●緒方てい『キメラ』9巻
既巻中最燃えエピソード、烈風のタキの回を収録。
男よりもヒロインの方が戦闘力が高い話なんですよ。その点に男の方はずっとやり切れなさを感じているという描写でタメにタメていたんですが、ついに今巻にて、ただヒロインを守りたいが一心で苦難の末に男が新たな力を身につけ、ヒロインの絶対絶命のピンチに颯爽と光臨というバカカタルシスの一冊。帯のフレーズが熱い。
「絶望の闇に射す 一条の光とならん―― 今、キミのもとへ!!」
ファンタジー媒体では今一番熱い異種族恋愛物を描いてる漫画じゃないかなんて思ってるんですが、他にもガンダムSEEDなんかと重なる要素として、今巻では「憎しみの連鎖」をテーマとして扱って帰結させています。自分が抱いた憎しみはともかく、せめて次の世代には憎しみが風化すればいいな……みたいな所で一つ物語の筆を置いています。エンディング、めちゃめちゃキレイです。これ、時間の都合上雑誌でリアルタイムで追うのは断念してしまったんですが、これからも単行本は楽しみにしておこう。
●佐渡川準『無敵看板娘』11巻
僕が大好きな新キャラ、婦人警官権藤エツ子さんが登場の11巻。太田さんとの絡みの一話が大好き。
「確かに戦隊モノは子供に勇気と正義の心を与えるもんだよ!子供騙しだよ!!しかしそこには大人による巧妙な騙しのテクニックが満載なんだよ!そういう意味じゃ芸術なんだよ!んでもって俺は正義を愛してーんだよ騙されてーんだよ!!大人の脳が作ったものに大人がはまって何が悪い!!」(太田さん)
僕も大人ですが仮面ライダー見てるしジャンプも読んでます。すいません。
そして権藤さんの天使の笑顔。
「正義を愛する心に 年齢は関係ないんじゃないですか!?」(権藤さん)
太田さん−権藤さんカップル一押しです。
でも以後二人の関係の話はまだ描かれてないんだよね。どんどん絡めて欲しい二人なんですが。そんな、今でもチャンピオンで立ち読んでる「無敵看板娘」の最新刊でした。
●佐々木少年『真月譚 月姫』2巻
僕の中では『空の境界』の奈須きのこ氏がシナリオ担当した伝説の同人ノベルゲーム『月姫』の漫画版。ゲームの月姫は現在では手に入りにくくなっているので、僕のように空の境界から入った奈須ファンは、月姫に関してはこの漫画版が初接触という人も結構多いと思います。
で、やっぱりバカ面白いのだよ、これが。
直死の魔眼に燃えーの、ギャルゲーチックに女性に囲まれる主人公の環境に萌えーの。
『空の境界』と重なる部分も出て来て、既読者は思わずニヤリとさせられたりも。
とりあえず、『月姫』に関しては現物を入手する気力がいまいちないのと、やる時間もないのとで、しばらくはこの漫画版で接種していきますわ。
キメラ 9 (9)
無敵看板娘 11 (11)
真月譚月姫 2 (2)
真月譚は、確かに面白いんですが・・・メインヒロインであるアルクェイドルートだけなんですよね、まあマンガですから仕方が無いんですが。そのルートをあそこまで美しく『動く(?)画像』に昇華させた技術や、現実そのものの世界観がどんどん違う世界になっていく所をうまく表現できているのとかは素直に評価する・・・んですけどねー・・・。
さっちんが生きているというのも賛否両論だったみたいですね、原作ことゲーム版では彼女の死が志貴に大きな影響を与えていて、その後の志貴の行動もそれを背負ってます。
『『月姫』の世界を漫画にするなら、彼女の死は特に月姫を知らない人には必須だった』
『さっちんのファンだし、こういった救われるifがあって嬉しい』
大雑把に分けると良く聞く意見はこんな感じです。
月姫の魅力は5人のヒロインルートがそれぞれまったく違うということ。アルクルートで「あーこれで月姫の謎は終わった」と思ったらそれはまだ5分の一以下だというわけで。
一番アルクルートに近いシエルルートですら全然違いますからね。
あんまりドギツイネタばれすると目も当てられないのでここはという所は喋りませんが、特に琥珀さんにびっくりするでしょう。
ゲーム版の面白さは、単純に自分計算で真月譚の100倍です(誇張は一切なし)
いずれあいばさんが月姫やるの楽しみにしてます