今週号は衝撃展開の作品が多かったため、ネタバレ注意です。感想は必ず読了してから読むのをお勧めしておきます。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 混乱した状況、それをもたらす謎を否定的に捉えてる弥子と、謎が大好きなネウロという、相反する属性の二キャラが冒頭に出会うというのがまずは素敵でした。異なる属性の二人がタッグを組むというのは、まずは相棒モノの王道の面白さなんじゃないかと。

 そして相棒のネウロ、「謎を欲すること」が行動原理というのがカッコいい。謎を解決する快感、色んな所に溢れていて、それに入れ込んでる人種って世の中にも沢山いると思うんですよ。学問やってる学者とか、企業でシステム作りやって働いてる人とか、基本的には「混乱」を整然と整理する魅力、謎を解く魅力に誘因されて活動してる面があると思います。

 なので、ネウロが天才タイプの主人公にもかかわらず、鼻につかず魅力的に思えるのは、そんな謎に賭けている、一途に謎を追い求める姿勢が最初から全開で、その部分に少なからず共感できる(僕のような)人種が現実世界にもいるからなのかなと思いました。「謎が欲しいから」にはONE PIECEのロビンの「歴史が知りたいから」に通ずる、シンプルな探求心を行動原理にしてるカッコよさがあります。

 また謎を解いた瞬間に対象に興味を無くしてるあたりがステキ。小川洋子の『博士の愛した数式』で、博士が数式を証明した瞬間にその数式に関しては興味を失う……みたいな下りがあるんですが、それと同じで謎は解くまでが華という部分が、作者、分かってるなとニヤリとさせられます。やっぱ学者キャラに通じるものがあると思いますよ、この謎に尋常ならざる執着を見せる主人公というのは。

●アイシールド21

 ウィッシュボーンとか、複雑な高等戦術で攻めていたヒル魔が、ラストの勝負所では単純な1オン1の勝負に賭けるという部分に燃えるものを感じました。

 そして第01話の三兄弟抜き去りシーンをここにきて絡ませてくるという、個々人の特性の魅力を描いてるアイシールド21としては最高の展開でセナ、筧を突破。

 ……と、ここで逆転でも文句のつけようがないスポーツ漫画の名勝負だったと思うんですが、ここからさらに裏返して窮地へ、残り2秒のタイムアウトですよ。これは、マジでどうなるんだろう。『YAWARA』では残り8秒で時計が止まって、そこから勝利というのを読んだことがありますが、それは一瞬で決着可能な柔道だからだし、何より残り2秒で時計が止まる状況というのは初めて読みました。アメフトがここから逆転可能なスポーツなのかどうかがまず知識として僕は知らないんで予想とかできないんですが、2秒はキツいよなぁ。

●DEATH NOTE

 サプライズとしてミサの死があるんじゃ……なんて先々週書いてたのには月−Lの頭脳戦は連載終了まで続くという前提が僕の中にあったワケですが、ご存じの通りそんなサプライズを吹き飛ばすようなサプライズで、L、死す

 コレはやられた。読んでてエー!!としか言いようが無かった。郭 海皇みたいに実は生きてるんじゃ(バキネタ)って思いも巡らしたけど、レムがしっかり灰になってるんで本当に死んだっぽい。

 もう、これからの展開に期待を馳せるくらいしか感想書けないじゃないですか!

◇展開予想

 →新たな視点キャラを投入して仕切り直し。

 連載が続くという前提があってですが、これくらいしか思いつかない。

 「体制−反体制」からすると「反体制」に属するのが圧倒的にWJ漫画の主人公には多く、ライトも究極に「反体制」な主人公だったワケなんですが、敵がいなくなり「新世界の神」になってしまうと、今度は「体制」側に回ることになります。なんで、主人公は「反体制」というセオリーからすると、今後は「体制」側に回ったライトに抗うサイドの「反体制」の新視点キャラが登場してくるというのはそんなに突飛な予想ではないのではないでしょうか(そのキャラがもう少し真っ直ぐな少年主人公型のキャラだったりしたら、なお面白いのではないかなんて)。ライトは「新世界の神」と明言してるんで、そんな「神」に抗う者のストーリー。神に抗う物語は王道といえば王道だし、DEATH NOTEはそもそもデスノート自体が主役……みたいな雰囲気を随所に醸し出していたので、ライト=視点キャラにして主人公という構図を崩して新視点キャラを登場させるというのは個人的にはかなり有りだと思います。

 ……

 なんて書いてみたけどまったく先が読めないんですけどね。本当どうなるんだ、コレ。

●ユート

 ノーマル/スラップなんていう、スピードスケートにまつわる(僕にとっての)新情報を届けてくれるだけでかなり満たされています。しかも、そういう一般読者は知らないような新情報のノーマル/スラップを、ドラゴンボールにおける「重い胴着」みたいな感じで主人公の制約にしちゃってる辺りが上手い。主人公に制約をつけるのは少年漫画の王道の面白さだと思うんで、マイナーな題材を扱いながらちゃんと少年漫画してるなって感じで好感。巻末コメントからも一昨年の初夏から綿密に取材した上で制作されてる漫画であることが伝わってます。そういった努力と克己の時間。是非、良作へと転化して欲しいと思います。

 あと吾川ちゃんは、既に技術がある瀬尾に対して成長物語を担うキャラになりそうな雰囲気が既にホクホクと出てるんで、今から楽しみにしたいと思います。

●D.Gray-man

 エリアーデはアクマ、クロウリーはエクソシスト、そこでエリアーデが口にする、

 「連れてなんて行かせるもんか…っ」

 の場面から、多分異種族恋愛風味な物語なのだと思います。

 この前のロード……「人間」だけど悪。
 エリアーデ……「アクマ」だけど一抹の正しさ……

 って感じで、テーマ的に続いてる人間−アクマの二項対立では終わらない……という部分を今シリーズでも描いていくんじゃないかなと。目が戻ったアレンの、

 「また戻ってきた 白と黒の世界」

 の台詞の「白と黒」という言い回し辺りに、二項対立へのハテナマーク、そしてそのテーマの渦中で未だ迷走中のアレン……という命題がにじみ出てるように思います(アレン、この前のロードの時の逡巡といい、その後の軍服の覚悟の話といい、このテーマに関しては現時点では迷走中という感じがするんで。物語の進展と共にアレンがこの問題に折り合いをつけていくという流れだとイイと思うんですが)。

●こち亀

 よく異文化理解話なんかで否定的に指摘される、日本人は謝ってばかりで、納得してなくてもとにかく謝ってなぁなぁですませようとしてる……なんて話を素材にあつかっての笑い系話で楽しめました。最初面白可笑しく描写されてた「謝り」も、段々やみくもに謝るのはどうよ?な感じに話が展開してきてたんで、オチの両津ブチ切れオチは、ああ、そうだよなという爽快感がありました。やっぱり両さんはこっちの方が「らしい」ってのが読者にもあると思うんで。

●武装錬金

 作戦、知略型バトルだった斗貴子、剛太バトルの次がコレだったんで、ギャップで小細工無しの真向勝負展開は燃えました。カズキとブラボーは、この真っ向からの衝突が「らしい」ってのは武装錬金読者には十全に分かってると思うんで。

 でもって、

 「届け… 届けッ」

 のシーンが前回ブラボーと戦った時の第51話の「届け… 届けェェ!」のリフレインになってるのもファンにはたまらない。

 勿論物理的にSUNLIGHT HEARTがブラボーの本体に「届け」というだけじゃなく、尊敬すべき大人としてのブラボーに「届け」の意味合いも入ってるんでしょうな。

 和月先生が単行本コメントにて早くからコメントしていた、ブラボーはいつか越えるべき大人キャラ……というコメントに由来する物語、今話にてひとまず昇華です。

●いちご100%

 今回は甘酸っぱさ全開でした。ちょっと普通にドキドキさせられました。強引な密着エロ入らなくても、普通に恋愛漫画の機微を描く時があるのがいちごです。

 西野との恋人関係再開という回でしたが、逆に西野エンドはこれで無くなったかなぁという印象を抱いています。一つはこの作品のファイナルは「卒業」と重なる可能性が高いため、作中時間の現時点での西野とのカップル成立は早い気がする、言うなれば破綻するだけの時間がまだあるように感じられる点。二点目は西野は夢への不安、真中は東城に彼氏がいたという誤解からの逃避という、双方逃避チックに結びついた感があるため、この結びつきはネガティブチックに後で裏返されるという可能性が物語の王道としてはあり得るという点。

 自信を持って夢へと歩みだせるかが克服すべき最後の障害である西野のラスト、夢云々じゃなく真中に想いを伝えられるかが克服すべき最後の障害である感がある東城のラスト……という現時点での雰囲気からすると、それぞれのヒロインが問題を克服して帰結するには東城エンドが一番収まりがいいように思えます。

●ワークワーク

 ヨキの願いが「赤き血の神の抹殺」ということが明らかになり、赤き血の神、神様を抹殺することで何かしら「世界」の方はプラスに働くという事実が次回明らかになる可能性が高くなってきました(ヨキの願いにも正しさがあるという展開)。

 その真実を聞いても果たしてシオは「神様を守る」と「願う」ことができるのか。

 次号予告の「ヨキが語る世界の真実!!二千年前に起きた出来事とは!?」が最高に惹きが強いです。次号必見です。

 神様が最後どうなるにしろ、やっぱ神としてじゃなく個人として扱われてシオに下の名前を呼ばれるシーンが入るというのが理想の予想だなぁ。

●未確認少年ゲドー

 幽遊白書やレベルE型のラストだったと思います。幽遊だったら人間と妖怪、レベルEだったら地球人と宇宙人、そういった種族の対立ではなく、無化というラスト。

 人間と未確認生物の壁がずっと描かれてきた相互理解努力によって今後無化されていく、最後の沢山の未確認生物が讃良の所にやってくるという風景は、そんな続きを連想させて、残留感があるイイ終わり方だったと思います。

 先週の全員合体攻撃とか、今週の眼力目玉乱舞!とか、あくまで子ども向けのバカエンタメを入れて子どもを楽しませることに徹しながら、時に素晴らしい物語構成力で深みのあるテーマを伝えるなど、実に良心に満ちた作品だったと思います。

 大好きでした。そのうち単行本揃えようと思ってます。

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