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 「無理をすればさらに4ヵ月分の修行が可能だな」(エヴァンジェリン)

 『魔法先生ネギま!』第19巻のネタバレ感想記事です。全体としては収録話に関してマガジン掲載時に書いた感想の再掲記事になっています。コミックス派の方は、これを機会にこの記事で一気読みをどうぞ。
 ◇

●魔法先生ネギま!/感想/169時間目「夢か現か幻か!?」

 冒頭は、新章はナギパーティーの過去編からか!?というミスリードで、ナギ一味とアスナの出会いをショートストーリーオンリーで描写。ウェールズに渡ってから徐々に明らかになっていくのかと思っていたアスナの素性が、意外とあっけなくアスナの夢という形で読者側には提示されました(サブタイ通り、夢か幻の可能性もありますけど)。曰く、「黄昏の姫御子」で、本当の名前はアスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフュシア。作中でナギが突っ込んでる通り本名長いです。なんか、魔力媒体の動力源的に使われてた幼女という感じで、王道の悲劇のヒロインチックで燃えます。明日菜によるネギの救済も今後の見所かと思われますが、こう描写されると、逆にネギによる明日菜の救済という展開もあり得そうな気がしてきました。3巻のエヴァンジェリン編のラストで、過去でナギに助けられたエヴァと現在でネギに助けられたエヴァがシンクロして描かれたような感じで、過去にナギに助けられたアスナと、現在でネギに助けられるネギ……みたいな燃える構図で。でもって、長ったらしいアスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフュシアじゃなくて、私は3-Aの神楽坂明日菜なんだよ!的に落ち着く話。そんな、色々と想像の余地を膨らませられる新章冒頭でした。

 ◇

 続いて、現在パートでは、明日菜が、「ネギのお父さんを捜し出してしかもちゃんとこの学園に帰ってくる」部を結成することを発表。なるほど、こうして、夏休み編序盤で、学園もの王道の部活作成話をやりながら、ウェールズに渡るネギパーティーの選出を描いていくわけですね。

 真面目には、ネギのお父さん志向か?3-A志向か?という対立で物語が進んできた一学期編を終えて、一学期編最終回で明日菜が、

 「いいよネギ そのまま進みな。お父さんを目指して真っ直ぐに。そんなあんたを守るって……刹那さんと決めたんだった」(神楽坂明日菜)

 と、まとめの台詞的なことを発してネギのお父さん志向を飲み込んだため、今度はお父さん志向と3-A志向が止揚される形で、「3-Aの皆の協力を得ながらお父さんを捜していこう」スタイルにこのテーマは移行していくワケですね(今話で明日菜が委員長に応援要請をしている)。明日菜の感情面オンリーの物語ですが、地味に反目から共闘へ的展開で好きです。お父さん志向と3-A志向、手を取り合って進めばいいじゃない!

 ああ、今から、ウェールズ編で絶体絶命のピンチの所で、「皆で学園に帰るんでしょ!」的にこの話に回帰してきそうな様が見えて、フライング燃え。

◇今週の木乃香と刹那

 チュー未遂展開。木乃香×刹那(刹那×木乃香?)にかけるファン達の熱いハートにパワー充填です。この二人、非常に照れててワタワタしてる刹っちゃんをよそに、木乃香は達観してるというか、心が大らかというか、許容範囲がデフォで広いというか、むしろチューくらいアリなんじゃ、というか女の子同士もアリなんじゃ的に構えてるフシがある部分がホワホワする所だと思うんだけどどうか。

 真面目には、美空の懺悔室からコメディ系列で引っ張られてる木乃香と刹那のチュー(というか仮契約)だけど、実際にはかなりの燃え場面で描かれるんではないかと期待しております。是非、(最近では)ネギと千雨とのチュー(というか仮契約)時くらいの燃え度を!と赤松先生に念を送っておきます。

●魔法先生ネギま!/感想/170時間目「とんでも部長就任テスト」

 赤松先生の日記の3月23日の箇所、

 ネギま「夏休み編」の新展開は、(ラブひなでも途中採用された)ある特徴 があるので、描いててとても新鮮です。

 の部分は、視点をヒロイン視点に切り替える点を指しているのではないかと今話を読んで思いました。『ラブひな』でも、景太郎視点でずーっと進んできた受験編が終わって、可南子編に入ると、視点キャラが成瀬川に切り替わるんですよ。で、成瀬川から見た景太郎が描かれる話になる。で、読者としても成瀬川視点から見ると、あー、景太郎って結構凄いヤツだったんだなーと思えて、男主人公の株も上がると、そういう手法ですよね。

 で、前回の新章開幕が、アスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフュシアなる明日菜の本名が明かされるショートエピソードから開始したように、この「夏休み編」では明日菜が重要キャラなのは明らかなワケですよ。そして、前回、今回と、とりあえずここ2話を見た限りでは、視点は思った通り明日菜に固定されています。今回の、エヴァが出した部長就任テストで、明日菜視点からネギの凄さ、自分との差を思い知る……なんて場面は、まさにこの視点を明日菜に置くやり方が効果的に出てる部分ですね。奇しくも、というか、この視点切り替えを使うにあたってやりやすいお話として、新たに視点キャラとなったヒロインが「試される」お話が入るわけですよ。『ラブひな』でも、可南子編に入った直後は、成瀬川の景太郎への想いを、可南子というキャラがジャッジする/試すお話でした。それが、今回は『ラブひな』の可南子編での可南子の役割をエヴァが担って、新たに視点キャラとなった明日菜のネギへの想いを、ジャッジして/試している部分なんじゃないかと。

 『ラブひな』の可南子編よろしく、そうやって試されたヒロインが、一度は私のアイツへの想いってこんなもんだったの?的に落とされて(それを突きつける、『ラブひな』可南子編序盤の可南子も、今回のエヴァンジェリンも、ヒロイン視点から見ると相当ニクらしい(笑)、そして、可南子にしろ、エヴァにしろ、自分も主人公を想ってるがゆえの、若干の嫉妬が入ってる部分も結構同じ部分)、そこからはい上がって主人公への想いをステップアップさせるというのは、もう、王道ですね。

 というわけで、今回のラストのみじめな明日菜の図での引きは、読者に明日菜とシンクロしてフラストレーションをタメて欲しい部分じゃないかと。そうやってタメられて、解放されるカタルシスに乗せてこそ、視点キャラとして採用した意義があるというもの。少年漫画で視点キャラに女の子(ヒロイン)を置くというのも、普通に考えたらかなり冒険な気がするんですが、『ラブひな』で一度成功してますからね。赤松先生の経験値に裏付けされた、ご自分で書いてる通り「新鮮」な手法だと思います。これは、今後描かれるであろう、アスナがネギを助ける場面にしろ、アスナがネギに助けられる場面にしろ、読書時はかなりアスナに入れ込んで爽快感を味わえるんじゃないかなぁ。

◇今週の木乃香と刹那

 メイド木乃香に、お嬢様にご奉仕させるなど……という反応を見せる刹那。むしろ、ご奉仕するなら私が、お嬢様のメイドになるなら私が……的な勢いなのが非常に可愛いです。

◇今週の明日菜とエヴァンジェリン

 上で書いたように、単純に明日菜を試してるだけじゃなくて、エヴァとしては、109時間目「悪い魔法使いの物語」で、自分の過去に対しても「今からだって全然遅くないよエヴァちゃん。幸せになる権利は誰にだってあるんだから」と言ってくれた明日菜にもう少し高みに達して欲しいという想いもあるんじゃないかなぁ。今回の明日菜は「口先だけ」っていうキーワードも、エヴァVS刹那戦で、刹那は「口先だけじゃない」とエヴァが判定したのに重なってくる部分だし。いずれにしろ、色んな意味でエヴァ師匠はメンターポジション。

●魔法先生ネギま!/感想/171時間目「death study」

 やっぱり、エヴァがアスナに(表面上)ツラク当たり、修行をつけようとするのは、109時間目「悪い魔法使いの物語」に回帰点を置くがゆえと解釈。今話ラストのページの、「悲劇的な過去」でシンクロされる、過去のエヴァと過去のアスナのペアカットが印象的でした。

 エヴァ、109時間目「悪い魔法使いの物語」で、自分の悲劇的な過去を明かしても、アスナから、

 「今からだって全然遅くないよエヴァちゃん。幸せになる権利は誰にだってあるんだから」

 という救いの言葉を貰ってしまったワケですよ。

 その時点では今は何の悲劇も抱えていない脳天気女子中学生から言われても……という状態だったんですが、その後、エヴァは夏休み編冒頭で描かれたような、アスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフュシアとしてのアスナの悲劇的な過去をクーネル経由で知ってしまったわけですよ。実は、アスナ自身も悲劇的な過去を眠らせていたがゆえに、(アスナ本人はまだ無自覚でも)同じく悲劇的な過去を経験しているエヴァに、言葉をかける資格のある人間だったことをエヴァは知ったという。それゆえに、今話では同族嫌悪なんて言葉が出てきましたけど、むしろ、悲劇的な過去というバックボーンを共有するがゆえの同族的感情からのエンパシー。それが、エヴァが(表面上)ツラク当たってアスナに修行をつけてやってる理由だと思います。今、まだ無自覚のまま平穏な日常を捨てて悲劇的だった過去に遡る旅に出ようとするアスナに対して、経験者の立場から、今のままの実力では厳しいことを知っているから、だから修行をつけてやる。表面上とは裏腹に、エヴァ、優しいー。

 「悲劇的な過去」を抱えてる同族として超や刹那の名前もあがってましたが、これまで明朗な女子中学生の立場から彼女らと対していたアスナですが、実は彼女らに対しても「悲劇的な過去」の同族としての発言権をちゃんと持っていたわけですね。特に刹那は、人間では無いという心の負荷をアスナの言葉で無化されて日常的な女子中学生のフィールドに入ってくることができたキャラなので、今、今度は逆に日常的な女子中学生から悲劇的な過去へと向かう非日常へ歩を進めんとするアスナに対して、親友として、一度はアスナに救われた存在として、夏休み編では重要な役回りを演じそうな予感がします。木乃香お嬢様とチューしようとしてる場合じゃありません。刹那、結構重要な役所が(たぶん)待ってるよ!

●魔法先生ネギま!/感想/172時間目「death study その2」

 アスナ、幼少時代の頃の方が咸卦法が得意で、コツは「無になること」というのが判明。つまりは、

 咸卦法が得意なアスナ=何もなかった(無だった)頃のアスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフュシア

 咸卦法など出来ない明日菜=友だち沢山の普通の女子中学生の神楽坂明日菜

 という対応なわけで、今の再び咸卦法に磨きをかけようとするアスナの図は、前回エヴァが語ってたように、せっかく手に入れた普通の女子中学生としての幸せから、昔の悲劇的な過去へと向かっていく構図なわけですね。咸卦法が出来るようになればなるほど、何も無かった頃のアスナに遡っていってしまうという。

 だからこそ、悲劇的な過去の共有者として、エヴァは諦めるなら諦めた方が幸せとアスナを試練に落とすわけですが、アスナが「諦めるわけないでしょ!」と叫ぶ所は作中的にはとても勢いのあるVividな場面なわけで。

 相変わらずのアスナ視点構成といい、夏休み編のテーマの一つは、この咸卦法がレベルアップすればするほど戦力的にはパワーアップするけど、幸せ的には減退してる(かもしれない)というギミックに代表されるように、アスナの中のアンビンバレントの解消で間違いなさそうですね。過去との折り合いをどうつけるか?とでも言う感じでしょうか。まあ、3-Aの仲間パワーに帰着するのがネギまテンプレートですので、このままネギのためという願いのもとに悲劇的な過去への道をアスナが遡っていったとしても、仲間達の存在がアスナをすくい上げてくれるのではないかと思います。

 ◇

 そして、皆が頑張る!頑張る!連呼で上昇志向に燃えてる所で、千雨オチ。千雨、現実では慎ましく過ごし、ネットの世界で天下を取るのがモットーだったのに、先のVS超編での非日常を体験して、ネトアやってるだけでは満たされない気持ちになってきてるようです。一歩引いてた立ち位置から、徐々に人間と直に関わるように変化してきた千雨の物語も、一種の成長譚なんだろうなー。

●魔法先生ネギま!/感想/173時間目「endless death study」

 エヴァに明日菜が試練をやり通せた動機を聞かれて答える場面で、ネギ、刹那、エヴァ3人の「悲劇的な過去」を回想してるのが熱い。明日菜の解答は、解体すれば、そんな「悲劇的な過去」を背負ってる連中とも同格の「友だち」でいるために、諦めるわけにはいかなかったから。本当は明日菜自身が資格として「悲劇的な過去」を持ってるワケですが、明日菜にその記憶が無いために、悲劇的な過去の共有を免罪符にして「可哀想な者同士の集まり」としての「友だち」関係を構築するのでなく、もうちょっと前向きな意味合いで皆と(特に今回はエヴァと)「友だち」たらんとする構成になってるのがイイです。勿論明日菜自身の悲劇的な過去にまつわる救済も仲間の手によってなされるんでしょうが、それと同時に、「悲劇的な過去」組を救済するのは明日菜自身という流れのお話を予見させます(太陽光の演出とか、モロにそんな感じ)。特に、エヴァの救済役は、109時間目「悪い魔法使いの物語」の「今からだって全然遅くないよエヴァちゃん。幸せになる権利は誰にだってあるんだから」と、今話の明日菜の「エヴァのこと嫌いじゃない」発言の場面より、明日菜で確定という印象です。

 他、ピコポイント

●刹那の指をちゅーちゅーする木乃香

 木乃香は天然でこういうことやってるのか、刹那が抱いてる自分への百合的感情を知っていて、腹黒く意識的にもてあそぶ感じでやってるのか、小一時間悩む。キーワードマーケティングやってる身から無駄に調べてみたんだけど、WEBでの月間検索回数、「木乃香×刹那」は211回、「刹那×木乃香」は109回。やはり、世間的にも攻めは木乃香?

●カモくんによるネギへの好意度ランキング

 やっぱり、古菲はランキング高いんですよ!その事実を、読者向けにはあからさまに「分かるんだけど伏せてる」現状。これは、やはりネギと結婚するのは古菲説・通称クーネギ説が来るとしか!

●エヴァさまは黒ロリ派

 たまたまじゃなく、こだわりを持ってゴシックロリータ着てたんだ。

●裕奈オチ

 ここ数話のサブタイに「study」とついていたということで、大まかには夏休み編に入って皆「成長している」というのを描いてきたここ数話だったワケですが、ラストは裕奈の胸も成長していたという完璧なオチで締め。赤松先生の日記によると、裕奈の巨乳化進行中設定は後付けらしいのですが、この調子なら、裕奈のアーティファクトは牛関係でいいんじゃないでしょうか。

●魔法先生ネギま!/感想/174時間目「キーワードはチチです!?」

 お父さん大好き設定が当初から設定されていた明石裕奈の、満を持してのお父さんエピソード。お父さんこと明石教授は、ちょくちょく登場していた「教授」と呼ばれていた魔法先生その人でした。

 故人であるお母さんは魔法使いじゃなくて一般人だったっぽいのが何気に重要な感じですね。日常か?非日常か?という問いかけが色んな所にかかってくる作品ですが(最近顕著だったのはVS超編の長編)、非日常に属するはずのお父さんと、日常に属するお母さんとの愛の結晶としての裕奈というのは興味深いです。そして、裕奈自身は非日常の世界を知らされずに育てられたという。これは非日常から遠ざけてもらったことで、保護下におかれた幸せを裕奈は体現しているということなので、深読みするには、このタイミングでこういう裕奈の絵を持ってきたのは、同じく非日常から遠ざけてもらって保護下のもとの幸せを享受し続ける選択も選べたはずの明日菜が、あえて過酷な非日常へ遡る道を選んだのと対照させるためと解釈したい所。

 エヴァ−アスナ
 明石享受−裕奈

 ということですね。その先に過酷な真実が待っていようとも、アスナが非日常に進むことに助力することを決めたエヴァ師匠と、あくまで過酷な非日常は見せずに日常の幸せを享受してもらいたいと裕奈を保護している明石教授という対照で。

 そこに、非日常への架け橋であるドネット・マクギネスなる新キャラが出てくるあたりがぬかりない所。裕奈の非日常サイドへの牽引者になるのかはまだ分かりませんが、イギリスから来たという設定上、ウェールズ編でも絡んでくるキャラと予想して間違いないのではと思います。

◇瀬田−はるかさん−サラ母/明石教授−ドネット−裕奈母

 『ラブひな』と『ネギま!』とで、国籍とか細かい所は違うものの、この両者間の人間関係絵巻に何らかの類似が見られる気がするのは気のせいでしょうか。そこはかとなく、瀬田さんと明石教授もキャラデザが似てるし、サラと裕奈のファザコン設定も重なっています。ネタ切れで同じような設定しか作れなかったというよりは、設定を重ねた上でそこから異部をあぶりだして何か表現したいことがあるのではと深読みします。

◇金髪フェチ

 明石教授は金髪フェチということで、初めてスポットがあたった回で性癖が明かされるという、わりとロックな打撃を被ってるキャラでもあります>明石教授。そんな金髪性癖を知った直後に金髪女性(ドネット)が現れたらそりゃ裕奈も警戒するよな(;´Д`)

 しかし裕奈のファザコン描写に今回はいっぱいいっぱい。世の中のパパ層まで作品のターゲットに入れ始めたんでしょうか。ワシも、こんなチチが牛的に発達途上で中学生になってもパパと結婚したい!と言ってくれる娘がほしいわい、みたいな。

●魔法先生ネギま!/感想/175時間目「それは夏の日の青春の1コマであった。」

 たぶん、今話のコンセプトは、「1話内に31人全員を出して(絡ませて)全員版のクラスメイト編をやってみよう」だと思います。導入が相坂さよで、エンディングも相坂さよで終わる構成を取っててさよの比重が少し高かったり、エヴァ師匠や超のように直接は出てこないキャラもいましたが、さよは単純に出席番号1番だからの抜擢だと思いますし、エヴァ師匠や超については、直接出てこなくても、扉絵のアスナのゴスロリ服(黒ロリ)を着せたのはエヴァ師匠だなと想起される形で間接的に出てますし、もうこの時代にいない超に関しても超包子や茶々丸のデータは超が残したものなんだなぁと、間接的に出演してる感じになってます。マジで、直接/間接を問わなければ31人総出演ですよね。これはスゴイ。

 赤松先生の日記(5月9日)より、「ネギま174話目載ってます。○○が出ません。この回と次回で、「ネットでの評価」と「本誌人気アンケート」との乖離率が大方判明すると思います。」とありますが、これは前回(174話)ネギ無し裕奈メインで、今回(175話)ネギ薄め全員クラスメイト編だということは、クラスメイト編の評価について市場の動向を調べてみる的な意味合いの2話だったんでしょうね。乖離があるとしたらどっちがどっちなんだろう?本誌アンケートがネギメインの少年漫画的非日常バトル路線支持で、ネットの方がクラスメイト重視の萌え路線支持でしょうか?

 ◇

 まあ、その辺りは置いておいて、今後に繋がる気になる関係性構築劇2つ。

1.小太郎と村上夏美

 千鶴が茶化してますが、その後の小太郎との遭遇エピソードの反応から見ると、かなり夏美→小太郎でのLOVE路線の導入っぽいです。委員長、千鶴、夏美は、一番ピースとしてハメるなら小太郎エピソードでの守る対象としての役割なんじゃないかなんて思います。

2.相坂さよとザシ

 ザシは何者なんだろう。さよが見えてるということは連れてるカオナシみたいなコワイナーみたいなヤツもトリック無しのガチのオカルト謎生物なんだろうか。
 ともかく、作中で「ともだち」と表記されてように、さよとザジとの友情物語もはじまりはじまり。これはどう使ってくるんだろうなぁ。ザジがまったく謎なんで予想できない。とりあえず、60年の年季の鉛筆回しのさよとサーカスのザジとで、大道芸コンビ結成ということで。

●魔法先生ネギま!/感想/176時間目「ネギま部(仮)増殖中」

 赤松先生の日記(5月21日)に、「ネット上での支持が絶大であった、裕奈編のアンケート結果が出ました。なるほど・・・そう来ましたか・・・。さてどうするか・・・」とありますが、言い回しからメインアンケート層はクラスメイト編萌え路線よりも非日常バトル路線を志向してると分かったゆえに書いてるつぶやきのような印象を受けます。

 そう仮定して今回を読むと、日常要因のクラスメイト達の非日常化フラグ張り回に感じられてしまいます。鳴滝姉妹に気付かれてるのにニヤリと笑ってそれを放置したエヴァ様、それどころか、委員長、まき絵、鳴滝姉妹ら、さらには裕奈、アキラ、亜子らにまで積極的にウェールズ行きへのチャンスを与えるエヴァ様。魔法世界の首都メガロメセンブリアなる都市が基本的には安全だという設定の公開に、

 「ひとまず観光気分で魔法の国を楽しんでくるがいいさ」(エヴァンジェリン)

 という、非日常世界へ参入する障壁を下げるような発言(直後にニヤッと笑うエヴァ様に、千雨が何かを感じ取る場面が入るので、単純にマジで観光に行ってこいと思ってるわけでは無さそうですが)。

 とどめに、

 「無理をすればさらに4ヵ月分の修行が可能だな」(エヴァンジェリン)

 の台詞。現在の日常クラスメイト編要因のキャラが、非日常に参入してもウェールズ編までには間に合う発言に聞こえます。

 何より、アスナが委員長、鳴滝姉妹、まき絵らを相手に修行によって獲得した卓越した身体能力を見せる場面は、アスナの成長に純粋に感動できるポジティブ場面というよりは、エヴァの元で特訓を受けている非日常組と、日常組とで何か「差」のようなものが開いてしまった悲しい場面ともとれます。それは、31人全員の仲間パワーを是とするネギまテイストとしては、あんまり好ましい場面とは言えない感じ。

 なので、現在の日常側のクラスメイトキャラの非日常化を予想します。実際ここで非日常側のネギパーティーが増えるのは個人的には自然な印象ですし。今話冒頭の12人だけだと、もろにVS超編のパーティーのままで、その12人だけが明確に他のクラスメイト達よりも厚遇扱いになってしまいますし、何より、続く長編では新キャラを投入するというのが漫画文法のセオリーのようにも思えますし。

 予想のさらに上を行くなら、30人全員ウェールズ行きですかね。無難な読者の想像の枠を打ち破ってこそプロという定説にしたがえば、これもあり得るような気がする。

●魔法先生ネギま!/感想/177時間目「DEAD or ALIVE」

 部活名をサウザンドマスターの「紅き翼」に対して「白き翼」にエヴァンジェリンが決定したというのは、その後の明日菜と木乃香、さらに刹那の反応を見るに、刹那の変身時の白い翼にかけてるということなのか。

 エヴァが非常に刹那を買ってるという証左にして、この夏休み編(ウェールズ編)にて刹那も一ランク上の重要キャラであるという示唆じゃないかと。夏休み編から視点キャラになってる明日菜は勿論、明日菜の修行時に「悲劇的な過去」を共通項に回想コマが出てきたネギ、エヴァ、刹那は要注目ですね。

 しかし、明日菜が委員長に覚悟を伝える場面。明日菜がネギを守るんだ的発言をすればするほど、本当にウェールズで危機が待ってるのは明日菜の方なんだ。むしろ守ってくれる存在が必要なのは明日菜の方なんだ……という危うさがつきまとうハラハラを、既に明日菜の過去設定が明かされてる読者としては感じてしまいますね。これ、ネギを救済してくれる存在はたくさんいるけど、むしろ明日菜を救ってくれる存在が一人必要なんだよなぁ。漫画自体の主人公のネギや、作中是とされてる3-Aクラスメイト全員の仲間パワーが救済に一役買うのは当然として、何かこう、この夏休み編、ウェールズ編独自に明日菜の救いになってくれる存在というのがいるといいと思うんですが。そういう点では委員長には頑張って欲しいです。今回、明日菜ら非日常組に挑んでいく日常組の最後の代表として委員長が向かっていって明日菜と正面から対峙した展開で、ひょっとしたらと思ったんですが、委員長は一番明日菜を救済する存在として適任だよなぁ。ずっと、他のクラスメイト達とはちょっと違う、違うというか1レベル深い関係が明日菜とあるのが描写されてましたし、「ネギま!?」にしては序盤にめずらしく重い話が入った生まれて来なかった弟さんのエピソードも、「悲劇的な過去」というくくりで捉えることが可能ですし。

●引きは、日本にやってくるアーニャ

 固定メンバーで物語が展開していた所に異分子の新キャラを放り込むのは王道の「転換」点の描き方。アーニャをきっかけに、お話的にも読者の意識的にもウェールズへと向かっていくことになりそうです。
 まあ、しばらくは異分子アーニャを交えてのドタバタ劇っぽい気がしますけど。女子はなかば強制的にお色気シーンを披露させられるのが「ネギま!?」ですが、アーニャはお色気要因として年齢的にセーフなのかという観点からも見守りたいと思います。

●無駄にアクション

 委員長の天地分断掌炸裂から、受けの方の明日菜が空中で変化して腕関節→(おそらく)回転腕十字へ……あたりが無駄にマニアックにカッコいい。『修羅の門』系。

魔法先生ネギま! 19 (19) (少年マガジンコミックス)

魔法先生ネギま! 19 限定版 (19) (少年マガジンコミックス)

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