「ウソだろ!?落ちた!?」(シン)

 そりゃシンもビックリするよ。
 でもステラはそういう娘だからと既に視聴者としては分かってるので違和感は無し。普通のヒロインとの対面イベントがこれだっらそんなバカなですが、でもステラだし、で片づけられます。るんるんするとクルクル回っちゃう描写と、海を見てるんるん状態になってた描写の伏線も効いてます。どんな伏線だ。

「大丈夫だ、オレがちゃんと、オレがちゃんと守るから」

 二人の関係性の始まりが一目惚れとかじゃなくて、16話の民間人を助けるために無茶する描写、19話の「普通に平和に暮らしてる人達は守られるべきです!」の台詞、その辺りで描写されてたシンの行動理由を踏まえて、ステラを戦争で家族を失った一般人と勘違いしてシンはエンパシーを抱くという流れはよく練れてて良かったと思った。

 シンは自分の経験を踏まえた行動理由から来るエンパシーで「守る」と言ったんですが、ステラの方は何やら「死」というステラに取っての最大の恐怖対象から自分を守ってくれるような崇高な意味合いでの「守る」と受け取ってるのが、議長のキー台詞、「発せられた言葉がそれを聞く人にそのまま届くとは限らない 受け取る側もまた自分なりに勝手に受け取るものだからね」を踏まえてるっぽくって良い。ステラは自分なりに勝手に、非常に大切な言葉としてシンの「守る」を受け取りましたよ。

 「シン、ステラを守るって」(ステラ)

 シンには是非、自分が発した「守る」の言葉を完遂して欲しい。

 この「守る」一語がおそらく最大にキーです。前の感想なんかでも書いてるように、いくつかの思想の違いからミネルバサイドとアークエンジェルサイド、特にシンとキラが一時対立することが予想されますが、その2サイドの昇華要素として、キラもラクスを守るために力を取った、力を手にしたシンにも守りたい人がいる、その「守る」という一点の共通要素が大きく関わってくるものと予想します。

 「守りたいものが同じなら きっと必ず戦友になれる」(和月伸宏『武装錬金』)

 の物語文法はある程度の普遍性を持って存在します。DESTINYは「複雑な物語にする」と制作サイドも銘打ってるので、中々単純にはいかないでしょうが。

◇アスランのミネルバサイド化

 大分馴染んできてます。シンとも18話の共闘以来、だいぶうち解けてきてる模様。シンがアークエンジェルサイドに近づいてきてるというよりは、所属することに違和感が無くなってきたアスランがミネルバサイドに近づいてきてる印象。アスランバッドエンドとして、このまま所属するに(主に議長に)まかせて連合と戦っていればOKと思考停止してしまうというエンドがあります。そうならないか、ハラハラ、それもアスラン視点で物語を見る楽しみ方です。アスラン視点の場合、どのように現実にのまれずに理想サイドであるアークエンジェルサイドの思想を忘れないまま、理想と現実を止揚していけるかだと思うので、あんまりミネルバサイドに入り込んでいくようだと、今後アークエンジェルサイドへの揺り戻しイベントがきそうです。いずれにせよアークエンジェルが動き出す次回以降がキーですな。

◇シン−カガリ、止揚の可能性

 さっきの理想と現実云々の話で、今話の感想とはあんまし関係無いんですが、シンはオーブの理念そのものには肯定的なんですな。20話では戦争で家族を失うまではオーブの理念を肯定的に捉えてたことがモノローグされていますし、物語前半でカガリに向かって理念を貫くことによって誰が死ぬことになったか分かるのかと、理念を貫くことに対して否定的なニュアンスでつっかかってる一方で、いざオーブが国民のために理念を捨てたのが分かると、カガリにつっかかったのとは矛盾するようにオーブに対して怒りを覚える。これは12話時点でも、心のどこかでオーブの理念そのものには肯定的な気持ちがシンにはあったのだと思います。なんで、力の使い方伏線から読みとれるのは、シンが憎んでいるのは、オーブの理念というよりは、その理念を守れない力の無さ。
 根本の理想はカガリもシンも共にしているということで、今後、カガリサイドのウィークポイントとしての力のない理想の弱さ、シンサイドのウィークポイントの、理想無き力の破壊性、この2点の課題を各々が克服することで、カガリサイドとシンサイドが止揚されていく展開は十分あり得るし、個人的に最も観たい展開であります。

 で、終盤がそうだとすると、現時点ではシンサイドの理想無き力の破壊性は16話辺りで描かれているので、次はそろそろカガリサイドの力無き理想の弱さがウィークポイントとして描かれると思われます(それが描かれないと、アークエンジェルが絶対正義で物語が終わってしまう)。なんで、次回予告から連合・オーブ連合軍VSザフト、それを止めようとするアークエンジェルという構図が予想されますが、アークエンジェルは止められないという展開だと思います(これで戦争が止まった、めでたしめでたしだと、テーマ的に最終回になってしまう)。そこで理想は大事だけど、理想だけでも何もできないというのが描かれ、両サイドのウィークポイントの描写が完了、それらが止揚されていく第3クールへ、この流れが僕的に一番しっくりキます。

◇ハイネいいヤツ

 気のイイお兄さんキャラでした。西川さん、長文の台詞を頑張ってます。

 そして、ミネルバに配属になった理由はハイネ自身もタリア艦長もはかりかねていると、またまた議長の思惑の謎さ加減を倍増させるイベントの要員も兼ねているようです。この議長の思惑の数々は、サプライズ系ミステリのラスト30ページみたいな感じで明らかになる日が来るんだろうか。シンにインパルスを与えたのは、アスランにセイバーを与えたのは、レイをあんな風にしてるのは、ミーアを仕立て上げたのは、ハイネをミネルバに送ったのは……実はこうこうこうでしたと、1話くらいかけての種明かし回。終盤にやって欲しい気もするけど、議長はこのままミステリアスな視聴者への思考案内人として終わって欲しい、その方が魅力的なキャラのまま帰結するんじゃないか、そんな気持ちも抱き始めています。

◇今週の和み描写

「ステラー、どこだー、このバカー」(アウル)

 視聴者もこの娘はおバカだと思ってましたが、作中でもおバカちゃんとして扱われいるようです。

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