このフレーズを使うのも三田誠広『デイドリーム・ビリーバー』以来ですが、本当に、本ッ当に最高でした。1話読むのに10時間程度かかるものが全8話。発表期間は4年半越しという大作ですが、この最終話「祭囃し編」を読み切るために、ここに辿り着くために全てがあったんだと思える最高の最終話でした。
以下、ネタバレ感想です。
●序章のラストシーン、古出神社にて鷹野に宣戦布告する羽入
何度物語を繰り返しても、強固な意志に基づいて実現される現実は不動という『ひぐらし』の世界において、序章をまるまる使っての真犯人鷹野の強固な意志が形成されていくまでを描いた鷹野さん過去編。その意志の強さが描かれるだけ描かれたからこそ、それに立ち向かう、仲間と羽入の意志の力でそれほど強固な鷹野の意志の力をも打ち破ってみせると羽入が宣戦布告するこの序章ラストは燃えくるいました。「皆殺し編」ではメンタル面で最弱で傍観者を決め込んでた羽入が、ついに舞台の上に上がって参戦。今度こそ、くつがえすんだよ!
●かけら屑、最後の奇跡の一ピースは「赤坂さんの意志」
かけら合わせのこの演出もニク過ぎ。長いカケラ合わせを終えて(だから「TIPS」っていう名称だったのか!と気付いた時も踊り出したくなりましたが)、いよいよ「祭囃し編」に挑もうという所で、まだ何かが足りない……!そこで現れる最後の1ピース。中に記されていたのは、梨花ちゃんを救うという赤坂さんの意志。あまりに強大だった鷹野さんのバックの力に対して、遂に対抗できる最強の味方が……。これで今度こそ戦える!
●最後の世界で遂に58年6月の雛見沢に現れる赤坂さん
最後の世界で、最後の最後についにやってきてくれたと赤坂さんに梨花ちゃんが抱きつく所で涙が……。ついに、幾百の世界の末についに赤坂さんが来てくれたよ!
●監督のピンチの所で登場する詩音&葛西さん
詩音も仲間なのになんで今回は冒頭から登場しないんだ?と思わせておいて、最高に盛り上がった所で最強の助っ人、葛西さんと共に合流。もうね、このクライマックスの仲間達が全ての惨劇へのIfを乗り越えて集結してくる所がね、熱すぎて、燃えすぎて、こう、胸にこみ上げてくるものが……
●梨花の最大のピンチについに駆け付ける赤坂さん
「間に合った……」の演出文字の所でマジで涙が。そして、幾百の時を超えて、赤坂さんが梨花ちゃんに伝えたかった言葉がついに。画面いっぱいにどどーんと発せられる、
梨花ちゃん 君を助けにきた!
赤坂さん!ついに……ついに約束を果たしたよ。ついに間に合ったよ。本気で感動して泣いた。良かった。本当に良かった。
●悟史の生存を知る詩音
ここも泣けた。想い続けてきたからこそ。強い意志だったからこそ。
●ついに散弾銃を取る葛西さん
『るろうに剣心』の「志士名の由来」を思い出したよ。最強の助っ人、爆発。
●ラストバトルを担当する魅音
ビジュアルが新たに用意された点からも、実質上バトル面でのラスボスは小此木だったワケですが、最後のラスボス戦を担当するのが圭一ではなく、なんと部長の魅音。合気道でラスボスを圧倒という、なんともすごいボス戦でした。魅音カッコ良すぎだ。
●最初のじじ抜きがファイナルテーマの伏線だったというサプライズ
最後に明かされるテーマは、罪人/敗者/敵/ジョーカーが存在しないゲームのあり方、世界のあり方。深くて優しい。綺麗事なのかもしれないけれど、繰り返されてきたシナリオの重みが、この着地を考えさせられるものにしています。
●最後の最後に鷹野さんの前に現れる富竹さん
ジョーカーを引き続けてきた鷹野さんの前に最後に現れる、じじ抜きのあり得たペアかもしれない富竹さん。ババ抜きじゃなかったのかもしれない。本当はじじ抜きだったのかもしれない。惨劇なんてなかったのかもしれない。あったのは悲劇と喜劇だけだったのかもしれない。
●ついに昭和58年の6月を抜け出した皆の風景、Vocal付の「そらのむこう」でファイナルエンディングへ
良かった……本当に良かった。そう思えるラストでした。余韻にひたったまま何かを強く噛みしめさせられる読後感でした。間違いなくオールタイムベストの1作に入るだろうという作品。このラストのために、全てのストーリーがあったんだよ。
→コンシューマー版

ひぐらしのなく頃に祭(限定版)
ひぐらしのなく頃に祭(通常版)
→アニメ版など


→エンターテイメント>映画>アニメカテゴリで参戦中。総合1位狙ってます。現在の順位は?
『ひぐらしのなく頃に』の感想インデックスへ
赤坂さん、葛西さんカッコイイよ。茜さん凛々しいよ。そしてみんな幸せになれる未来を紡げて本当によかったです。