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 「小狼君の心を取り戻すために」(サクラ)

 Chapitre.133「旅の行方」のみ書き下ろし感想。次話からはマガジン掲載時に書いた感想の再掲記事になっています。コミックス派の方は、これを機会にこの記事で一気読みをどうぞ。それでは、『ツバサ』18巻の感想です。
●ツバサ/感想/Chapitre.133「旅の行方」

 侑子さんからの、作中の一番コアな謎の謎明かしが語られる回。サクラの羽を飛び散らばせてサクラの記憶を奪った飛王の目的は、異なる次元の記憶を躰に記憶できる能力を持つサクラに次元の記憶を記憶させるために様々な次元を旅をさせることだったとが判明。何らかの「願い」(侑子さん曰く「誰もが夢見る でも誰も叶えられない夢」)のために次元をコントロールする力を手に入れる。それが飛王の目的。次いで、その目的のために、餌の小狼、黒鋼、ファイは、サクラの同行者としてあらかじめ飛王のコントロールの下にサクラの旅の同行者として集められた存在だったことが明らかになります。

 真・小狼の存在、黒鋼の母親の殺害……と、各々のキャラの原点が、全て飛王のコントロール下にあったというある種のこれまでの各自の価値観の崩壊回。

 それでも、全てがコントロール下にあるわけではなく、

 「俺が知世に仕えてたのは自分の意志だ」

 という黒鋼、「死にたい」を連呼していた過去回想を挟んでも、その手を握りしめて、

 「…それでも…生きていてくれて…よかった…」(サクラ)

 と言ってくれたサクラの存在を手に入れたファイ……といった要素が、そういった一種の運命諦観的なコントロールを打ち破り得ることが示唆されます。仕組まれて始まった旅だとしても、「崩れて生まれた新しいものにもまた意味が在る」とする侑子さん。

 「全ては必然だから」(侑子)

 ここから、東京編以前の旅で培った仲間達の関係性や、今、この東京で選ぶそれぞれの選択が、飛王のコントロール下だけの必然を、新たな必然で上書きしていく物語が始まります

●ツバサ/感想/Chapitre.134「唯一の存在」

 手前味噌ですが、こういう展開/こういう形での作品テーマ提示は2年以上前の 湖の国の話の時から僕予想してましたよ。逆に言えば、それだけ伏線/暗示の提示の仕方がフェアだったということ。

 「小狼君の心を取り戻す為に」(サクラ)

 というわけで、明確にここにて主人公を(餌の)小狼からサクラにチェンジ

 物語冒頭でサクラの心を取り戻すために旅立った小狼。それから培われた新たな関係性を頼りに、今度はサクラが小狼の心を取り戻す為に旅に出る番です。まさに、『XXXHOLiC』から受けつがれる対価の思想。心を取り戻してくれたから、今度は私が取り戻す。

 奇しくも、先日完結したアニメ版『ツバサ・クロニクル』の最終章と同じく、旅の意義の再構築が描かれました。物語冒頭ではなりゆきだったり、飛王にコントロールされてたりで始まった4人でしたが、ここにて、明確に4人それぞれの意志で旅を続ける決意を固めます。最高に熱かった。

 この、サクラの心を取り戻す旅を描きながら、実は心を失うアイデンティティクライシスの危機が迫ってるのは小狼の方という伏線。それゆえに、旅の過程で小狼と新たな関係性を構築したサクラが、今度は小狼の救いになるという予想をずっとしていたのですが、小狼のために今度はサクラが主人公になって旅に出るというこの上ない明確な形で答えが描かれました。超満足。やはりトップセラー作品は伊達じゃないです。

◇ピコポイント

・真・小狼

 やっぱり、「取り戻せないかもしれないけど、できることなら守りたい」ということで、真・小狼にも真さくらがいるんだろうな、たぶん。それでも違う小狼の為に違うサクラを守るという決意。こいつもひたすらカッコいいヤツです。

・黒鋼

 飛王は打倒されないで終わるのかなという気がしてきてたんですが、黒鋼に討たれるラストはあるような気がしてきた。母上を殺されちゃってるからねぇ。

 ◇

 4人、それぞれの決意がひたすら熱かった1話でした。1レベルステップアップした決意を秘めての再発進回ということで、『ガンダムSEED』なら第34話に相当する回です。続きがひたすら楽しみ。

●ツバサ/感想/Chapitre.135「交錯する世界」

 「出会って、触れ合って。そして変わった、この出逢いで」(侑子さん)

 侑子さんから語られるこの部分が作中の是なのだと思いました。もし誰かに自分の運命がコントロールされていたとしても、前回サクラと3人が旅の途中で得た出逢い、ふれ合い、そしてそれらを通して得た各々の変化を頼りに自分の意志で旅の継続を望んだように、仕組まれた運命を凌駕するほどに人との出逢いやふれ合いを通して紡がれる新たな「関係性」は強い。物語冒頭で敢えて言語化して「関係性」を奪う場面を明確に描くことで、逆に長い時間を経て得られるこの「関係性の尊さ」というのを強く浮き彫りにする手法を取ったのだと思います。大川脚本恐るべし。

 そんな「関係性」を是に、戦うべき相手は飛王が仕込んだ4人への運命とも言うべきものになってきました。如何に強者の仕込んだ予定調和を「関係性」を頼りに打ち破っていくか、それが、これからのサクラを主人公とした「ツバサ後編(って言っていいのかな)」の主題なのではないかと。

 「すべては必然」というのは物語冒頭から何度も繰り返される侑子さんの言葉ですが、これは「だから諦めろ」と諦観を促してるわけではないことがいよいよ顕在化してきました。むしろ逆に、二つの未来の可能性を残しておく侑子さんの立場は言うなれば「可能性賛歌」の立場。諦観を覆すほどに、新たな関係性から生まれた意志は強い。そういう、浅い運命論を凌駕するような大きな意味が侑子さんの語る「必然」にはありそうです。このサクラ達をあくまでコントロール下に置こうとする飛王に対して、干渉範囲内でサクラ達の自立意志に「変化」を託していこうとしてる侑子さんという、サクラ達の物語の背後にある飛王VS侑子さんの間接的なバトルも物語終盤では盛り上がりそうです。やみくもに意志が生み出すスーパーパワーで運命を打ち破るのではなく、対価、干渉範囲内という制約を設けてこの辺りを描いてるのが「ツバサ」&「XXXHOLiC」の面白い所です。

●ツバサ/感想/Chapitre.136「盤上の騎士達」

 超転換点だった「東京編」を踏まえて、最新17巻の感想で書いた通り、今までとは変わってしまった「旅の目的」と「4人の関係性」が印象的に感じられるようにして始まった新章だと思いました。

●変わってしまった「旅の目的」

 「東京編」で東京の世界の人々のためにサクラが羽根を受け入れることを拒否したシーンより、もう旅の目的は「サクラの羽根を集めること」ではないので、新世界の冒頭で何やらサクラの羽根が悲劇を生んでるらしい描写が入っております。羽根→とにかく手に入れなきゃ……ではもう無いんですね。羽根があったとしてそれを手に入れるかどうかはそのつど(主にサクラの)自立意志で決定するのが現在のサクラパーティーのスタンスということになります。今回は羽根のために苦しんでるなんらかの人々を目撃したがための回収行動と解釈。

●変わってしまった「4人の関係性」

 一言で言えば、「東京編」より前の「レコルト国編」までの、新しい世界についた!という『ONE PIECE』的ワクワク感が排除され、4人の表情が楽しそうなものでは無くなってるのが印象的でした。脚本の大川さんへのインタビューにあった、「当初から『東京編』以前と以後では雰囲気をガラっと変えるつもりだった」が地で実行されていると思いました。

 ◇

 「東京編」を経ての最初の世界が、チェスの駒に扮してのゲーム劇というのは、暗にサクラ達一向が飛王のコントロールする盤上の駒状態なのを踏まえているのかと思いました。駒になってる黒鋼、ファイ、真・小狼らの自立行動なんかが描かれればガチです。それか逆に、盤上のルールを尊守することで侑子さん曰くの「世界には一見無秩序に見えてもルールがある」を表現するか。

 ラストは決意の表情を見せてゲームマスターを務めるサクラの動機が知りたいという敵サイド側の思惑で引き。ゲームマスターも危険なのに……リスク、失うものがあるのにそれでもやるのは何故か、すなわち侑子さんの言う所の「本当の覚悟」をサクラが持ってる理由は何かと問うているのですが、この辺りは読者的にはもう「東京編」終盤で十全に伝えられてる部分だと思うんですが。あえてこの新しい世界の敵サイドからもう一度問うということは、もう少しサクラの動機にプラスアルファが描かれるんでしょうか。

 いきなりバトル描写から始まったワケですが、個人的には「東京編」でこれまでとは変わってしまった4人の関係性描写、新しい世界での通常の4人のやりとりなんかを見たいですね。少し読者的には読んでて落ち込むパートになりそうですが、もう戻れない「東京編」以前の4人と相対されればされるほどにこの「ツバサ」後編の深みは増して行くと思うんで。

 ◇

 起承転結の「承」を省く作劇をしてると大川さんはトップランナーに出た時に仰ってましたが、今回は「起」までも省かれてた感じが。それとも次回から時間軸を戻して描かれるのかな。何にしろ、作中でのテーマや人間関係だけじゃなく、作者側の物語の作り方なんかも「東京編」以前とは変わってきそうなんで、その辺りも注目して追っていきたいと思います。

●ツバサ/感想/Chapitre.137「姫を支える者」

 前回はこの新世界インフィニティで敵のボスキャラ風の男が「サクラの動機を知りたい」みたいなことを言って引きだったんですが、「東京編」で十全に読者には伝わってるサクラの動機(覚悟、決意)のほどをさらに強めていたのは、「東京」後に一旦餌の小狼が先に来ていた世界に辿り着いて、餌の小狼によって乱された世界を目撃、さらには餌の小狼による負の業を本当の小狼に向けて糾弾する民草の前にさらされた……という経験によってでした。エンパシーの強いサクラは本当の小狼に向かって「ごめんなさい」と言うんだけど、本当の小狼はサクラの小狼とは違うから、抱きしめたりはできない。そんな苦しい関係が切なかったです。それは本当の小狼視点からも同じ。本当の小狼も真の願い(おそらくは本当の小狼にとっての「本当のさくら」絡みと暗示させられてると思うんですが)は置いておいて、このサクラも「できることなら守りたい」と思ってるんですが、自分はサクラにとっての小狼では無いがゆえに、積極的に支えになってやるとも言えないジレンマ。その辺りをついてそれでもサクラには支えが必要なことを本当の小狼に説く黒鋼はさすがに大人。「唯一の姫君」を称してサクラの支えになると決めたはずのファイも実際はその身に宿してる「脆さ」ゆえに支えとしては心許ないと看破してるのもさすが。その後の黒鋼とファイの歪みを感じさせるやり取りを含め、今回は超転換点の「東京編」を経ての、変わってしまった仲間達の関係性が描写されはじめた回でした。以下、簡単な現在の「関係性」のまとめ。

    →(エンパシーを感じつつ複雑な心境)→
 サクラ                     本当の小狼
    ←   (守りたいけど複雑な心境) ←
    →(生きていてくれて良かった@存在肯定)→
 サクラ                       ファイ
    ←(支えになると決めたけど実際は危うい)←

 黒鋼と本当の小狼→(実際はこの二人がこっちの二人を支える形になりそうな感じ)→サクラとファイ

 さらに黒鋼は今回のアドバイスしてる描写あたりから、本当の小狼に対してもメンターの役割を果たしており、こんなんじゃ、ちょっと黒様の負担重くね?いつか黒様まで深刻なダメージを負っちゃわないか心配だよ。まあ、今まで支えの役割に終始して来た黒鋼が逆に仲間に救われる展開も見てみたいけど。

 ◇

 黒鋼絡みでは、本当の小狼に送った「餌の小狼の責を自分の責と感じるな」というアドバイスが、レコルト国編で同じく黒鋼が餌の小狼に送った「知っちまったからって、俺の昔の傷をおまえが抱え込む事はねぇ」と意味的にシンクロしてるのもポイント。餌の小狼と本当の小狼が、エンパシーが強くて他人の傷/責を自分のもののように抱え込んでしまいがちな点でやっぱり「同じ存在」なのだというのを描写しつつ、黒鋼の言動、及びそれを支える黒鋼の性格にも一貫性を感じさせてる秀逸な描写だと思いました。この辺りが「ツバサ」クオリティー。

 それにしても最近めっちゃ黒鋼好きになってきたなー。苦境な時にこそ、自分もダメージを受けながらも物言わずドンと支えになってるのがカッコいいのかも。漢の中の漢ですよ、黒鋼は。

●ツバサ/感想/Chapitre.138「語り継ぐ血筋」

 というわけで、他の三人に比べて、一応新キャラゆえにバックボーンなり、考えてることなりが未だ読者にはあんまり伝わってない、真・小狼視点から描かれた、真・小狼の掘り下げ回でした。

 クロウが、餌の小狼を通して真小狼に語りかける、

 「その『目』に映るのに届かない」

 の部分は、当時のサクラは真・小狼の存在を知るよしもなく、一方で現在のサクラは餌の小狼の方の記憶が無く、さらに現在のサクラは真・小狼には普通に接するわけにはいかないと、多重の意味でサクラが二人の小狼をロストしてるのが異様に切ない場面でした。

 真・小狼の側からも異様に切ない。そんな幼少の頃から、『目』を通して、サクラ(さくら)のことが見えてだけはいたんだよ。そして、今こうしてようやく手に触れられるような環境になったんだけど、餌の小狼を尊重する心があるから、堂々と抱きしめてやることもできない。一体どれだけの気持ちで、第16巻で、

 「あのさくらを一番大事だと思ったのは『おれの心』じゃない!おまえだろう!!」

 と叫んだのかって話ですよ。

 真・小狼の「取り戻したいもの(もうできないかもしれないとも言っている)」が何なのかはまだ不明なんですが、一方で、今のサクラを守るということに関しては、当時の餌の小狼並に本気だというのが段々と明かされてきました。で、その貫徹せんとする意志が、「血筋」だとクロウから語られるんですね。真・小狼の親(あるいは祖先?)もこれからキーパーソンになってくる伏線張りの第一段階だと思うんですが、これがどうなっていくのかは今の所まったくの不明。どっちにしろ餌の小狼と真・小狼と、両方がサクラと結ばれるワケにはいかないのが切ない所。やっぱり!って感じで、真・小狼の方にも真・さくらが出てくればとは思うんですけどねぇ。

 ◇

 一方で、ファイは絶賛歪み中。サクラを「唯一の姫君」と定めたのは、一見ポジティブなシーンだったような気もするんだけど、なんか、今話なんかで「(サクラに)触れさせない」と語るファイの絵は、負のオーラ全開なんですよね。「死にたがり」だったのに「生かされて」しまったことで生まれた微細な負の感情を、それでも「生きていてくれて良かった」と存在肯定してくれたサクラを過度に守ろうとすることでどことなくマイナスのサイクルに転化してるような印象。ちょっとマイナス印象のサクラ原理主義って感じ。黒さまを含め、その他の世界との関わりの中で「生きてる」ってことに価値を見いだせるようになるといいんだけどね。「ピッフル国編」あたりでいい感じに変わってきてたのが描写されたんだけど、東京編の全ての転覆展開を受けて、また色々と課題多きキャラクターになっちゃった感じだなぁ。ファイは。勿論、そのある種の危うさがファイの魅力だったりはするわけですが。

●ツバサ/感想/Chapitre.139「迷宮の少女」

 この「東京編」以降の仲間内の新たなな人間関係を、サクラと真・小狼について確認すると、サクラは餌の小狼のことを真・小狼に重ねてしまうんだけど、やはり違う存在だから寄りかかるわけにはいかない(似ていれば似ているほどツライ)。真・小狼は、サクラのことを守りたいと思っているんだけど、サクラの想いが餌の小狼にあることを知ってるから積極的には関われない(守りたいと思えば思うほどツライ)……と、そんな感じ。

 で、それを踏まえた上で、今回サクラはおそらくは、自分の餌の小狼の心を取り戻したいという「願い」のために、真・小狼が傷つくことは(エンパシーが強くて真・小狼の気持ちも痛みも分かってしまうがゆえに)アリなのか?と思ってしまって「迷い」が生じてしまい(マスターの迷いゆえに、駒である真・小狼、黒鋼、ファイの出力も落ちる)、やはり真・小狼を傷つけるわけにはいかないのではと席を立ちかけるんですけど、そのサクラの「迷い」に対しての、真・小狼の返答がこれですよ、

 「勝つ…だから、そこにいろ」

 サクラの想いが餌の小狼にあることを知っていても、このまま自分がサクラと関係性を深めていけばツライ未来が待ってることを分かっていても、それでもサクラの「願い」のために助力する……と。本当、侑子さんが、

 「今の世界を失っても 居心地のいい場所を捨てても、求めるものを追う 失うものの重さも辛さ分かってて、それでも欲する そのために生きる そういうのが本当の覚悟」

 と、言う所の「本当の覚悟」を持ってサクラと関わると決めた場面と解釈ですよ。もし自分がこれからサクラとの関係性を深めていけばいくほどに、餌の小狼のことがあるために自分はツラくなっていくという「失うもの」の重さも辛さも分かっていても、このサクラと関わる、とそんな感じ。

 そこで、蹴り技の餌の小狼と真・小狼でのシンクロ演出が炸裂。ああ、ついにサクラも餌の小狼と真・小狼を重ねてしまいましたよ。サクラもこの先、真・小狼と関係性を深めていけば、本当の想いが餌の小狼の方にあるために自分が傷つくことも、そうやって傷つくサクラを見て真・小狼がさらに傷つくことも分かってるんだけど、それでも餌の小狼のことを真・小狼に重ねずにはいられない。もし、真・小狼の方を好きになってしまったら、お互いツライことは分かってるんだけど、それでも二人の小狼はあまりに似てるから……という、まさにサブタイ通り「迷宮」に迷い込んでしまってるかのような状態です。

 これ切ねーなー。一度失われたとしても、「関係性は新たに紡いでいくことができる」というのを希望的なメッセージとして「東京編」以前まで発していた「ツバサ」だからこそ、今度は逆に関係性が新たに紡いで行けてしまうからこそ、サクラは苦しまなきゃならないという。「東京編」以前と以後で色々なものを完全に逆転させた見事な構成力なんですが、「東京編」以後は一読者としては読んでて切ねー。

●ツバサ/感想/Chapitre.140「歓喜なき勝利」

 前回の感想でまとめた通りの切ない関係が現在のサクラと真・小狼との間にはあるわけですが、今回黒鋼が、

 「お前は飲めるのかと聞いているんだ」

 と、餌の小狼ではなく、真・小狼自身を「個」として見ての台詞を語ってくれたおかげで、突破口が見えてきた感じです。そうじゃん!真・小狼が俺は俺、餌の小狼じゃなく真・小狼だ!と「個」を自覚して、サクラもサクラの方で(今は重ねちゃってるけど)餌の小狼と真小狼は別の存在、それぞれが「個」!と飲み込められるようになったら、万事うまくいくじゃん!

 「東京編」以前まで「魂は同じ存在」という設定がポジティブに描かれてきたのに、今度は「魂は同じ」ゆえにサクラも小狼も苦しまなければならない……というのが今の展開なわけですが、「東京編」以前と以後で色々なものを転覆させる構成を取った「ツバサ」なので、この点も転覆させて、「魂は同じ」でも、やはり二人は「別々の個」みたいに裏返しちゃえばいいんじゃん。そのきっかけをくれた黒鋼は本当に漢です(酒で解り合おうとしてる辺りも漢)。色々なものが崩れていった「東京編」以降は、本当黒鋼の存在で皆が救われております。今回久々にモコナとじゃれ合う姿が見れて嬉しかった。どうか、黒鋼の負担が軽くなるよう、皆、それぞれステップアップしてくれるといいのですが……

 なんて思った所で、ファイのいた国でついにアシュラ王目覚めるという急展開。なんちゅージェットコースター脚本だ。ただでさえ現在サクラとファイは「危うい」感じで描かれてるのに、さらにここでファイに試練が。今までの描写からして、試練度Sクラスの試練なわけでしょ、アシュラ王イベントは。今の色々危ういパーティに乗り越えられるのか!?という絶妙のハラハラ感で引きへ。あー、気になる。ハラハラする。でも面白い。2007年も楽しませてくれそうです、「ツバサ」

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