Holicの印象深いエピソードであるネット中毒に陥ってしまった女性の話。夫や子供のためにもうパソコンは止めるって口では言うんだけど、その女性はどうしても止められない。そんな彼女に向かって侑子さんは、「何かをヤメるのもヤるのも成し遂げるという意味では同じ、必要なものは行動と誠意」と語る。夫や子供への誠意か?と問う女性に対して「自分への誠意(自分と約束を守ること)」だと答える侑子さん。ここだけでも深みのある場面なんだけど、このあとさらに侑子さんはネット中毒も「アリ」だみたいなことを言うのね。ただし、その場合リスク(この場合は夫や子との確執)を背負うことになると。このリスクって考えが、Holicの一話から強調されてる物事における「それ相応の対価(命における命、霊感体質改善におけるワタヌキくんの労働、他)」って部分に繋がって深い。
で、その辺りを踏まえてツバサの旅立ちのシーンを見てみると、小狼くんはさくらの命と引き替えにさくらの中の自分の記憶が失われることになってもいいか?という問いに迷いなく「Yes」と答えるのね。これが小狼くんとHolicのネット中毒の女性が対比されてて上手いと思った。勿論女性が作中ネガティブで小狼くんがポジティブ。この「Yes」が女性のものと小狼くんのものでは全然重みが違うのがうまく伝わってくる。小狼くんは女性に侑子さんが語ったような物事には「それ相応の対価」が必要なことや、その失わなければならないリスクを知ってでも成し遂げたいという「覚悟」や、その覚悟をやり遂げるという「自分への誠意」、全て分かった上で「Yes」と言っているのだ。侑子さんもそれを汲み取って「覚悟と誠意、何かを成し遂げるために必要なものがあなたにはちゃんと備わっているようね」と言って小狼を異世界へと送り出す。
この小狼くんがカッコよくて、なるほど、確かにこれは少年漫画だと思った次第。次元が変わるたびにあると思われる侑子さんとの絡みにも期待で、俄然ハマってきた。
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東京編以降の話を考えると切なくなりますな。