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 「扇さん、以前の私、今よりも幸せだったのでしょうか?」(ヴィレッタ)

 前回第20話「キュウシュウ戦役」の感想記事では130を超えるトラックバックを頂き、4400PV/WEEKあまりを達成できました。皆さんご協力ありがとうございましたm(_ _)m。当ブログの感想記事は管理人在住地域の放映日(金曜深夜)以降になりますが、今回も早い放映の地域にお住まいの方のために、早めにTBできるよう記事は立てておきます。今回もふるってトラックバック頂けたら幸いです。引き続きトラックバックセンターとしてご利用下さい。
 <追記:感想書きましたー>
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 コードギアスメルマガ第23号では、設定上「サクラダイトが存在すること、内燃機関が未発達であること、核分裂が長く発見されていなかったこと、なども現実の世界と大きく異なるポイントです。」が、よく見てる人は分かってる部分の確認って感じかなー。ここまで設定して視聴者側にも伝えてる以上、ニーナが研究してた核分裂の基礎にロイドが目をつけるシーンは重要伏線として終盤に生かされてくるんじゃないかと。ニーナ、20話でユーフェミアに重要感を供給する役割で物語上の役割を終えても良さそうな所を、もう一働きする感じで。

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 楽天ブックスより、『コードギアス 反逆のルルーシュ』DVD第4巻のジャケットイラストは、エロかっこいいカレン

 そして、前回第20話のクライマックスで流れた酒井ミキオさんの燃え挿入歌「Callin'」は、『O.S.T.2』に収録されるとのことなので(ソース)気になってた方はチェックー↓
コードギアス 反逆のルルーシュO.S.T.2





<以下、本編感想>

 すごい密度でしたが、一番はブリタニア人とイレブンのカテゴリ対立の方のテーマに焦点があたった1話だったでしょうか。そして、それと関連しながら、いよいよ二面/多面のうちから「自分」を選択する時に、作中の登場人物的にも、国家的にも入ってきました。

 その分、「過程」VS「結果」の方のテーマは前回のルルーシュが自立意志に訴えかけるという正しい「過程」によって、スザクが「生きる」という正しい「結果」のためにルールを曲げてもエナジーフィラーを受け取る選択を下したという場面で決着させた印象。今回、スザクとカレンとの会話のシーンで確認的に「ルール違反だとは分かってる」「(学園内では)説得を続けたい」と、スザクが「過程」に対して柔軟な思考に変化したことが言語化されて表現されております。カレンに、

 「あんた、何か変わった」

 とわざわざ言わせるくらいに、スザクの変化を印象付けております。それに伴い、

 「今の君はカレン・シュタットフェルトだろ?紅月カレンじゃなくて」

 という、名前とそれに対応する二面性、そこから選び取る「自分」という作品のテーマ上、核心的な台詞がスザク君からカレンへ。この台詞をきっかけに、イレブンか?日本人か?日本人だとしたら、どういった形での日本人か?という大局的な「選択」の時というテーマに一気に流れ込んでいきます。

 今回このテーマを担ったのは、カレンの他には、ヴィレッタさん。イレブンではなく、日本人たろうと紅月カレンとして黒の騎士団に参加するカレンに対して、ヴィレッタさんからは、

 「私、イレブンになってもいいです」

 の言葉が飛び出します。イレブンか?日本人か?という名前に対応する二側面から「自分」を選び取るというテーマに関して、日本人たらんとするカレンもいれば、逆に自らイレブンになってもいいと言うヴィレッタさんもいるという、視聴者的にも選択肢を与える構成。そして、その二つの側面からの「自分」の選択というテーマにあたって、ヴィレッタさんから核心的な問いかけが。

 「扇さん、以前の私、今よりも幸せだったのでしょうか?」(ヴィレッタ)

 ブリタニアの純血派だったヴィレッタさんと、イレブンになってもいいと言う今のヴィレッタさんは真逆なワケですが、でも、幸せなのはどっちなんだろう?二面のうち、幸せな「自分」とはどちらだろう?作品上のもっともコアな問いかけです。全ての登場人物に向けて問いかけられる問いであると同時に、扇さんに解答を求めるのは荷が重すぎます。まあ、ここまで色んな人物の二側面、多面を描いてきて、あなたはどう(どっちが幸せだと)思う?と視聴者に問いかけた台詞だったんだろうなぁ。

 そんなわけで、純血派のブリタニア人だったけど今はイレブンになってもいいと言うヴィレッタさんや、ブリタニア人/イレブン/日本人というカテゴリに対して上述のような想いを抱いてるカレン(スザクがイレブンの希望という咲世子さんの言葉に、何かしら思うところある描写が入る)に、その他一般のイレブン達もブリタニア人にまざって沢山楽しそうに参加して、名誉ブリタニア人というそういったカテゴリの曖昧さを象徴するような立場にいるスザクが回す「世界一のピザ」作りにやんややんやと喝采を送れる今回の学園祭は、まさに、作中のユートピアで夢の空間だったわけですよ。しかし、その夢の空間(時間)に、ユフィの登場で終わりが訪れます。台無しになった「世界一のピザ」という絵は、そんな夢の時間の終わりの象徴です。

 ユフィ、ユーフェミア副総督として、行政特区「ニッポン」の設立を宣言。

 ユフィ自身は前回ニーナに重要感を補填されて全てが好転したのを受けてか、今回はシュナイゼル兄様に認められて重要感を補填されて行動に出てるわけですが、いかんせん、今回の場合シュナイゼル兄様は黒の騎士団を消滅させるのに良い策という程度に優先順位をつけて判断したに過ぎません。そんな仮初めの重要感を原動力にユートピアを想い描くユフィと、現実を知ってて逆にそのユフィの行動によって追いつめられるルルーシュの内面とのギャップがニクイです。

 「日本人だって……今更」

 「ほら、イレブンが恋人だから」

 と、ユフィの宣言によって夢の時間は終わり、顕在化するブリタニア一般人の差別意識。そして、逆にユーフェミアを称賛するイレブン達の声。カレンやヴィレッタを通して仕込まれた、「選択の時」というギミックが、ここで花開きます。すなわち、ユフィの提唱するブリタニアの保護のもとの「ニッポン」を選ぶか、ルルーシュがゼロとして作ろうとしている本当の意味での独立国家「日本」を選ぶか、作中の一般人(と見てる視聴者)に放たれた、どちらを選ぶ?という、またヴィレッタさんを通じて問いかけられた、どちらの方が幸せなのか?という問いかけ。ミクロな視点では個人としてのキャラが「自分」を選び取る/取り戻す(アイデンティファイする)物語、大局的にはエリア11という国が日本というアイデンティティを取り戻すまでを描いていた物語、ここにクライマックスです。

 そして、ラストシーンで、

 「違うんだもう昔とは。ユーフェミア」

 と、まずは、ルルーシュがユフィを「ユフィ」ではなく「ユーフェミア」と呼んで(何度も書いてるように、「ユフィ」はルルーシュの妹であり、スザクの前で一少女であるユフィの側面、「ユーフェミア」はゼロの敵である副総督の側面をそれぞれ写像している)、一つ、「選択」した所で引きへ。

 ルルーシュの選択の動機は、やはりナナリーのため。今までナナリーの居場所を作るために活動して多大な犠牲をはらってここまで大きくしてきた黒の騎士団がユフィのせいで壊滅の危機となるし(次回予告で語られてる通り、ユフィの行政特区に参加すれば武力は奪われ真の独立国建国の目的は達せられなくなるし、ユフィの行政特区提案を否定する立場を取れば、正義の味方として民衆の支持を得てきた騎士団の対外的な存在意義が崩壊する)、何よりも、ナナリーが密かに想っていたスザクとユフィが結ばれることで、ユフィだけが何もかも手に入れ、ナナリーが泣かされることになるのが一番許せない、それが、ルルーシュの選択の動機。

 持つ者と持たざる者の対立。ユフィもルルーシュも弱肉強食の競争原理であるブリタニアイズムを否定して、弱者(ルルーシュにとっての象徴はナナリー)救済を掲げたいのは共通してるんですが、ユフィは持つものの立場から言ってるだけなので見えないものがあり、逆に持たざる者(ルルーシュとナナリー)を追い込んでるのに気付かないという。

 やべー、作中の最後の対立項は、弱者救済のユフィイズム&ルルーシュ・スザクイズムVS進化の是こそ最優先の弱肉強食原理のブリタニアイズム&シュナイゼルイズムだと思ってるんですが、作中の味方サイド的に描かれるであろう前者が21話に来て反目しあってて大変です。逆に、敵サイド的な方が充実。シュナイゼルはコーネリアを「閃光」とコーネリアが憧れてたマリアンヌ(ルルーシュの母親)の二つ名で形容して懐柔にかかってるし、実は1人の優れた人物のためにはその他は切り捨てる方が是というブリタニアイズム的な考えを持ってるディートハルトは咲世子さんを使って何かたくらんでるし(咲世子さんの二面性は初登場ですね)、何より、オレンジ卿が培養液に浸かってるし(ジェレミアさんはクロヴィスの研究所に回収されたけど、今はその陣営はシュナイゼル陣営に属しているので、シュナイゼルサイドの大物戦闘要員として帰ってくると思われる)で、シュナイゼルサイドが一刻一刻充実していってます。

 まあ、だからこそ逆転劇のカタルシスがあるってものだけどね。

 最後に、これだけ複数の思惑やテーマが絡み合う重要回なのにも関わらず、C・C(シーツー)がピザを食べたいだけのお茶目要員になってたのが面白かった。メインヒロインなのに。最後のダメになった「世界一のピザ」を見てショックを受ける絵は、ブリタニア人とイレブンが分け隔て無く楽しみ合えた空間の象徴であるピザがダメになって落胆した(C・Cも人種差別の緩和を望んでおり、それがダメになって落胆した)とか深読みする類のことではなく、単純にピザ食べたかったのにダメになってショックだったっぽい



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 それでは!

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