●ONE PIECE

 ウォーターセブン篇は凄いです。今までの物語、描写が後になればなるほど全て意味を持ってくるのが凄い(しかもサプライズつきで)。全ONE PIECE中ベストエピソードじゃないだろうか。

 まずロビン、

 「一度捨てた命も……!!失った心も 途絶えた夢もみんな掬い上げてくれる こんな私を信じてくれる仲間ができた……」(ロビン)

 の感動指数が高いのは、台詞の隅々が今までの物語で描写されてるからですよね。

 「一度捨てた命も……!!」→僕的アラバスタ篇のメインだった、ルフィがロビンを助ける場面。

 「失った心も……」→ロビンがナチュラルに笑えるようになるまでのそこかしこにちりばめられた描写。

 「途絶えた夢も……」→アラバスタで「私の夢には敵が多すぎる」と命を絶とうとしていたロビンが、主に空島篇を通して歴史をラフテルへという夢を再獲得するまでの物語(今回の台詞にて、空島篇の内容、テーマがロビン物語では外せないくらい重要だったのが分かる)。

 そしてバスターコールの脅威から麦わら一味を守るためゆえの離脱だったという今回の種明かし。ロビンがこういう行動を取るにあたっての理由づけとして、青キジの話が効いているのだと思います。青キジの話は挿入された時は結構唐突なバトルで、しかもルフィが負けるというビックリ展開だったのですが、ロビンがひどく狼狽していた描写が何気に重要だったのですね。それゆえに青キジの脅威からロビンが今回こういう行動を取るに至るためのタメだったとすると、あのタイミングで青キジとのバトルが挿入されたのが適切だったのが分かります。

 最後に、「引き金を引けなかった……」というアイスバーグさんとかね、この前までの過去篇で仲間と共に海列車を作るアイスバーグさん、フランキーを始め仲間の尊さを知るアイスバーグさんだからこそ、仲間のためというロビンに対して引き金を引けなかったという。過去篇のタイミングもバッチリだったことが分かります。

 これまでの物語をこれでもかと使い切ってます。

 そして、あらゆる物語で王道の、「バラバラになった仲間が再集結する」パターンの物語にこれからなっていく展開です。これだけ熱いテイストで「仲間」をテーマに掘り下げた上でこの「再集結」パターンをやる物語も無かったんじゃないだろうか。

 これ、今年の僕的ナンバー1漫画候補です。

●BLEACH

 藍染激強です。「完全催眠」。最初に解放の瞬間を見せておかなきゃならないという弱点さえのぞけば、最強能力です。そりゃ日番谷も負けるわという能力です。完全に誤認させておいてから藍染はゆっくりと斬りつければいいわけですから、『ジョジョ』の各部のラスボスの能力に通じる最強加減です。これはラスボスにふさわしい。全ての謎が、「完全催眠」によって瀞霊廷内が一種の「共同幻想」に落とされていたというのも、京極夏彦『姑獲鳥の夏』チックで個人的に燃え。

 あとは日番谷、雛森の再起イベントですよ。今話ラストでルキアの前に藍染らが現れて、一護とも因縁が形成されそうな展開ですが、今まで張ってあった因縁描写からすると、日番谷、雛森が再起して打倒する展開こそがふさわしい。一護らには別に敵作って、藍染には日番谷、雛森が対する展開にならないものかなぁ。

●ユート

 お父さん非道い。今のとこ大人がカッコ悪く描かれてる漫画です。腐った大人が作った世界に対して真っ直ぐ子どもパワーで子どもが立ち向かっていくという意味では清々しいくらいに少年漫画です。真っ直ぐ子どもパワーを色濃く担ってるのが吾川くん。「おまえは出るのか?出ねェのか?出ねェんなら横でガタガタ言うな!」の啖呵は気持ちよかった。あれこれ理屈やら可能性やらをこねくり回してからやるかどうか決めようとして、結局あきらめてしまうのが大多数の大人。まずやると決めて行動から入るのが子ども。ストレートに子ども賛歌を描いてるこの漫画は気持ちいいです。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 やはり犯人探しがメインの推理モノではなくて「謎」にまつわる演出や雰囲気重視のエンターテイメントってことで、犯人が最初から明かされてるパターンの話も余裕で持ってきます。

 それにしても成功を呼ぶ料理がステキ過ぎ。

 「コカイン、ヘロイン、覚醒剤、モルヒネ、ペンタゾシン……」

 って、なんか成功を呼ぶどころか廃人を量産してきたんじゃないかって気がしますが、成功を呼ぶ料理として名声を得るまでにはどんな裏物語があったんだろうか。客が全部ジャック・ハンマーだったとかだろうか。

●いちご100%

 切ねー。これも、真面目ベクトルでいちごベストエピソードに入りそうな1話です。

 告白の時も映画の撮影だからと偽り、告白が「西野と出る 俺達またつきあってんだ」と実質NOで返された涙も「映画に感動して……ごめんね」と偽ってしか答えられない東城が切ない。

 そもそも、映画での告白シーンをバックに、その告白に対する解答を現実世界でNOとして解答してるというシチェーション作りが切ない。おそらくは映画の方はOKで恋愛成就のエンディングなんでしょう。ところが現実の方は……という。

 今回の河下先生は素晴らし過ぎの一言。

●RARE GENE 4

 普通に強化系(力自慢だけどちょっとバカ)と変化系(頭脳派)のコンビのエンターテイメントで楽しめました。

 何気に序盤の

 「ハハ 風水は特別寒がりだからねぇ」

 の台詞に

 「ナニ平然と爆裂にサワヤカにあたしの正体バラしてんのよ!?」

 とやりとりする場面が二重の意味を持つ伏線だったのがニクい。表面的に風水という名前=怪盗という正体をバラしてるという意味と、寒がりだから=ティラノサウルスのRARE GENEという正体をバラしてるという意味で。

 ラストの、

 「あたし達の憎しみの熱に較べりゃ屁でもねーんだよ!!」

 も、設定的、理屈的には意味不明だけど、ずっとウィークポイントとして描写されてた「寒さに弱い」を克服してるラストという意味ではカタルシスがあって良かった。

●ワークワーク

 僕的には超序盤から予想していた通り、第01話から真の意味での神ポジションにいた黒い影(コト)がラスボスになり、ゲームマスターに反逆するタイプの物語になったので、個人的には満足。

 あとは神様が「本当の意味での神様的な行動を取る」or「神ではなく本当の意味で人間的な行動を取る」でラストその1(「願い」のテーマ的には後者希望ですが)、人間−機械のカテゴリー二項対立の方のテーマは「黒い血だから抹殺」というどっぷりカテゴリー依存のコトを、ヨキ(黒い血の人間)、キク、プラ(機械)、神様(赤い血の人間)、レオ(赤い血を受けた黒い血の人間)、シオ(?)のカテゴリ無化の共生パワーで撃破して美しくエンディングでラストその2だと思います。

 シオのために手首を自らかみ切る神様の絵が良かった。この「血を分け与える」という描写を色々と記号的に使っただけでこの作品は勝利という気がします。レオに血を分け与えた時の感動とイイ、どうにも心を揺さぶられる描写です。

●武装錬金

 少し前から描写されてきましたが、今話にて火渡が悪役からほぼ肯定的なポジションに移行。再殺部隊篇はいたる所に敵−味方の概念のシャッフルがテーマになってましたが、これはカズキの仲間サイドを作り上げるためのシリーズの意味合いがあったためだったのかもしれません(ヴィクターへの仕打ちの伏線があるので、まだ錬金戦団全部が仲間になるとは思ってませんが)。毒島とか、既にギャグキャラでイイヤツキャラ化してきてるし……。

 ここで、いつだかの

 「守りたいものが同じなら きっと必ず戦友になれる」(カズキ)

 のカズキの台詞や、カズキが無闇に再殺部隊の命を奪わなかった描写が伏線として効いてくるワケですね。

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