●ONE PIECE

 世界政府、第1巻のコビーとゾロの話の辺りから、ONE PIECE内では「海賊」であるルフィ達の「敵」として描写されてきた存在ですが、いよいよ大きい話で世界政府と対立する物語になっていくみたいです。これは燃えます。
 前にも書きましたが今になって青キジとのバトル編が物語にスゴい効いてきてますよね。連載当初はなんで突然新キャラとバトル?しかもルフィ敗北?と思ったものですが、ここで青キジを通して、その所属する世界政府をルフィが敗北するほどの強敵であると印象づけておいたからこそ、今回のそれでも仲間(ロビン)のために世界政府の中枢に乗り込むんだというルフィ達の覚悟を際だたせます。

◇エニエス・ロビーについて詳しく知ってて解説役に回るのがナミだというのが良い

 所々によく本を読んでて博識な描写がありますんで自然です。こういう解説キャラになっても自然なように描かれてないキャラが突如都合上解説キャラになって、「お前は雷電か!」とつい突っ込みたくなってしまうパターンの漫画もあります。何にせよ自然に読ませてくれるのはありがたいことです。

◇「じゃあ船は奪っていく!!」の所の波ドパーン演出がステキ

 映画的手法っていうんでしょうか。強い台詞に動きがある波をかぶせて強調。漫画という媒体での演出方法にも幅があるよなーとしみじみさせられます。

●DEATH NOTE

 第2部の感想を書くのは初めてになります。なんで、今週号の感想というより第2部開始にあたっての感想なんですが、とりあえず相変わらずライト視点で物語が進行する形式だったのが僕の予想と大きく外れましたね。もっとこう、ライトはラスボスの座に居座って、視点はメロ&ニアの少年コンビにあって、ふたりが少年漫画テイストにライトに立ち向かっていく形に物語の型をチェンジするものかとばかり思ってました。

 が、実際フタを空けてみればいつものDEATH NOTEで、ライトはライトで、物語の形式も、あ、いつものDEATH NOTEだ、みたいな。

 一部のラストでパズルに没頭しているシーンが入り、ちょっと人間味に欠けるかな?というのが既に描写されていたニアはともかく、メロの方はもっとこう人間味があって、読者が感情移入できるような視点キャラになるのかな?なんて淡い予想をしていたんですが(あるいは成長キャラとか)、実際は感情移入キャラどころか、ガンガンマフィアと結託して黒いことも辞さない黒キャラだったという。

 やっぱDEATH NOTEはDEATH NOTEで、努力シーンであるとか、それによる成長のカタルシスだとかを味わえる路線に変更したりはしなかったんだなと。登場人物に感情移入して読者が一喜一憂しながら読むというよりは、よくできたパズルが出来上がっていく過程を鑑賞するような感覚で読む漫画といいますか。熱い少年漫画路線変更という勝手な予想が当たらなくてガッカリな反面、やっぱいつものDEATH NOTEが安心してこれからも楽しめて良かったかなと、そんな第2部序盤の感想です。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 魔具士のビコ(我孫子 優)は魔法モノの定番キャラって感じですね。魔法関係の道具のお届け人。『おジャ魔女どれみ』で言う所のララです。そして、主人公らに何かしらイベントを持ち込んでくる役割のキャラというのも定番。
 そしてイベントが持ち込まれた結果、主人公達はホームポジションの街を離れてちょっとした非日常の異界へと旅だっていくんですね。この日常パートと異界パートを使い分けるのは物語の起伏を生み出すテクニックだと思います(この前の魔法律の街へ行ったエンチュー編なんかが異界パート、その他日常の街で紡がれる物語が日常パート)。『おジャ魔女どれみ』でもうまく日常パートと魔女界パートを使い分けていました。そのウチ、おジャ魔女同様、僕は日常パートが好き、私は異界パートが好き……と読者の嗜好も分かれてくるんじゃないでしょうか。両方のパートの魅力を上手く止揚していけたらとてもイイ作品になると思います。

◇「うんっ!今からドーナッツ持って遊びに行くとこだけど……」のコマのナナちゃんが

 異様に可愛い!

●アイシールド21

 ポセイドン戦のときはこれでもかと「身長差」というテーマを試合前に掘り下げてたんですが、今回の西部戦はワリと試合前の因縁の掘り下げがあっさり目の印象。セナVS陸、キッドVSヒル魔、ショットガン封じにキッカームサシは?って所でしょうか。
 怒濤のオープニングはがっつりエンターテイメントしています。試合前云々じゃなくて試合中の勢いで魅せて欲しい所です。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 鷲尾さんの殺人時の顔が魔人モードのネウロチックなのは、地味に人間のアクマ性、どっちが魔人よ?的な演出の一部なのだと思いました。

 簡単に言えば「能ある鷹は爪を隠す」なんですが、相手に応じて本性を見せるかどうかを使い分けているネウロは普通に天才系のカッコ良さを感じました。やっぱいつでも自分の100%を見せつけちゃって生きてるのは色々と不利益も多いです。ここは自分の能力を見せる場面か?そう問いながら場面場面で頭を回転させてる人はやっぱ賢くてステキです。

●D.Gray-man

 この漫画のテーマに「白と黒の二項対立への懐疑」と、「主人公らの帰る場所探し」があると思うんですが、今回は二番目の方の話でしょうか。今の所アレンにとってもリナリーにとっても帰る場所である教団が、どエラい痛手を負ってる場面から、ラストのアレンとリナリーのシーンに移るのは上手いと思いました。アレンの帰る場所としての「仲間」云々の話、リナリーの「兄」しかなかった帰る場所……といった描写で、このテーマはタメられております。帰る場所たり得る教団も現状では危ういかもしれない、それでもアレンとリナリーは行きます。そんな感じで繋がってるのが良かったと思います。

●HUNTER×HUNTER

 「デジタル音……!?頭の中から!?」

 の冒頭からメンタルな怖さ全開です。

 つーか最近雑魚戦にも関わらず、HUNTER×HUNTERマジ面白いです。やっぱバトルが面白い漫画は読みやすいです。今回もほぼ回避不能という絶対絶命な状況を頭脳派のキルアがどう打開するのか?というシンプルなバトル構造だけで、お腹いっぱいいっぱいの充実度です。「まだ…だ まだ…!!!」とラストに策アリのキルアが熱い。設定上どうにかして最後の一投を外させるんでしょうが、素で素人考えには対処法が思いつかない。次号への引きがめちゃめちゃ強いです。

◇今回の能力(「死亡遊戯(ダツDEダーツ)」)は『幽遊白書』の刃霧要の「死紋十字斑」のアレンジでしょうか

 アレも抜本的な攻略法は提示されないまま終わった能力でした。今回どう決着つけるのか超楽しみ。

●ユート

 この物語における雄斗の大きな障害は「家庭の貧乏」と「父親の不理解」という描写ですよね。お父さんは典型的な貧乏父さん描写で、ジンギスカンの食材の買い物シーンを入れてる辺りに、「食費」のキーワードを連想させて「貧乏」描写に拍車をかけます。
 あとは近しい課題ではショートトラックの新メンバーとの溝をどう埋めていくかでしょうか。本当はロングで北海道が目標というのを隠しながら雄斗が子どもなりにどうコミュニケーションを取って関係性を発展させていくのか、その辺りは普通にほのぼのと楽しめる点ですね。

◇和也は

 ライバル視していた主人公の方がちょっと違う方向に行っちゃって、それでもそいつをライバルとして追いかけるというのは『ヒカルの碁』の塔矢と同じ感じですね。塔矢とかぶさりつつ、和也オリジナルな主人公との関わり方を期待したい所。

●武装錬金

 残念無念の打ち切り最終回。

 詳しくは別記事で感想書きました

●いちご100%

 一線越えたかどうかはまだボカされてる描写ですよね?

 でもラストの幸せそうな西野の表情から、とにかく幸せなイベントが迎えられたのは確か。良かった良かった。いざコトに及ぼうと思ったら親父が現れて「喰らえ!!」とアドバイスされたり、終わってから外に出てみたら死刑囚に声をかけられる……といったシチェーションの男女よりははるかに幸せです。


SRDX いちご100% 西野つかさ


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