「……みんなはそれで大人らしく、乾杯の一つでもして旅立てるのかもしれないけど、わたしは、何一つ実現してないから。このままじゃ終われないっつーの」(岡町環)

 自分が何者かに尊い存在だと信じて、英語の勉強に打ち込むことで周囲と距離を置きながらもアイデンティティを保ってた少女(主人公)が、バイト先の「蟲明電気商会」なる電気店の没落に巻き込まれるうちに自分が何者でも無いことが段々分かってきて、でもそれでも諦められなくて行動を開始する話。

 勿論、「自分、何者でもないんだ」って落ちる所から、バイタルに立ち上がる所が一番の燃えポイントです。

 そっから先は「蟲明電気商会」の没落を回避するために、仲間と協力しながらあの手この手と尽くしていく「目標に向かって邁進する型」のエンターテイメントです。「仲間」が非常に魅力的に描かれているので(キャラクター小説的と言ってもいいくらい)、そこの部分は本当に良質エンターテイメントしています。 「蟲明電気商会」の没落を狙う敵役として型通りのぼっちゃんキャラなんか出て来たりしてね。

 読みやすくて、ああやっぱコバルト文庫の小説の魅力って、こういう少年少女の悩みとそれの昇華なんかを描きながら気軽なエンターテイメントを届けてくれる所かなぁなんて思ったり。

 とりあえず主人公の岡町環ちゃんの性格が可愛いかったっス(^_^;




青空のように君は笑う―僕らが起こしたちょっとした奇跡