
イマジンに取り憑かれるゲストキャラ達は皆、心が弱い人間ばかりなんですが、そんな中で主人公の良太郎のみが、表面的な最弱っぷりと対照的に、ここ一番では一番心が強い面を持ってる様が、序盤8話で既に十全に仕込まれてるわけですよ。
そこにきて、今話終盤で明らかになった、実は良太郎のお姉さんも、「過去」に忘れてしまいたいくらいの悲劇を抱えてるという設定。実は、表面的にお姉さんが良太郎を保護していたのではなく、良太郎の方がお姉さんの方の支えになっていたという逆転の設定明かし。
そんな、お姉さんの悲劇的な過去を十分に知っていながらも、良太郎は今話で「(辛いことでも)忘れてしまうことって、本当に幸せですか?」とゲストキャラに(それを通じて視聴者に)問いかけるわけですよ。
前半で、ある種過去をちょっとだけ変更してしまってゲストキャラが幸せになるのを良い話チックに描いてる箇所があって、それはアリなのか?と思った視聴者もいると思うんですが(僕もそう思った)、実はそこはダミーの良い話で、今作のテーマは、「本当の強さ」というのをあぶり出すために、「辛い過去でも向き合って生きていかなければならない」というのを表現することだと思われます。ゆえに、序盤では(ちょっとした)過去の改変でまるく収まってた的ストーリーを、今回は同じように良太郎が過去を改変してペンダントを過去から持ってきても、そのこと自体は現在に影響を及ぼさず、オッサン自らペンダントを作ってた(=良太郎の過去改変は無効)という展開を描写したのだと思います。
よって、今作のクライマックスは、「過去を変えたい」弱さに取り憑かれたゲストキャラと対比される形で、良太郎が、普通だったら変えたいような悲劇的な過去(やはりお姉さん関係の過去でしょうか)を、「変えないで向き合う」ために変身することで、「本当の強さ」を表現するお話になるんじゃないかと予想します。そこ一番で、OPにあるようにお姉さんに象徴される影ながら守りたい日常に背を向けて、ベルトを手に非日常に歩を進めていく良太郎の構図、および、モモタロスでもウラタロスでもない、良太郎自身の電王のフォームが発動という流れだったら非常に熱いです。
というか、良太郎は、マジでカッコよいと思うんですが。龍騎の真司くん以来の、僕的に「好き」ベクトルでヒット。普段弱弱な分、静かなカッコよさがあるよ。

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仮面ライダー電王 エンディングテーマシングル
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けれど、良太郎の努力は徒労ではなく、鴉イマジンをちゃんと打倒したし、その前に契約者と生身で向き合って、契約者の自力救済に一役買ってるわけですよね。
ダメな部分をノーガードで曝け出し、相手の心理的防衛レベルを下げさせる方法ですが、良太郎が計算してたらヤだな(笑)。
もとい。イマジンを引き寄せる特異点であることによって齎される、戦いの運命や人との出会い(今回は直接的にウラタロスのせい)から逃げずに、果敢に向き合うヒーローの強さを、こういうやり口で表現したということでした。
余談:えらく質のいいヒーローショーを提供する遊園地があって、よく観るんですけど、電王初回公演から幼児の食いつきがとてもよろしい。応援しがいのあるヒーローか否かの見極めが、カブトの時より段違いに早い(はじけてきたのは、ドレイク編の放送後あたり)。響鬼なみのスピードでした。