とりあえずビックリというか、エーッ、そうきたか!というのが最初の感想。
 「エーッ」というのは、内容に関してじゃなくて、完結編「武装錬金ピリオド」に続く……という二部構成の引きになっていたことについてです。これはファンとしては嬉しいです。どうやらまとまったボリュームをもって一作品としてしっかりと完結できそうってことで。しかも巻頭見開きには第9巻(最終巻ではない)が11月4日発売ということが告知されているので、冬の赤マル掲載分も、第10巻(最終巻)にもある程度のボリュームを載せなければならないことを考えるとかなりのページ数を取って貰えてることと思われます。ラストシーンまで1ページでも多く読みたい漫画なんで、これは純粋に嬉しいです。冬を楽しみにそれまで生活できるというものです。

 ◇

 本編の方は大満足です。

 白い核鉄をどっちに使うか?生き残るのはカズキかヴィクターか?という、蝶野編の蝶野の命を選ぶか斗貴子さんの命を選ぶか?という選択を思い起こさせる選択肢が提示された所で終了したWJ掲載分。そこから、当のパピヨン本人の「選択肢は誰かに与えられるものじゃなく、自分で生み出すもの」という趣旨の発言を受けて、カズキが新たな選択肢、ヴィクターに白い核鉄を使い、カズキはコールドスリープ、その間にパピヨンが白い核鉄を作り復活……という選択肢を生み出したことが序盤に提示されます。ここまでで、カズキが白い核鉄を掲げてヴィクターに突撃するシーンがクライマックスで、そして数年後、眠りから覚めたカズキとパピヨンが対峙するシーンでエンディングへ……なんて完結の絵が一つ想起されたんですが、そんな最初の予想絵から物語が二転三転したのが面白かったです。

 まずクライマックス1はやっぱり突撃シーンで、「貫け!オレ達の武装錬金!!」と、第2話の「突き破れ!オレの武装錬金!!」の、カズキ&斗貴子さんの合体技ヴァージョンが炸裂。これが、WJ掲載分の最終話サブタイが「BOY MEETS BATTLE GIRL」だったように、「キミのコト 少し気に入った」程度の関係から始まったカズキ−斗貴子さんの関係が、「キミと私は一心同体」というレベルの関係にまで進展していく過程を丁寧に描いていたのが一つの物語としてあった武装錬金を象徴しているかのようなワンシーンでメラ燃え。

 で、なのにそこから一転して、まさかの「ゴメン斗貴子さん、その約束守れない、本当にゴメン」の離別、自己犠牲展開。まひろと剛太で挿入されてた「斗貴子さんを泣かせたら許さない」の伏線が顕在化する涙腺刺激展開に。されどこれがカズキ。このカズキの最後の選択は、第6話の「コレは斗貴子さんがくれた新しい命…この新しい命に宿るのは自分を守るための力じゃない、オマエ達からみんなの命を守るための、戦う力だ!!」から描かれていた、カズキ自身の「みんなの命>自分の命」の覚悟からして自然な流れでした。当時の感想で最終回くらいに回帰しそうな台詞、覚悟だ……なんて書いてたんですが、ズバリそこに回帰してきました。蝶野編の時のように、カズキが必ずしも「全員救済」の理想を貫けないのが武装錬金でしたが、最後は、自分を犠牲にするまでの覚悟で理想を完遂。

 「もちろん! あの惑星から。あそこには守りたい人達が大勢いる。一番…守りたい人がいる」(カズキ)

 はグっときました。守り人サーガだった武装錬金、ここに完結、みたいな。

 ここで、この最後の覚悟でもって天空に昇っていったカズキ……のシーンでエンディングになっても十分キレイに完結だったと思うんですが、そこでまさかの、「『武装錬金ピリオド』に続く。」のワケです。

 これは、ラストシーンのヴィクターの「この少年は――」の台詞もありますし、もう一転する可能性が高いんじゃないかなぁ。このままの皆を守るために天へと消えていった孤高のヒーロー悲哀エンドもいいんですが、ここで「続く」にして転回させるならラストのラストでハッピーエンドに転換じゃないかなぁ。

 なんて思いつつ、冬の赤マルを楽しみに待ちたいと思います。

 以下、ピコポイント。

・ちゃんと入ってたストロベリ日常要素
 まひろとカズキ・斗貴子さんのシーンは和みモノです。日常部分も面白かった武装錬金、少ないページ数とはいえ、「ファイナル」には魅力を余すとこなく詰め込んでました。

・ちゃんと入ってたお笑い要素
 「ぶらぼう!」Tシャツ。独特の変人超人センスも面白かった武装錬金。最終回の始終シリアスな中にもちょっとだけ入ってました。やはり、魅力は全部詰め込みましたという感じ。

・秋水再登場
 バロン閣下が出てきたレベルのスケールアップっぷりから、巨大エネルギー波が登場してくるのはもはや必然……という所で、エネルギーを無力化する武装錬金の使い手として自然に秋水が出てくるのは結構上手いと思いました。最後のちょっとだけ登場ではありますが、ラストの月に昇っていくカズキを皆が見上げるシーンでは是非とも必要なキャラだったんで、再登場して良かったんじゃないかと。

・ガンザックオープン!!ナックルガードセット!!
 『GUN BLAZE WEST』のラストでバロン閣下が使ってた技で、(ほぼ)同じ構図ですね。コアなファンはニヤリとする所です。

・ヴィクトリア
 「錬金の力は人を幸せにするか?」というテーマを担うキャラなので、やはり最後は笑顔を見せるエンドが描かれるんじゃないかと。「私は独りでも、生きていけるって…」の孤独エンドは、友情や仲間、他者との関係性を描いてきた武装錬金らしからぬ帰結なんで。ヴィクター→ヴィクトリアで最後に何か伝えられると予想。死者から生者への受け継ぎ、記憶、なんてテーマも描かれていた武装錬金の帰結にマッチしますし。


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