●DEATH NOTE

 今週の鳥肌場面は以下のライトとLの会話に尽きます。

 「そうだ 裏で操る存在だなんて この本部にそいつがいない限り天からでも一部始終を見てられたくらいの存在になる……<略>」(ライト)

 「やはり私の結論と同じ様です 天から見通せる様な者の存在を認めたらそんな者は捕まえようがないし 私はとっくに殺されているか永遠に手の平の上で遊ばれ続けるかです」(L)

 Lというキャラの特性に、以前、キラ事件の犯人が神である可能性をも論理的に検証したり、死神の存在が示唆された所で椅子から落ちるほど衝撃を受けたりと、何かしら超越的なモノを認めない、そういったモノと対立する……というポジションにいるキャラだという特性があると思います。

 そんなLが最後まで引っかかっていたのが上のような「天から見通せる様な者の存在」が存在する可能性だというのが、Lという男、めちゃめちゃカッコいいですわ。そこまで思考の可能性を煮詰めてから行動に移るんですね。ちょっと惚れそうな思考密度です。

●ONE PIECE

 空島編で見つけたロビンの目的というか願いの一つに「歴史の本文を繋ぐためにラフテルへ」というのがあると思うんですが、どうやらそれとは別の、本人曰くルフィ達と一緒では得られない「願い」があるらしいことが示唆されました。嫌々政府側についてる可能性もあったんですが、どうやらそれなりに強い自分なりの動機で行動している模様。

 これは、「オハラの悪魔達と同じ思想」なんていうキーワードも伏線で出てきてるし、ロビン過去編が入るのかな。過去編も含めて、全てのロビン物語が収束したとき、ロビンの行動原理を仲間になる時に涙と共に見せた「歴史が知りたいだけなのに……」に帰着させて欲しいなというのが僕の希望です。やっぱ、「歴史が知りたいだけ」ってのがこのキャラのめちゃめちゃカッコいい所だと思うんで。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 良いです。また楽しみな連載漫画が一つ増えた感じ。

 01話同様視覚的な見せ方がステキです。寄生された一つ目おばあさんが出てくるシーンの衝撃を盛り上げる魅せ方とかステキ過ぎ。ホラーというと、僕なんかは活字媒体での方が馴染み深い人種なんですが、こういうステキさは漫画みたいな視覚媒体じゃないと味わえないよなーとしみじみ。

 またストーリーがね、今回は霊の方が一方的に悪いようにも思えるんですが、よく考えるとそもそもの発端は無縁仏の墓石を加工したテキトーな業者のせいだったりと、人間に責任の一端を負わせるのを忘れてないし……また墓石を加工するような故人の遺志をないがしろにするネガティブ要因の人間と、おじいさんの意志を引き継いでカレーを作りたいという故人の遺志を尊重するポジティブ要因のおばあさんとが対比されていたり……うん、やっぱムヒョとロージー、中々良いですわ。

●D.Gray-man

 前々話の、アクマと人間の境界に苦悩するアレンというのを引っ張ってきて、中々に繋がってる感がニクイ一話でした。

 こういう、敵の存在と味方である人間の境界の問題というテーマは、よく言えば普遍的、悪く言えば使い古されたテーマで、ぶっちゃけ同誌に掲載している「武装錬金」の方がこのテーマに関しては煮詰めまくってると思いますが、「D.Gray-man」の方はハッタリの効かせ方というか、演出の魅せ方が上手いです。

 「人間を殺すために(エクソシストに)なったんじゃない……」と表面的な言葉では口にするアレンが、実際には目の力を失った途端、人間の中にいるのが怖くなり、実はアクマなんじゃないかと幻視する……なんて下り、見せ方は結構鳥肌もの。

 やっぱし、ステキな漫画になりつつあるんじゃないかと、今後に期待しております。

●銀魂

 ミステリ仕立てで、一つの謎があったワケですが、そのトリックの解体、種明かしが忍者というのがバカバカしくて笑った。

 どんなバカミス(注:バカミステリー)でも、それはないよ、みたいな。

●いちご100%

 就職という選択肢を考えている小宮山とか、普通にノスタルジーを感じてしまい、良いです。就職か、進学か、なんて会話、大人の読者なら誰しも一度は友人とやった会話だと思うんで。

 露天風呂で突如全裸で立ち上がるさつきなど、従来のいちごらしさもアピールしていますが、ここ数話は普通の青春譚としてイイ感じです。先輩との別れに涙する美鈴なんてのもね、これも誰しも経験してきた感覚だと思われ、共感できます。

●未確認少年ゲドー

 涙腺弱くなってる?泣いてしまいましたよ。

 最後、死のフチの不思議世界で、今まで守っていた存在(フェニックス)の声が聞こえてくるっていうシチェーションにやられました。感動の感覚としては、『ダイの大冒険』のラストで、時が止まった不思議な世界でゴメちゃんとの対話が始まった時のような、そんなベクトルの感動。

 また、「ボクと讃良さんの間にはもっと強力な「友情」があるんです!」の「友情」の言葉がちゃんと心に響くのがイイ。前々回のD.Gray-manの感想で、「仲間」の言葉を出すのがちょっと唐突かな?という話をしたのとは逆に、今回のゲドーの「友情」は38話分の讃良ちゃんとゲドーくんの友情構築過程が強力に効いているので、素直にイイ台詞だなーと思えます(やっぱ「友情」だよね、二人の間にあるのは「愛情」ではないよね?)。

 そして、そんな人間と未確認生物の友情という現象に過敏に怒りを見せるワンヤン。トラウマ伏線が見えます。やっぱし、これは彼にも救いが与えられるラストかなー。

 巻末の岡野先生の「前回より第4部「不思議」編に突入しておりました……」とのコメントから、今クールの生き残りは決定したものと思われます。第3部は本当に良かったので(何編だったかは忘れてしまいましたが)、第4部も同じ密度の良質話を期待しています。

●ワークワーク(WaqWaq)

 カーフが他の防人を撃破と、何やら駆け足の展開になってきて、打ち切りor元々短期完結の予定だった?みたいな疑念が過ぎるようになってきました。
 ただ、カーフは物語序盤にわざわざシオとの因縁作りを挿入したりと、他の防人の中では別格の存在という描かれ方はしていたと思うので、この展開にもそんなには違和感はない感じです。

 「そうだ……シオ君だけは願いよりも私そのものを尊重してくれた 私もがんばらないと」辺りの神様の言葉も普通にステキだし、もうちょっと僕はこの漫画を読み続けたいです。

●武装錬金

 普通に動きのあって、これぞプロの絵という迫力のバトルシーンだなと思いつつ、そういった秀逸さの中で動いてるキャラが変態だというギャップが面白かったです。

 単行本の和月先生コメントでも、WEB上の武装錬金感想でも毎回反応がイマイチなのか?(アンケート人気が落ちるのか?)と話題になる問題のバトルエンタメの回ですが、今回は僕的には結構惹きつけられましたよ。この戦部の反則っぷりの武装錬金特性を、如何にしてパピヨンは破るのか、その点に純粋に興味を引かれました。

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