「無から有は生まれない 願いの成就には必ずその代償 もしくは代価を必要とする」

 この教育実習生の話も、Holicでずーっと描き続けている「対価」の話です。願いでもなんでも、ある価値を得るには、それと同価値のものを払わなければならない。
 このバカ教育実習生の描き方が痛快です。「自分は価値あるものを得るけど、何も払いません」自分だけはそれでまかり通る気満々で、見事に「対価」の法則をぶち壊してます。この手の人は本気で自分だけはそれで通ると信じ込んでいるという痛さも十分に描かれていて、何かもう、CLAMPの脚本の人、普段からこういう人にかなり憤ってるんじゃないかと思ってしまうほどです。
 実は僕も憤っていて、普段からよく考えます。この話は対価の法則をブチ壊している要素を「自分へ過信」という言葉で分かりやすく描いていますが、僕の現実分析では、どうも個人尊重主義、人それぞれ主義、相対主義が対価の法則をブチ壊す隠れ蓑にされているケースが多いように思えます。「私はオンリー1」、「人それぞれ」、耳に心地よいフレーズですが、1と対等な数字は?という問いに対する答えまで「人それぞれ」「オンリー1である私の答え」で済ますなよ。1だよ。勝手に「10=1」とかにすんなよ。しかも自分の方の数字ばっか増やしやがって。

●エンジェルさんの話
 ・『キャシャーン』よ!に笑った。前から小出しにされてた侑子さんが特撮マニアっぽい設定はコレで確定。
 ・「やっぱりいい子よ四月一日は アナタとあたしが思ってたとおり、ね」は一体。「思ってた」と昔から知ってたような口ぶり。この辺りは明かされることあるのかなー。既に時間を超越してるっぽいんでそんなに重要じゃないのかなー。

●教育実習生の話
 上に書いたの以外では、
 ・でも絨毯の蝶もう何匹か逃げちゃったっていうのは面白い。マルとモロがはたきに使ってるのが斬鉄剣なのも。
 ・ひまわりちゃんが筒をキャッチしたら筒が空いたのは、ひまわりちゃん関係の伏線?

●狐のおでんの話
 息抜きのようなほのぼの話。1話完結でもこういう良質な話が入るのがこの漫画が好きな所以。

XXXHOLiC 3 (3) KCデラックス

西尾維新 『×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』

xxx HOLiC 第一巻

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