ずっと感想で書いてたんですが、最終回に描かれると予想していた明日夢くんが子どもを助けるイベントがしっかりと描かれました。第01話で危機に陥ってる子どもを前に何もできず、ヒビキさんが助けるのを見てることしかできなかった明日夢くんが、最終回では自分で行動を起こし、さらにはヒビキさんへ助けを求めるコールをしかけるも、最後は自分から電話を切って自分で助けようとするという、第01話から描かれてきた明日夢くんの「変化」の着地を印象づけるようなイベントでした。
そして、そのイベントの後、最後のもっちー救出イベントを経て、以下、明日夢−京介関係、明日夢−ヒビキさん関係の帰結。
●明日夢と京介
認め合いエンド。京介の劇的な変身体への変身、京介のケガにバンダナを巻く医者志望の明日夢と、双方の選んだ道が優しく両方とも肯定されて、もっちー救出イベントにおけるお互いの頑張りをお互いに見て、ついに認め合いエンド。明日夢くんの対比要因としての要素が顕著だった京介、最初はイヤ奴ベクトルでの対比が多かったんですが、イヤな奴として対比されて否定される着地ではなく、イヤな奴から彼なりに成長をとげて違う道を進みながらも肯定される着地へと落ち着きました。京介、出てきて良かった。一択の道(鬼の道)だけじゃないというのを全体として描くために、あえて一択の道を突き進んで肯定されるキャラが必要だったわけじゃないですが。こいつがいたから最後の明日夢くんの選択がより輝いてみえるというものでした。
●明日夢とヒビキさん
これも最後は少しの変化が見られながら清々しく決着。鬼にならなくても、明日夢くんはヒビキさんの弟子。そんな師弟のあり方もひとつの絆の形。いつかヒビキさんのようになりたかったと明日夢くんは語るんですが、ここも師弟のあり方は、弟子が師匠とそっくりに師匠化していくのを目指すようなあり方だけが一択であるわけじゃない。弟子が師匠とは違うフィールドで頑張るんだとしても、同じ方向に重なるモノがある限り、弟子は弟子、師は師。ヒビキさんのようになりたかったけど、自分の道で頑張ってみますという明日夢くんと、そういう関係も飲み込んでそれでも「出会った頃からずっと明日夢は自慢の弟子だったよ」と、明日夢くんを弟子として受容するヒビキさんというラストは温かかったです。
◇謎の男女
深読みすると自分の意志で様々に自分の生き方を決めていった猛士の弟子サイドの連中と、自分の意志云々ではなく(スーパー姫とスーパー童子は最後にこれが出てくるわけですが)上位の存在にコントロールされてる敵側という対比のようにも思えますが、とりあえず重要なのは、響鬼という物語は、最終回になっても敵の脅威が完全になくなる物語ではないという部分ですね。これからも魔化魍との戦いは続いていくし、そのためにヒビキさん達は鍛え続けていくし、明日夢くんも明日夢くんなりに鍛え続けていく……そういうラストがこの物語には合ってるとずっと思っていたので、ラスボスのようなモノを倒して魔化魍はいなくなりました、めでたしめでたしよりはこっちの方が良かったよなと思っております。
◇おわりに
努くんの話の感想くらいから書いてますが、一択の道で突き進んでいくんじゃないとしても、それとは別な自分なりの道を歩んでいくのもいいんじゃない?ということを描いていてくれた部分が好きでした。鬼(敵と戦うヒーロー)という従来の子どもが憧れる存在を目指すだけが道じゃなく、鬼の道から転身してライフセーバーを目指す努しかり、最終話では福祉関係の仕事をしたいと言うあきらしかり、医者志望へと変わる明日夢くんしかり。京介に努力の末の変身が描かれたように、鬼の道を突き進むことが否定されるわけでは勿論ないんだけど、それとは別の道、生き方で自分らしく歩んでいけるならそれもいいだろうと、優しく語りかけてるような番組でした。世の中のことまで絡めるのはなんですが、中々、最初に目指した道を最後まで走りきることができるのは稀な世の中なので(その点で京介はスゴイんですが)、途中で道を変えた(or変えざるを得なかった)としても、その自分の選んだ道で自分なりに鍛えていけばいいんじゃない?と言ってくれてるこの番組に励まされてた視聴者は多いんじゃないかと思います。僕もそんな一人。「鍛えてます」を日常でも使うようになったり(笑)(「○○を勉強してます」と言うより「○○を鍛えてます」と言った方がなんかニュアンス的に好き)、僕的に結構思い出に残る作品になりました。制作陣の皆さん、お疲れ様でした。また、毎週感想を見に来てくれた閲覧者の皆様もありがとうございました。それでは。
◇新シリーズ『仮面ライダーカブト』
残念なお知らせ?といいますか、平成仮面ライダーの感想は今作響鬼で引退しようと思っております。個人的な話ですが、学生時代ももうすぐ終わり、色々本腰入れて鍛えていかねばならない分、これまでの活動で削らねばならない部分もどうしても出てきてしまい、少し考えた結果ライダー感想に白羽の矢が立ちました。龍騎いらい途中休止休止しながらもとりあえず感想は書くスタンスでいましたが、響鬼感想でそのスタンスも最後といたします。カブトは書いたとしてもすごく簡単か、日記の中でちょっと言及するくらいになると思うので、これまで通りの感想を期待して見に来るのはお勧めできません。平成ライダーという括りでの感想目当てで当ブログを訪れていてくれた方、今までありがとうございました。別に仮面ライダーが嫌いになったとかではないので、これからもまったりと共に応援していけたらいいなと思います。
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