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 相羽です。

 期間限定イベント「オール信長総進撃 ぐだぐだファイナル本能寺2019」をクリアいたしました。

 長尾景虎さん推しになりました……。

 TYPE-MOONのスマートフォン用ソーシャルゲーム、FGOこと『Fate/Grand Order』の感想・プレイ日記などです。公式サイトはこちら。↓


『Fate/Grand Order』(公式サイト)


 長尾景虎(上杉謙信)さんが毘沙門天の化身を名乗っているのは、イベントの事前広報でも伝えられていますし、史実でもそうっぽいのですが。

 今回は、『FGO』のストーリー的に何故このタイミングで毘沙門天なのか? といったあたりをつらつらと書いてみたいと思います。

 以下、今回のイベントのラストまでおよび、メインシナリオ第2部第4章ラストまでのシナリオのネタバレもあるので注意です。
 ◇◇◇

 毘沙門天(びしゃもんてん)。

 いわゆる四天王の一人(多聞天ともいわれる)で、七福神の一人。もとはインド神話の神様&仏教の世界観とも関連してますので、このざっくり感は(イイ意味で)とても日本的な神様感を感じる存在です。

 で、今回のストーリー、ポイントとしては毘沙門天は民間信仰の神様の側面が大きいという辺りです。

 戦の神様のイメージが強いのですが、商売繁盛の神様だったりもして、歴史的に古くから「民」に親しまれていた神様でもあるのです。

 今回のイベントのストーリー、僕の解釈では長尾景虎さんは毘沙門天の化身を名乗りつつ、(ご加護みたいなのはたぶんあるんだろうけど)ストーリーの大部分では特に神様の毘沙門天の力というよりは、たんに長尾景虎という人間が強かった(ストーリー的にも強すぎる人間の孤独が描かれている)という扱いになっている。

 で、最終戦のVSマックスウェルの悪魔のところのみ、本当に(神様の)毘沙門天が助けに来てくれた……! という感じなのだと思います。

 では、何故最終戦で本物の(?)毘沙門天様が助けにきてくれたのか。

 最終戦のVSマックスウェルの悪魔のところでぐだ男くん/ぐだ子さんを通して描かれていたのが何だったのかというと、普通の(ある意味お気楽で弱い)人間が生きていられる世界こそが、人類史の進展がもたらしたものであるということ。

 戦国のような強者が弱者を率いる世界ではなく、弱者なりに普通に生きていける世界。

 その「普通」がマックスウェルの悪魔(普通の人間には手の届かない遠大な存在)と対置されている感じだと。

 で、毘沙門天様は先ほど書いたように民間信仰の神様なので、基本的に「普通」の側に寄り添ってくれる神様です。

 じゃあ「普通」の人間の大事なものっていうのが何なのか? という部分として今回(というか『FGO』が)描いていたのが、「家族」だと思います。

 なので、今回のイベントシナリオは第2部第4章「Lostbelt No.4 創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ 黒き最後の神」からテーマ的に繋がってる感じなのですね。

 インド神話と仏教は色々関係し合っており、さらに日本でとなるといわゆる神仏習合とかの話も関わってくるという前提の上で。

 第2部第4章で言及されてたクベーラこそがヴァイシュラヴァナ(毘沙門天)のことなので、そうなるとラクシュミー(吉祥天)はその妻、ということになります。

 第2部第4章「Lostbelt No.4 創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ 黒き最後の神」で、一番好きだったシーン。

 ラクシュミー・バーイーさんが辿り着いた「願い」に関する述懐がこちら。↓


---

切り捨てられるのは。
なかったことにされるのは。
要らない……不必要で、不出来な、もの。
――ああ、論外だ。不幸と不運の女神ほど、世界に不必要なものもあるまい。
それでも、願いは許されるはずだ。
いかに呪わしい役割を与えられたものであっても。
不出来を運命付けられて生まれた者であっても。
……家族の幸せを祈ることくらいは、許されていいはずだ。
他の誰がおまえを非難しようとも、私はおまえの味方でいよう。心優しきアラクシュミーよ。
国を守れなかった王妃も、不吉さでは似たようなものだが。
だからこそ、信じてほしい。
私は今度こそ、守り抜くと誓ったものを守る。
囚われのラクシュミーを、あの偽りの神の中から救い出したいというおまえの願いを、守り抜いてみせよう。
それは、無論、国ではない。そんな大きなものではない。
掌に収まるほどの、何の変哲もない、ちっぽけな願いだ。
だから……しっかりと、掌に握り込む。
たとえ、世界にだろうが、神にだろうが。
決してこの手を開かせはしない――!


(『Fate/Grand Order』第2部第4章より引用)

---


 「普通」の人の願いとして「家族」の無事を願う。これくらいは、守られる世界であってイイはずだ。

 ここで、毘沙門天が戦の神だったり商売の神だったりもするけれど、「家族を守る神」でもあるとして知られているのがピタっとリンクしてきます。

 今回のシナリオはかなり涙腺にきましたよ。

 つまり、


 アラクシュミー(排斥される犠牲/不要)←ラクシュミー・バーイーさん(守ると言う)
 長尾景虎(排斥される犠牲/異質)←ぐだ男くん/ぐだ子さん(切り捨てないと言う)



 この構図が、第2部第4章と、今回のシナリオとで重なる感じなのです。

 だから、毘沙門天さんからすると、先日は妻の吉祥天(ラクシュミー)とその姉のアラクシュミーをありがとう、カルデアの者たちよ。今度はワシが助っ人するぞい! みたいな感じで今回のシナリオのラストで来てくれたんだと思うのですね。

 『FGO』、「家族」、「夫婦」というものを大事に描いているフシがあります。

 毘沙門天さんは第2部第4章的には北の守護神のクベーラ(これも毘沙門天)の神性としても出てきましたから、妻・ラクシュミーと、子の那托(なた)という「家族」の物語も組み込まれていると思われます。

(若干フライング気味で語ってみると、毘沙門天(クベーラ)と吉祥天(ラクシュミー)の子は五人いて、後を継ぐのは末子の善膩師童子なので今後出てくるかも?)

 毘沙門天と吉祥天もそうですが、これ、やはりパールヴァティーさん(依り代は桜)に物語として焦点が当たりまくってることから、夫としてシヴァ神がどこかでくる。本命としては千子村正(依り代は士郎)にシヴァ神要素が入ってくる……とかは予想・妄想してしまいますね。

 第2部第4章にアシュヴァッターマンが既にシヴァ神の化身の一人として出てきますが、もうちょっとダイレクトにというか、有名な千手観音が「千の手を持つもの」でシヴァ神の異名で(じゃっかん複雑)、「千子」の名の由来は「千手観音より賜りし子」という説があるので、千子村正=何らかのシヴァ神関係のネタを入れてくる……は僕としてはかなり本命の予想です。

 第2部のクライマックスに「家族」というネタをストーリーのコアに絡めるにあたって、士郎と桜の夫婦が連想されるような、シヴァ神とパールヴァティーの夫婦。そして、そっちに物語を向けていく仕込みとして、毘沙門天(クベーラ)と吉祥天(ラクシュミー)の夫婦を描いている。

 ゆえに、何らかの「夫婦」、「家族」ネタへの準備としての、今回の毘沙門天様マジできてくれた! 展開なのではないかと考察してみたいところなのでした。

 ◇◇◇

 長尾景虎さんを宝具Lv.5にするのが間に合いました。


190716fgo1
(画像は『Fate/Grand Order』より引用)


 この後『FGO』フェスとか今年の水着イベントとかあると思うのですが、僕としては星4サーヴァント確定チケットをまたやってほしいのが、今一番の願いですかね。

 ラクシュミー・バーイーさんをゲットしたいですよ。

 長尾景虎さんと並べて霊基一覧画面で眺めながら、毘沙門天様、吉祥天様(の姉)、夫婦、家族……神仏習合ウェイウェイ! みたいな気分(え)に浸りたいのだった……。

→コミックス





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