さすが黒鋼。
前回の感想でまとめた通りの切ない関係が現在のサクラと真・小狼との間にはあるわけですが、今回黒鋼が、
「お前は飲めるのかと聞いているんだ」
と、餌の小狼ではなく、真・小狼自身を「個」として見ての台詞を語ってくれたおかげで、突破口が見えてきた感じです。そうじゃん!真・小狼が俺は俺、餌の小狼じゃなく真・小狼だ!と「個」を自覚して、サクラもサクラの方で(今は重ねちゃってるけど)餌の小狼と真小狼は別の存在、それぞれが「個」!と飲み込められるようになったら、万事うまくいくじゃん!
「東京編」以前まで「魂は同じ存在」という設定がポジティブに描かれてきたのに、今度は「魂は同じ」ゆえにサクラも小狼も苦しまなければならない……というのが今の展開なわけですが、「東京編」以前と以後で色々なものを転覆させる構成を取った「ツバサ」なので、この点も転覆させて、「魂は同じ」でも、やはり二人は「別々の個」みたいに裏返しちゃえばいいんじゃん。そのきっかけをくれた黒鋼は本当に漢です(酒で解り合おうとしてる辺りも漢)。色々なものが崩れていった「東京編」以降は、本当黒鋼の存在で皆が救われております。今回久々にモコナとじゃれ合う姿が見れて嬉しかった。どうか、黒鋼の負担が軽くなるよう、皆、それぞれステップアップしてくれるといいのですが……
なんて思った所で、ファイのいた国でついにアシュラ王目覚めるという急展開。なんちゅージェットコースター脚本だ。ただでさえ現在サクラとファイは「危うい」感じで描かれてるのに、さらにここでファイに試練が。今までの描写からして、試練度Sクラスの試練なわけでしょ、アシュラ王イベントは。今の色々危ういパーティに乗り越えられるのか!?という絶妙のハラハラ感で引きへ。あー、気になる。ハラハラする。でも面白い。2007年も楽しませてくれそうです、「ツバサ」
ツバサ 17―RESERVoir CHRoNiCLE (17)
ツバサ―Reservoir chronicle (17)
ツバサ・クロニクル 第2シリーズ VI
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(そういう要素がないのは、一連の「CLAMP学園もの」と『不思議の国の美幸ちゃん』くらいかも)
「左目」にしろサクラにしろ、感情面は幼いというか歳相応というか……だから我々も感情移入できているんだけど。この方面の成長が待たれるところですね。飛王サイドにいる「右目」に、折り合いをつけられるのか。
以前、この物語はタロットで解釈・予測できるのではと一説ぶちましたが。なんとなく今は‘迷い’‘不安’‘影響力’を寓意にもつ「月」という感じも。しかもけっこう長続きしそうです。
ま、神秘家に言わせれば「21世紀は月の時代」だそうですが。20世紀が太陽の時代だからと。