「守る」というのは、捉え方を変えると「私が守ってあげないといけない」=「みんなの自発的な可能性(キラめき)を信じていない」ということです。

 それに対して、本作では物語としては第五話、第六話で自発的なその人本懐の光(キラめき)という題材を描いておりました。TJさんのこのツイートはイイですね。↓

 華恋依存ではなく自分の本懐の「キラめき」を取り戻す第五話のまひる、追ってくる双葉のために自分の「キラめき」を再発動させる第六話の香子、などなど。いずれも、相手の中の自発的な光を信じてる感じです。

 こうした物語を積み重ねた上で、「みんなをスタァライトする」華恋の存在(「約束」)をトリガーに、ひかりが「第二幕」を開く、自分自身の「キラめき」を再発動させる……という今回の展開はとても熱かったです。

 第一幕は敗北に終わった。だけどそれで、終わりじゃない。第二幕がある。第二幕を生きてよい。第二幕を生きられるあなただって、信じてる。「脱落した『成瀬さん』と『逢坂』さん」、「あぶれていた女児」、「一度敗北した星見純那」「一度敗北した神楽ひかり」そしておそらく「過去の『孤独』だった大場なな」、みんな、それぞれの本懐の「第二幕」が開けるって、信じたい。絵的にも(象徴として)蕾(つぼみ)だったひかりの武器が華のように開くのとシンクロしていて、とてもカッコいいです。

 本作の視聴者層は、大人になってみて気がつけば訳が分からない「競争」主義社会に巻き込まれ、敗北し、かつてあった気がする「キラめき」は「勝者」の上層に搾取され、いつの間にやら第一話冒頭時点の(今回のループの)華恋みたいに、子供の頃の「約束」、自分の「理想」を叶えるといった情熱(キラめき)の灯は消えかけているおじさん・おばさんとかでしょうから(相変わらずの偏見)。

 この説はあり得そう。

 だから、「メタ」には、視聴者、僕とか第十幕くらいまで敗北続きwなので、そういう視聴者でも、「スタァライトしちゃうよ」、まだ自分の「キラめき」再発動できるって信じてるよ、第十一幕いっちゃおうよと、そんな祈りのようなものも感じる作品です。

 こうしたひかりの覚醒をもってしても、今話時点ではばななさんの「孤独」は解消されていません。それだけ大場ななさんの「孤独」は深い。また、その深淵にある「競争」の一握りの「勝者」にリソース(作中では「キラめき」、現実ではまあ、「お金」とか「人気」とか)を集める代わりに、「脱落者(孤独者)」を産み出し続ける「競争原理」のシステムは強い……。

 と、そこまで「タメ」た上で、次回どうやら大場ななVS愛城華恋。「孤独者」VS「みんなをスタァライトする」世界観の人、言い換えるなら、


 システムの犠牲者にして超「共同体」的な永遠のループを願った者VS「孤独者」や「敗者(脱落者)」にすら「キラめき」のきっかけを灯すシステムブレイカー


 「システム」を前に、子供の頃の「約束」とか感情とか憐みとかは、「孤独者」を救えるのか?

 悲劇エンドにも救済エンドにももっていけるカードなので、次回に向けて(の僕の視聴テンションが)既にヤバい。

 心情としては、たのむ、大場ななさんを救ってやってくれ! って気持ちなのですが……。

 ◇◇◇

 初回の感想から『仮面ライダー龍騎』の話とか絡めて感想を書いてましたが、第七話で「ループ」とか明示されて、いよいよ『龍騎』めいてもきました。

 TJさんも悪ノリしてwこんな絵も描きます。

 今回も、ひかり覚醒を『龍騎』のナイトサバイブ登場くらいの位置づけと解釈するなら、この後、龍騎サバイブ登場回、何らかの華恋の覚醒的イベントも予想されるわけで……。

 その上で、『龍騎』エンド、つまりやはり犠牲者は出る悲しさを描くのか。

 2018年の祈りを込めて、今話の大場ななさんの、(作中の「スタァライト」の)結末は「悲劇」、「別れ」に決まっているという暗示を何らかのカタチで超えていく結末を見せてくれるのか。

 個人的には、「次」の世代が中心で作ってる作品、「次」の世代も見てる作品として、何らかの「別解」を見せてくれるエンディングだったらイイな〜と思っているのでした。

→Blu-ray



→前日譚コミックス

少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア1 (電撃コミックスNEXT)
轟斗 ソラ
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
2018-06-27


→前回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第七話「大場なな」の感想へ
→次回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第九話「星祭りの夜に」の感想へ
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