序盤は前回までシンとアスランの対比で魅せてくれましたが、今回はキラとアスランの対比、いや対比ではなく、同一立ち位置というペア描写で魅せてくれました。キラが出てくる場面はほとんど全てアスランとのペア描写でしたが、一番は相変わらずですがED導入部が出色です。
 「そこで何をしてるんです?」(シン)

 のアスランへ向けてのシンの問いかけに、同時にキラの場面もカットインするのがニク過ぎる。戦争の兆しを前に、前作ラストに戦争そのものと闘った二人は今何をしてるのか?

 「嵐が来るのですね」(ラクス)

 「うん、分かっている」(キラ)

 と、戦争の予兆を感じながら、今はまだ子供達とのミクロな暮らしの中にいるキラと、シンの問いかけに明確な答えを返せないまま背中を向けて立ち去ることしかできないアスラン。

 答えは今の所何もしてない。

 これは当然二人がコレから何かをし始める、行動を開始し始めるという強力な暗示です。

 前作主人公二人の行動開始伏線燃え。

 こんな、行動開始前からタメにタメて描かれている二人です。シンを主人公にうたってますが、これはやはりキラ、アスラン、シンの三人に主人公級の物語があると考えた方が良さそう。キラとアスラン、ゲストキャラの前作主人公では無さそうです。

 なんて、思ってたら、次回予告でさっそく、キラとアスランの再会場面が!
 コレは、前に言ったように、アスラン復活物語における必須イベントである「旧友との再会」イベントであるだけでなく、キラとアスランの行動開始前のファーストコンタクトイベントなんじゃないかと推測。いきなり最強の二人が行動を共にするという描き方をするとは思えないので、次週のファーストコンタクトからキラ軸、アスラン軸が別軸でスタートし、後半に再接触するものと予想。そんな方が、玉置成実のEDの歌詞的でステキ。

◇今は落ち目のカガリ

 そんな、コレからの燃え物語に期待でGOGOのキラ、アスラン物語に比べて、今しばらくはションボリしそうなのがカガリ物語。

 先週はアスランのためにあの状況で艦に残るという一国の指導者とは思えないことやったり、今回はシンにオバさん狩りに合ったりと、マイナス描写が続いてます。

 パパの名前が出たとたんに動揺して前回ぶった切られたちゃったりと、未だパパのことを吹っ切れていないアスランの心情に気づいてやれない辺りが痛い。
 為政者としての成長物語としても、アスランのパートナーとしての成長物語としても、今はとことん落ち目の時期の模様。カガリと入れ替わりにルナマリアが描写されてる辺りがもうヤバイです。アスランの心情に関してはシンの方が分かっちゃってるし。アスラン−カガリカップルじゃなくて、今の状況じゃアスラン−シンカップルです。仲良く射撃やっちゃったり、どんどんアスランがカガリサイドからシン、ルナマリアサイドに移っていきます。これは、アスラン、カガリ、一時離別伏線は整ったかなと、そんな感じ。多分、もうしばらくカガリはマイナス描写が続くんじゃないかと思います。

 されど、実質後半の切り札がカガリなのも事実。政治的な力を一番持ってるのはカガリですから。この落ち目を裏返して後半に活躍するカガリに期待です。そう考えると、世界の惨状を悠々と上から安楽椅子で見ているデュランダル、ジブリールらのカガリのライバル為政者に比べて、今の所未成熟ながらも下から民草のもとで色々と経験している模索者カガリというのは、為政者物語としては今の状況もポジティブ描写と取れるのかもしれません。

◇そしてラクス

 そしてもう一人、作中で政治的に力のあるシーゲルクラインの娘にしてザフトの歌姫のラクスも、今は下の視点から民草の中にいます。

 そんな所に、OP、EDで暗示されていたラクスII(仮)が上の視点のデュランダルの元に登場で、ラクス物語もスタート。

 まだ顔見せ、っていうか伏線張り程度の段階なんで何も予想できませんが、とりあえずラクスIとの対比が入ってくるのは必須かと。

 希望としては、前作SEEDでラスボスクルーゼのネガティブ行動の原因となった「クローン」という題材に関して、今回は別な帰結をつけてくれることを希望。

 というか、色々想像できますな。ラクスIIがデュランダルの元にいるってことは、デュランダルはラクスIのカリスマ性を利用してザフトの民を束ねることに利用しようとしてるのかもしれない。そうなると、今回で地球人民の意志統制をはかっていたジブリールと何が違うの?みたいな。

◇導く立場になったアスラン

 「敵って…誰だよ」(アスラン)

 あー、燃え燃え。

 前作SEEDではラクスから「何と闘わねばならないのか…」と同じように疑問符を突きつけられた模索者アスランだったアスランが、前作の物語を得て、同じ疑問符を後輩に投げかける立場に。

 なんか、感動。

◇そしてアスランと互角のレイ

 この前ユニウスセブン落下の対処法に関して、「砕くしかない」とアスランとハモったり、今回はかなり互角の射撃の腕前を見せたりと、何かとアスランと実力的には互角なことが描写されているレイ。

 これは、こんな激強キャラが二人同じサイドにずっといるというのも変なので、後半の味方サイドがシャッフルされ始める辺りで、レイはアスランとは違うサイドに行きそう。かなり胡散臭いデュランダルと繋がりが深い描写があるのも、そういう展開を暗示してるような気がします。

 レイのことを置いておいても、現在ザフトサイドのキャラが多すぎるので、後半ザフトサイドが分化するというのはかなり可能性が高いと思ってます。その時シンは?みたいな話が来ると思うんですけど、その時を楽しむためにも現在の丁寧なシンの変化描写を追っておくってのが楽しいんじゃないかと。

◇今週の和み描写

●自分からは銃の腕をひけらかさないアスラン
 ルナマリアに強く誘われてシブシブって感じがアスランらしくてステキ。

●何気にイザークを知ってたカガリ

 「ミネルバやイザーク達のおかげで」(カガリ)

 大戦のあと面識を持ったんでしょうか。それともアスランから話にだけ聞いてるんでしょうか。だとしたら非道いイザークエピソードばかり聞かされてるような気がします。キラにやられたイザーク、キラに蹴られたイザーク、キラにブッ斬られたイザーク、そうか、あのイザークか!みたいな。
 ウソです。前作ラストではついに自分サイド以外に属するカガリを助けるイザークという燃え場面がありました。その辺りの関係かと思うとステキ。

●指示になってないタリア艦長

 「シミュレーション値を超えています!」(クルー)

 カバーして!」(タリア艦長)

 超単純明快な指示。中々、具体的な指示をくれない、厳しい上司です。おっしゃ、カバーしてやろうじゃん!とやる気になります。



 なんてゆーか、これでもか!と面白要素をハイペースで詰め込んできて、めちゃくちゃ面白いです。第1クールからこんな飛ばしていいのか?と心配になるほどに。高密度エンタメ玩具箱。持続に期待です。



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