「あの二人は偽者だ、今の姫は、もう俺を小狼とは呼ばない」(小狼)

 燃え。

 漫画版でも燃え度が高かったシーンですが、コーラスの効果もあって燃え度はアニメ版の方が上かも。

 第07話で張ったお互いの呼び名に関する伏線を踏まえて、昔の関係性のまま小狼を呼び捨てにするサクラから偽者と看破。看破する小狼くんの瞳のアップシーンでコーラスが始まる所がカッコよかった。

◇死者は生き返らない

 ここも前回張ったアニメオリジナルの母と春香(チュニャン)の会話の伏線を生かして、

 「母様が言ってた、どんな力を使っても、失った生命は戻らないって」(春香)

 の帰結。

 これは原作の『ツバサ』でも繰り返し強調されてるテーマで、最近の阿修羅王の話でも小狼の口から同じ趣旨の台詞が語られていました。作中で明言はされてませんが、多分、これだけは侑子さんでも無理……という設定。対価と相応の願いの成就を描いている物語だからこそ、どうやっても叶えられない願いがあるという設定は燃えます。

◇春香ちゃんの成長物語

 こちらも領主への憎しみにモティベイトされてる春香の様子を序盤に入れておいて、母親との対話、ラストは小狼くんの語りを踏まえて、

 「こんなヤツ、殴る手がもったいない」(春香)

 の帰結へ。

 春香ちゃんの成長物語が描かれておりました。『ツバサ』はどちらかというと、小狼、ファイ、黒鋼らのメインメンバーが物語序盤からかなり成熟してるキャラなので、最初のうちは未熟な所からの成長物語はその世界その世界のゲスト主人公に委ねてるように思います。阪神共和国編での正義くん、高麗国編での春香ちゃんがその成長主人公の役割を担ってます。前回まるまるアニメオリジナルで春香話を入れてただけあって、春香ちゃん成長物語はかなり良かった。

◇誕生日は「アイデンティティ探し」の方のテーマの伏線

 蘇ったサクラの記憶がサクラの誕生会の記憶というのは、『ツバサ』のテーマの一つ、小狼くんのアイデンティティ探しにかかる伏線です。誕生日があるサクラに対して、アニメ版ではまだ明らかにされてませんが、誕生日がなく過去の自分がない小狼、そこにさらに小狼のアイデンティティを揺るがす存在として迫る「もう一人の小狼」……という風に物語が繋がっていきます。次回の話が、僕の考えるこの「小狼くんのアイデンティティ探し」の方のテーマの帰結を暗示させる話なんで、このタイミングで誕生日の話ともう一人の小狼のシーンを入れているのは上手いです。

◇次回

 僕が原作でとても好きな短編ストーリーの、「湖の国」の話。子ども向けアクションバトルが入らないこの短編の魅力を、アニメ版ではどうやって出していくのか楽しみです。

キンヤ『BLAZE』
坂本真綾『ループ』

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ツバサ・クロニクル Vol.1


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