●ONE PIECE
娯楽要素満載です。CP9のメンバーやら、元王国騎士やら、とにかく敵が待ち受けてるのを突破していかなきゃならないサンジの聖闘士星矢十二宮編的展開といい、「仲間」が掘り下げられてるからこそ、ナミの「肉と酒、食料をありったけ」というルフィ達を“分かってる”辺りとイイ、楽しさ満載です。
ナミに最初の重要所が訪れてますが、是非とも天災のアクア・ラグナに対する際には、気候の熟練者であるナミの「航海士」という職業を生かしたりして欲しい。それと関係して、今回は「仲間」と同時に「職業」も掘り下げていく感じにして欲しい。サンジの行く手に待ち受ける「給仕長」のCP.NO7、ワンゼとかにも期待です。ここでも「コック」の職業とか掘り下げて欲しい。そう考えると、ルフィの「船長」と、ゾロの「剣士」がどこで生かされるのかなんて、燃えるじゃないですか。(僕の場合いつもそうですが)クライマックスでのゾロ燃えですよ。ロビンが仲間になった直後から色々とロビンをちゃんと見てる描写が入ってるゾロだけに。
●BLEACH
まずはラスボスの圧倒的な強さを描写しておかなくちゃという、少年漫画の展開上王道の回でした。主人公が全力を出しても完膚無きまで打ちのめされるのも王道。『ダイの大冒険』のVSバーン戦の初戦みたいな。ここからどう主人公がラスボスと立ち向かえるだけに立ち上がっていけるかが少年漫画のクライマックスのコアの一つです。さらなる努力(修行)パターン。仲間との協力パターン。さらなる覚醒パターン。など色々ありますが、『ダイの大冒険』なんかは全部のパターンをミックスしたような感じで勇者一向の立ち上がりが描かれてました。BLEACHも第三解放への努力とか、虚化で覚醒とか、もともとの仲間+死神界に来てから構築された仲間関係とか、全部ぶち込めそうな要素はそろっているので、スケールの大きい形での一護サイドの立ち上がりに期待したいです。
あとは、ラスボス藍染の圧倒的な強さが描写されただけに、ラスボスらしく思想のスケールの大きさも描写して欲しい。「魔界を地上に浮上させる」とか、バーン並に壮大な目的意識で動いている存在であって欲しい。
●いちご100%
最高回でした。「映像研究部」という「部活」をキーとして、「夢の共有者」として惹かれ合ったという真中と東城、というか『いちご100%』の原点に回帰。原点回帰はクライマックスの王道演出なんで、間違いなくいちごは今がクライマックスだと思われます。
「映像研究部」の終わりというシチェーション作りで、夢追い仲間としての真中、東城に共有感覚を作り出してるのが最高に機微に富んでます。
「部活も終わり」(真中)
「そうだ……もう部活はないんだ」(東城)
から入って、共有した夢の終わりに、それぞれの夢の始まりの人に逢いたいという心情描写が秀逸。普段は心情無視のエロシチェーションを描いてるだけに、実はこういうのも描けるんだぜ?という河下先生が普通にカッコいいです。
「東城、今キミにすごく会いたい」(真中)
「真中くんに会いたい……!」(東城)
と想いがシンクロして、ラストは二人の夢の記号性が詰まりまくった「映像研究部」の部室で、ついにきた東城の告白。絵の美麗さも重なってエラいことになってます。映像研究部の張り紙越しに向かい合う二人という記号的なシチェーションが最高です。『いちご100%』、ここに極まりです。
●魔人探偵脳噛ネウロ
「「存在の解像度」を大幅に下げた」(ネウロ)
がカッコよかった。どちらかというと犯人側で利点が発揮される能力です。こういう台詞の言い回しのカッコよさとか、それを派手なアングルで演出する描き方とか、やっぱしネウロはハッタリ魅せが楽しい漫画だと思います。
ネウロは完璧に天才型の主人公ですが、これは今のWJではテニプリのリョーマとムヒョとロージーのムヒョくらいで、少数派かもしれません。が、これはムヒョとロージーのの関係にも言えることですが、視点キャラのヒロインに天才型主人公の活躍……という構図から始まった両作品とも、徐々に視点キャラの方が成長して、主人公との協力型の物語に変化していくんじゃないかな……なんて思いました。ロージーの方は順当に成長が描かれてますし、弥子の方は今回稚拙ながらも自分の意見を出してる辺りにそういった成長開始の鱗片を感じることができました。協力型に変化してく話は好きなので、そうなったら嬉しいです。テニスの王子様だけは協力型になる気配ゼロなのが凄いですが。
●ユート
「吾川君おなかが痛くなってどっかに消えてくれないかな」(雄斗)
が熱い。
子どもゆえに純真なまま非道いこと口走ってます。
本編はオバさんの、
「そのためにマットはあるんでしょう?」
が、怖い。大人は信じられません。「マット」を吾川とスケート団の少年達とのコミュニケーションツールに使っただけじゃなくて、雄斗絡みにまで使ってる構成なんかはステキだと思いますが。
最初に安全のため云々とマットを語ってたおばさんが、フと「そのためにマットはあるんでしょう?」と切り替わってるのが怖い。大人は怖い。
雄斗くんの場合、おばさんにいびられて壊れるよりも先に、レトルトカレーしか食わさないお父さんによって、健康を害して壊れそうで心配です。
●HUNTER×HUNTER
ノータイムで取りに行くキルア燃え。
電撃解放やむなしな状況ですが、当初のキルアの目的が「手の内を見せない」だったので、冨樫漫画らしく電撃無しでキルアには窮地を脱出して欲しい。しかし、王とかネフェルトピー戦以前にこんなに濃密なバトル編が入るとは思わなかった。やはり二転三転するハンターのバトルは面白いんで、とにかく楽しんで読んでます。
●ポルタ
非バトル路線で頭脳勝負のエンタメを毎回見せてくれるんだったらもっと読みたいかも。クールだけど実は人情もわきまえてるという主人公は好きです。あとは「スマートにいこうぜ」の頭脳エンタメ部分を実際にスゲーとハっとさせられるくらいのものを毎週持ってこれれば連載イケるんじゃないでしょうか。そう思うと毎回頭脳系エンタメでスゲーと思わせてくれる「DEATH NOTE」はやっぱ偉大ですな。
●武装錬金
バロン閣下…キターーー(>▽<)
と一人で大喜びしてました。ミサイルランチャーの武装錬金「ジェノサイドサーカス」→ヴィクター第三段階→バロン閣下→ヴィクター巨大化という、和月先生のネジが外れてるようなトンデモ展開も突き抜けてて面白い。
されど過去描写含む、ヴィクトリアパートは切ないことに。過去でのヴィクトリアの笑顔と、ラストの現在のヴィクトリアの、
「錬金術がそんな簡単にみんなを幸せにすると思う?」
という翳りに満ちた瞳とのギャップが切ない。
カズキ−ヴィクターで対比があることは隅々の描写でも単行本の和月先生コメントでも明らかなので、カズキは対比として錬金術の力でヴィクトリア本人に笑顔を取り戻すorヴィクトリア相当のキャラの笑顔を守る……という所にハッピーエンドで落ち着いて欲しい。
●巻末コメント
和月先生が『G戦場ヘヴンズドア』を名作と認識してるのが感動。魂を燃やして漫画を描いてる所に和月先生と日本橋先生には共通するものを感じます。
→和月先生も名作認定で、当ブログでも昨年度NO.1お勧め漫画の
G戦場ヘヴンズドア 3 (3)
G戦場ヘヴンズドア 2 (2)
G戦場ヘヴンズドア 1 (1)
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