「目に見えることだけがすべてじゃない 世界にはね まだ誰も目にしたことのない不思議がたくさんあるんですよ それを知ることが 本当に幸せなんです」(小狼パパ)

 同意。
 謝る代わりにありがとうとか、さくら姫の笑顔の話とか、普通の人向けに心に響く話は多々あれど、僕の心に一番響くのは小狼パパ→小狼へと受け継がれるこの姿勢が描かれる場面だなぁ。

●霧の国篇

 バトル無しのショートストーリー篇。バトル無しと言うのは少年誌で連載するには勇気がいるんじゃないでしょうか。少年層の読者の反応は分かりませんが、僕はこの話し超好き。上の父親の言葉を思い出して「そうだね 父さん」と小狼くんが自分なりの生きてる楽しさを思い出すところが好き。さくら原理主義の信念、行動力がカッコよかった小狼ですが、その分どことなく余裕の無さもありました。そのあたりの緊張がすこし和むのがこのショートストーリー。湖を上がった後の、まあ気楽に心に余裕を持っていこうよというファイの語りの場面は、背負うものが重いからこそ光る和みって感じで好きです。実は重いものを背負ってるファイが言うからこそイイ。

●ジェイド国篇

 「書物や歴史が真実のみを語っているとは限りませんから」(小狼)

 霧の国の話あたりから小狼くんの学者属性が描かれ始めてるような気がするんですけど、この台詞を含めアカデミックな魅力が全体的に溢れているのが好みです。本が所々効果的な道具として使われています。というか、犯人探しのミステリ風味もあったこの本編、犯人を絞り込む重要なギミックに本がなっています。
 なんというか、この話読んでるとフィールドワークとかしたくなってきます。「旅をしながら本を書いてるご一行」とかホント浪漫ですな。僕は最近随分とサイエンスなことばかりやってるんで、こういうアナログな作業の魅力には惹かれます。旅をしながら各々の地域の言葉を研究するとか、浪漫です。
 本編は謎解き風味。怪しさ、というか物語上こいつしかいねえだろっていう勘で僕は一発で犯人が分かってしまいましたが、別に分かっても楽しめました。あとはエメロード姫の話がイイです。催眠療法とか、他の子供が見ていたものには科学的な裏付けがあるのに対して、さくらが見ていたものだけは超常的にしか説明できないのがイイ。

●桜都国篇

 序盤のみ収録。このあたりからとても話が成熟してきた印象。現在連載中のマガジンから察するに、今までで一番の長編になりそうだし。
 小狼の記憶を手繰ろうとするさくらにかかる対価の代償の場面はやはり切ない。断片的な記憶の情報から自分と小狼の関係性に行き着くさくらの頭の良さも魅力で、お、もしかして…と思わせられるんだけど、やっぱりのしかかる対価の重み。されどそんなことは既に覚悟完了済みの小狼に、それでも小狼はやると小狼を買うファイと黒鋼。やっぱこれの登場人物はカッコいいわ。

ツバサ―Reservoir chronicle (4)

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