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 今週の「ツバサ」。マガジン雑誌本編のタイムリーネタバレ感想、Chapitre.166「閉じた世界」の感想です。
 美しい。
 ◇

 死にたがりのファイ、前回でそれまでの生きる目的だった(塔の上にいた方の)ファイの甦生という目的を棄却して、また唯一自分に優しくしてくれた存在だったアシュラ王も前回死んだということで、いよいよ自分も死ぬ気モード。第二の呪い発動で閉じる世界というシチェーションで、自分を犠牲にして仲間らをセレス国から脱出させようとします。

 過去編の、ユゥイ(自分)を生かすか?ファイ(他人)を生かすか?という塔での選択のエピソードで描かれていたのは、結局ユゥイもファイも他人の方を生かしたということで、「自己犠牲」に関するエピソードだったと思うんですが、「自己犠牲」は既に「XXXHOLiC」の方で否定されるかのようなエピソードが描かれていました(四月一日が百目鬼のために自己犠牲で眼を差し出してしまう、クモの巣のエピソード)。ちなみに、その時の「XXXHOLiC」での「投げ出しちゃうのね、自分を。そんな簡単に投げ出せるモノが、大切なモノと交換できると思う?」という論理での「自己犠牲」に対する反駁は、僕がこれまで読んだ「自己犠牲」に対する反駁の中で一番美しい論理だと思ってます。ちなみにその時の「XXXHOLiC」での「自己犠牲」のテーマの落としどころは、ラストの百目鬼の「半分ずつだな」の台詞。自分を全部差し出して他人を救うのではなくて、自分と他人とで半分ずつ差し出しながら、二人とも生き続けていこうというモノ。

 で、今回のツバサラスト。やはり同じ結論を描いていたと思います。相変わらずどうしようもない死にたがりで、自分を犠牲にして最後に黒鋼を行かせようとするファイに対して、黒鋼が左手と蒼氷を捨てて、残った右手でファイを救いあげるという結末。黒鋼も犠牲を出すんだけど、自分を全て犠牲にしてファイを生かすというほど自己犠牲ではない、部分的に差し出し合って、二人とも生き残るという選択。生まれた時から呪われた子として誰からも重要だと思われず、自分を全部差しだして(塔の上の方の)ファイを生かそうとしたものの飛王のせいで改竄された意識を植え込まれ、ずっと贖罪意識にさいなまれながら死にたがりであり続けたファイだけど。サクラが看破していたように、自分だけは大切にできないと「自己犠牲」が染みついていたファイだけど、旅の末に全部じゃなくて少しづつ差し出してでも一緒に生きようとしてくれる黒鋼達との関係性ができて良かったなぁ。

 前々から僕はファイと四月一日がシンクロされて描かれているフシがあるということを書いてきましたが、この「自己犠牲」に関する部分もそうだったのかな。そうなると、さしずめそれぞれファイと四月一日をすくい上げるポジションにいた、黒鋼と百目鬼も何かしら重ねて描かれてる感じでしょうか。

 ともかく、「四つの対価」の回の、一人で対価を払う(自己犠牲)んじゃなくて、対価は仲間と一緒に四分割しようという話から始まって、最後に自分を犠牲にして(自己犠牲)仲間を生かすんじゃなくて、部分を指し出し合いながら二人とも生きようという所に落ち着いたセレス国編。出だしと結びに共通するメッセージを見せて、死にたがりのファイという長い伏線だったテーゼを「自己犠牲」の否定という形で描ききったシリーズ。構成美の点からも充実したシリーズだったと思います。

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