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 「大丈夫 私もしたことないけど今のはカウントしないから」(神楽坂明日菜)

 初の長編エピソード「エヴァンジェリン編」を1冊まるまるかけて収録の第3巻。そうは言いつつも途中途中に自然な形でクラスメイト編が挟んであるサービス精神たっぷりの構成。楓なんかはここで掘り下げておいたのが京都編でのバトル要因加入を自然なものにしてる感じです。
 ◇

 大きくはお父さんのことになると回りが見えなくなってムキになって独力で猛進してしまうネギと、それを3-Aの皆の方に(というかこの巻では明日菜以外にはまだ魔法バレしてないので、明日菜自身の方に)持ってきて仲間パワーも大切にしなさいと伝え続ける明日菜との対立という、近刊まで続いてる軸に忠実なお話であります(そしてどちらかというと、後者の方が作中の是的)。

 もう、普段よい子のくせに、

 「私を捕まえたら(父親のことを)教えてやるよ」

 なんてエヴァに言われた瞬間に回りが見えなくなって独力猛進モードにネギは入っちゃうんですね。で、結局VSエヴァンジェリン、(途中で明日菜が助けてくれたけど)第1戦は敗北。

 そこから第2戦までの主立ったイベントは、

●カモくん登場

 一応、独力ではない、仲間の存在として登場。

●明日菜との中途半端仮契約

 この時点ではおでこにチューの中途半端仮契約。まだ、明日菜もそれほど本気になってない。

●クラスメイト編・茶々丸

 後に超にお前は「自立した個体だ」とまで言わせるまでになる、茶々丸が自立意志(というかネギへの恋心のようなもの)を獲得し始めるファーストエピソード

●クラスメイト編・楓

 ――僕のせいでアスナさんやこのかさんや他の皆に迷惑はかけられない……どっか遠い所へ逃げなきゃ――

 僕が原因のもめごとに僕の生徒をそんな形で巻き込んでいーの?

 と、あくまで問題の解決にあたって独力志向にかたまるネギに対して、まだ10歳なんだから壁にぶつかって当たり前(独力ではクリアできない問題にぶつかるのは当たり前)とメンターポジションになって楓がちょっと包み込んでくれるお話。

●クラスメイト編・エヴァンジェリン

 ネギがエヴァの訪問看護を通してエヴァの夢を覗き見て、お父さんのことについて知るお話。というか、読者向けには、今は対立しているネギとエヴァが、「ナギを追い続ける者」という項で括れる似たもの同士である点を伝えてるお話。

 ……と、こんな感じですよ。

 で、訪れる第2戦目のクライマックスは2点。

 1点目は、あくまで独力志向に走って単独でエヴァと戦い、結局絶体絶命のピンチに陥ってしまうネギのもとに、明日菜が駆け付けてきてくれる場面

 「でも もう大丈夫ですよ。また何かあっても今度はアスナさんや他のみんなには絶対迷惑かけませんから安心してください」

 なんて言ってたネギのもとに、その時は、

 「え…あ…そう?」

 なんて言ってた明日菜が全力で駆け付けてきてくれるんですよ。

 そこで独力志向だったネギが初めて仲間パワーを享受するシーンとして、明日菜との仮契約が最クライマックスとして描かれるわけですよ。キスシーンというけれん味たっぷりで描かれるこのクライマックスは見事。その後の、ネギの、

 ……来てくれてありがとう アスナさん カモくん

 の部分は素でいい。魔法学校を首席で卒業したエリートで、おそらくこれまでは挫折することなく独力で何でもやってこれたネギが、敗北を経験して、初めて仲間パワーに開眼して戦いに挑むという美しい場面。というか、近刊のVS超編のクライマックスまで、この独力に走ろうとするネギが仲間の力を経てクライマックスへ……というテンプレートは繰り返されます。それだけ、ネギと3-Aの皆の絆の構築を描いた人間関係構築劇が『ネギま!』の軸に一つあるということ。

 2点目は、敗北をきっして橋の下に落下していくエヴァ視点から、ナギとネギのシンクロ演出が描かれる点。

 卒業する頃にまたやってきて呪いを解いてくれるという約束を果たしてくれなかったナギに対して、

 うそつき

 と、涙を見せるエヴァのもとに、あの日ナギが差し伸べてくれた手とシンクロするネギの手が差しのばされてエヴァが助け出されるというこれまた美しい場面。このシーンのエヴァ、いつかナギの手も差しのばされるかもしれないとよりナギに対して希望を持ったのか、ナギとは別の「個」としてネギを意識した瞬間なのか、解釈が分かれる所ですが、いずれにしろネギを一歩認めた瞬間なのは確か。

 といかエヴァのナギへの想いという悲恋(と言って良いと思う)の物語は何気に切ない。望まずに真祖の吸血鬼になってしまったエヴァが人間のナギによせる異種族恋愛というだけじゃなく、ネギの存在自体がナギが他の誰かを愛して子を成した証だというのが切ない。エヴァはそれを分かっててもナギの面影を追い、やがてはネギを弟子にし……と、エヴァ、何気に健気だよなぁ。切ないよなぁ。なんとかハッピーエンドを与えてやってほしいキャラです。

 ◇

 というわけでこのコミックス感想、更新間隔は空き空きですが、近刊に追い付くまで少しづつ続きます。

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