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視点トリック。
イキテルダケデツミナノカ
この経験がファイの自分の命に価値が見いだせない死にたがりの源泉なのか。そんなファイに、「東京編」ラストでサクラが、
「…それでも…生きていてくれて…よかった…」(サクラ)
の言葉を与えてくれたというわけで。遡ってその時のファイの心情に想いを馳せるとだいぶ泣ける。
◇
本編は軽く視点トリック系というか、Chapitre.133でのファイの「死にたい死にたいでもその前に誰かに……」の後に続く台詞は「でもその前に誰かにユゥイだけは助けてって伝えなきゃ」だったと今回で明らかになったわけですが、そのChapitre.133でのファイの回想は塔の中のファイ視点からの回想になってるのに対して、Chapitre.148でのファイの回想(サクラを刺した時にフラッシュバックしたヤツ)は谷の下のユゥイ視点からになっており、結局今までサクラ達と旅をしてきた「ファイ」はヴァレリア国過去編内のファイとユゥイのどっちなのか、流し読みでは分からないように仕込まれて描かれています。
まあどっちにしろ、このエピソードでは願うことで失われるものがあってもその存在も「本当の覚悟」で受け入れて願うというこれまで作中で描かれてきたCLAMPイズムをより厳しく掘り下げてるお話なんだと思います。もう一人のファイを犠牲にしてでも自分が生きて外に出ることを望んだユゥイと、逆に自分が死んでもユゥイだけは生きて欲しいと願ったファイという対照でその辺りをあぶり出してます。とにかく対価の原理で世界は回っていて、何かを得るために何かを失いというのが描かれ続けてきたわけですが、タマゴを奪ってでも自分の願いを望んだサクラ、自分の強運や足を犠牲にしてでも仲間の生存を望んだサクラ……といった感じで、自分のために他人を犠牲にする、他人のために自分を犠牲にするという、両極端な対価にまつわる物語を、究極的に突き詰めてここでは描いてる感じ。自分のために他人が死ぬか、他人のために自分が死ぬか。まさにサブタイ「最後の選択」です。
「東京編」以降、ツバサは本当に過酷だ。
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