相羽です。

 そういえば、京都アニメーション作品『小林さんちのメイドラゴン』最終回の感想を書きますよと言って、まだ書いてなかったのですが。

 これ、途中で東浩紀さん著の『ゲンロン0 観光客の哲学』が出版されてしまったというのもあったりでして。


参考:『ゲンロン0 観光客の哲学』特設ページ | ゲンロン友の会


 完全に絡めて書いたら大がかりな論文みたいになってしまうし、かといってすっかり無視して書くのももはやおかしいというくらい、これまで僕が十数年書いてきた京都アニメーション作品物語論に食い込んでいる一冊でして。

 「共同体」を主要なテーマの一つに扱い続けている近年の京都アニメーション作品。僕が感想記事で使ってきた「境界領域者」という言葉は、ほぼ『ゲンロン0』の「観光客」という言葉と重なります。最近の作品ですと、『響け!ユーフォニアム(2)』の久美子と『小林さんちのメイドラゴン』の小林さんは、明らかに『ゲンロン0』の文脈では「観光客」というポジションのキャラクターです。


小林さんちのメイドラゴン感想

響け!ユーフォニアム感想


 また、近年の京都アニメーション作品が現在のオルタナティブ(代替)として模索している新しい「共同体」像は、僕は「曼荼羅(マンダラ)」的なものだとずっと感想で書いていて、「曼荼羅」って何だよ(笑)!? って感じだったかもなのですが、僕の頭の中では、いわゆる南方曼荼羅(みなかたまんだら)みたいなものが想定としてありました。↓続きを読む