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 「…あんた本当にその親父を捜さなきゃダメなのか? この学園で奴等と楽しくバカやってるだけじゃダメなのかよ?」(長谷川千雨)

 『魔法先生ネギま!』第20巻のネタバレ感想記事です。全体としては収録話に関してマガジン掲載時に書いた感想を、コミックス派の方のためにまとめて再掲した記事になっています。
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●魔法先生ネギま!/感想/178時間目「夏だ!海だ!告白だ!?」

 夏ということで、海だ水着だなエピソード。作中で一応一度しか訪れないと思われる夏という季節。海というシチェーションで水着というのは赤松漫画では勝負どころだと思うんですが、わりとあっさり描いちゃっていいんでしょうか(ポロリくらいあるかと思った)。まあ、この後3回くらい海で水着になるかもしれませんけど。というか海じゃなくても水着になりまくりな漫画ですけど。そもそも、水着っていうかお風呂で全裸とかやってるんでセクシャル度からすると既に通過した地点なんですけど。でも赤松先生はあえて全裸より水着着てる点に価値を見いだす方だと思うんですけど。

 水着が出てきたというだけでそこまで想いを巡らせてしまう漫画も僕的に稀なんですが、水着シチェーションの料理の仕方はやはり上手いです。全ては、胸の無さを気にするのどかと夕映という図で、二人のバストを際だたせる絵を見せるために逆算して水着シチェーションでこののどかと夕映のまき絵や委員長に対する女性力としての劣等感を描いたんだと信じたい。最近の世の中には貧乳に対するニーズが確実にあるわけですが、そんな貧乳ニーズの中のさらなるニッチニーズとして、「胸が無いのを気にしてる女の子に萌える」層というニーズもあるわけで、そんなスーパーニッチニーズのかゆい所に手が届くこの漫画。一般にニッチなニーズをターゲットにして絞って絞った方が、その絞られた側のニーズど真ん中の読者の支持は高騰するということで、地味に戦略めいてます。そもそも、裕奈の巨乳化設定追加すら、ここでコントラス効果でのどかやゆえの貧乳コンプレックスを際だたせるための戦略だったのではないかと思えてくる。乳の演出一つにそこまで考えてるとは思いませんが……とまとめようとした所で、いや、やっぱ考えてるかもしれないと思い直してしまうのがこの漫画の怖い所。

 乳の話で感想の半分が埋まってしまいましたが、他としては委員長とアスナの関係の継続も嬉しかったです。前回で非日常組との力量差を見せつけられて、そのまま日常組がフェードアウトというのはさすがに淋しかったんで、ここで委員長一行がウェールズ行きとなる展開は嬉しい。物わかりよく引き下がる……と見せかけておいてひっくり返す描き方も、委員長らしさが強調されてて良かった。あれですね、最後に海の中で見つめ合ってるコマで、「危険な場所」にさえ行かなければいいんでしょう?という委員長の言葉がアスナにだけ聞こえるように発話されてる部分とか、それを受けてアスナも最後の所では「委員長はともかく」と、他のクラスメイトよりも別格で委員長を認めてるあたりに萌えを感じる部分です。

 引きは、明日菜の気遣いに繊細ゆえに気付いてるっぽいネギという図で良い話で終わりそうな所を、アーニャ来襲で起爆させて次回へ。ネギと明日菜のちょっと深い絆をその周辺から見てるネギの恋話要因群(代表は今回ののどかと夕映)の中に、アーニャという新キャラ投入でどうなるのという感じで気になる引きでした。思えば、幼馴染み属性が出てくるのは「ネギま!」では初でしょうか。「ラブひな」で煮込みきったこの属性を今度はどう料理してくるのか楽しみです。

●魔法先生ネギま!/感想/179時間目「つまりあのコが大本命!?」

 まず一つめ、アーニャは年齢的にサービス要因としてはありなのか?という僕が書いていた心配ごとは、一ページ目から「アーニャフレイムバスター!」というパンチラっていうかパンツぼーんでかき消されました。堂々と幼女パンツです。日本は、そういう国になっていけばいいじゃない。

 そしてもう一つ、前回書いた、水着回は「胸の無さを気にするのどかと夕映という図」を際だたせるためのものだった説を後押しするように、「貧乳」をキーワードにのどか−夕映ラインとアーニャが繋がりました。この引きを見た時はマジで!?と思いました。「水着シチェーションでのどかと夕映のまき絵や委員長に対する女性力としての劣等感を描いておく」→「貧乳を気にするのどかと夕映という一部のニーズに答える萌え演出に繋げる」→「さらにアーニャも『貧乳』括りでのどかと夕映に親近感を抱くという展開に持っていきキャラクター間の関係性を発展させる」……実に隙のない構成力です。貧乳縛り構成力。赤松先生のプロットっていうかアイデアメモみたいなのには「貧乳」というキーワードが沢山書き殴ってあったに違いない。

 さらにトドメとして、

 「べ、別にあんたのために来たんじゃないわよ。ネカネお姉ちゃんのためなんだからね」(アーニャ)

 と、ツンデレテンプレート…キターーー(>▽<)状態の必殺技が炸裂しました。

 アーニャに惚れた。

 ◇

 敬語で接するか、タメ口で接するかで、ネギにとっての親密度が3-Aの皆<アーニャと捉えられるというのはなるほどと思いました。あとは名前の呼び方ですね。3-Aの皆のことは基本的に○○さんとさんづけで呼んでるのに対して、アーニャは「アーニャ」と呼び捨てという。日本語はこういった表現で相手との距離感を表現できる面白い言語です。英語圏の外国人さんに教える時は敬語が一つの壁になることが多いんですが使いこなしてるネギは優秀だなぁ。

 フラグが立ってくると、普段誰とでも敬語のキャラが自分と話す時だけくだけた口調になるとか、そういう乙女ゲーを今度作ってみたいと思った第179話でした。

●魔法先生ネギま!/感想/180時間目「勃発!ネギ・ウォーズ」

 今週は相当面白かったです。冒頭4ページは赤松先生の日記によると、前回の続きで乳話。巨乳軍団&美乳軍団に戦線を張るアーニャ(貧乳)という図。ここで対立軸(っていうほど大げさなものじゃないけどネギを巡る恋心対立ということで)を張って置いて、後半で大部屋でネギを巡って実際にバトルという流れなので、別に今回の20ページでしっかりお話になってるなと思いました。

 アーニャがネギを好きになるきっかけ(というか沢山あったであろううちの一部の切り取り)エピソード(忍び込んだ図書館にてネギの横顔に顔を紅らめる所)もさりげなく描かれているので、大部屋バトル時に必死でお姉さん軍団からネギを防御するアーニャの心情にコミットできて良かったです。幼馴染み特権で意識してたのに、いつの間にやらお姉さん軍団(しかも巨乳、美乳)に狙われてたら、そりゃ必死になるよ。

 そして、ネギを巡る恋バトルを裏で木乃香が糸を引いてる的だったのが何かウケた。アーニャちゃんネギくんのこと好きなの?とダイレクトに揺さぶりかけるのしかり、大部屋にて言わんでもいいのにネギの睡眠時の抱きつき癖を暴露してバトルの火種を仕掛けてるのといい、この娘が黒幕。赤松先生の日記に、木乃香は最初からちょっと腹黒入ってたけど、演じる声優さんの影響を受けてまた腹黒くなったみたいなことが以前書かれていたと記憶してるんですが、この娘は本当腹黒い。

●魔法先生ネギま!/感想/181時間目「言っておきたいことがある!」

 やっぱりそれぞれの「悲劇的な過去」にお話としては向かっていって、それを乗り越えるまでの長い物語になる感じがします。

 ずっと、ネギがお父さん志向(悲劇的な過去と不可分)と3-A志向(楽しい今)の間で揺れてる状態を描いてきたんですが、一学期編のラストで、ネギをお父さん志向に行かせまいとする最右翼だった明日菜が折れて、ネギと一緒にお父さん志向に向かうことを決めて以来、ちょくちょく「楽しい今」をハサミながらも、大きな話としてはネギがお父さんを追うのを契機にそれぞれが悲劇的な過去と向かい合う方向に向かってる気がします。

 だから今回アーニャが、お姉さん達にチヤホヤされてネギは「楽しい今」に埋没しちゃったんじゃないの?とスネて怒ってるわけですよ。で、ラストシーンでネギが村の惨劇(悲劇的な過去)を忘れたわけじゃないと語って、実は方向としてはそっちに向かってると告白してるという。アーニャが刹那、アスナ、エヴァンジェリンに特に言及してましたが、この辺りは全員ネギと同じく悲劇的な過去を持っているラインナップ。で、今話ラストのシーンでは、そんなラインナップに村の惨劇の当事者だったアーニャも実は入ってることを読者は意識させられると。長い目で見るとアスナが悲劇的な過去と直に対面した時に誰が救ってくれるのかというのがあるんですが、そしてそれは作品のテイスト的に仲間パワーで成し遂げられるのだろうとは思うのですが、そんなアスナを救うラインナップに今回でさりげなくアーニャも入った気がする。表面的に反目してた二人が後で解り合うのは王道ですし、何しろ、アスナもアーニャも悲劇的な過去を持ってるという点は共有してるわけですから。

 ◇

 「胸の大きさなんて関係ないよ、アーニャちゃん。私も小さいけどがんばってるから……」(宮崎のどか)

 今回一番笑った部分。数話前から、乳ネタで強引に引っ張りすぎ(笑)。巨乳=悪、貧乳=味方というアーニャの理論がそもそも訳が分からなくて面白いんですが、マジレスしてるのどかも面白い。さりげなく「小さくても」とちょっとコンプレックスが滲んでる辺りが面白い。そして、そんなのどかの語りかけで納得してるアーニャが面白い

●魔法先生ネギま!/感想/182時間目「ネギ・パーティ、準備万端!!」

 「あんた本当にその親父を捜さなきゃダメなのか?この学園で奴等と楽しくバカやってるだけじゃダメなのか?」(長谷川千雨)

 ここでも出てくる、「お父さん志向VS3-A志向」。もう、この作品の主軸の構図と言ってもよいでしょうか。一学期編ラストで、それまでネギをお父さん志向に向かわせまいとしていた最右翼の明日菜が折れて、前回では3-Aの皆との楽しい今に埋没してしまったんじゃないかというアーニャの心配をネギが否定して、ノリ的には一路お父さん志向にGO!GO!という所で、ここで千雨を使って、やっぱり3-A志向ではダメなのか?と揺り戻しをかけます。最近の物語だと、懺悔室イベントの時の美空なんかも3-A志向側に揺り戻しをかける役割だったでしょうか(3-Aの中に好きな娘はいないのか?と、そういうことを考えるのもネギには必要だと美空は言ってくれていた)。

 これは最終的にどちらかが選択されて終わるお話では既に無いんでしょうね。ネギが楽しい今である3-A志向にだけ留まれないのは一学期編ラスト辺りや前回のアーニャへの語りの部分で明らかですし、逆にお父さん志向に傾き過ぎて、追いかけた末にナギ2世みたいになるのがいいのかと言えば、そこは既にまほら武道会編のラストで、

 「お前は おまえ自身になりな」(ナギ)

 と、お父さん自身によってそんなあり方は否定されています。

 なので、ここで千雨の口から再びこの「お父さん志向VS3-A志向」の問いかけがなされた所で、同じ話内にエヴァの、

 「貴様は奴ではないか……」(エヴァンジェリン)

 の語りが入ってるのがイイですね。勿論、これはまほら武道会ラストのナギの「お前は おまえ自身になりな」とセットになる台詞です。

 ナギとは違うネギのあり方を嫌いでは無いと言うエヴァ。3巻のラストシーン辺りではまだエヴァはナギにネギを重ねているのか、ネギをナギとは違う「個」として興味を持ち始めてるのか解釈が難しい感じだったんですが、とりあえず物語も進んで、エヴァは明確にナギとは違うネギという存在に「個」として是を与えてくれているようです。

 帰結はここしかない気がしますね。お父さん志向と3-A志向の間で揺れながら悩み抜いたネギ自身という「個」こそが解答というのがこの対立軸のテーマの帰結。VS超編なんかでも、悩み、迷い続けるあり方そのものは是、みたいなメッセージが描かれていましたし(超が正しいのか悪いのかという対立で悩みまくったネギという構図が最終的に回収される、最終戦前の夕映との会話のシーン)。

 ◇

 私服姿の刹っちゃんが非常に可愛いと思った。

●魔法先生ネギま!/感想/183時間目「思い出がいっぱい」

 今回は夏休み前半の思い出を回想という形式でのショートエピソード×複数本のお話だったので、感想も簡単に箇条書きで。

●コミケ?

 コタローが「ライダーは?」とか言ってたのが可愛かった。ビブリオン=おジャ魔女〜プリキュア枠のアニメっぽいから、平成ライダー枠も普通にある世界っぽいです。実は日曜朝枠のメイン視聴者層の年齢のネギとコタローです。そしてそんな無垢な少年があわやボーイズラブ本と接触というシチェーション。絶望先生のボーイズラブ二次創作とかウケた。どんだけニッチな需要で描いてるんだと(笑)。
 あと、木乃香は最近の腹黒描写からするとBL本前にしても顔赤らめたりしないような気がするなー。演技か、演技なのか。刹っちゃんはまあそう反応するだろうという感じで可愛い。

●相坂さよ

 よりしろのようなものが手に入って、さりげなく学外に出られるようになってる。というか朝倉について一緒にウェールズに向かってることにビビった。実はもともとファンタジー側のキャラなので、ファンタジーの国での活躍あるかも。
 あと地味に朝倉が飛行機内で英語の書籍読んでるのがカッコいいと思った。スペック高い娘なんだなぁ。

●アーニャのプールエピソード

 アーニャの巨乳化魔法に当然のように巻き込まれてるのどかが可愛かった。

●飛び立つ委員長達

 ネギジェット。皆引いてる中で、まき絵と千鶴だけが好評価なのが面白かった。
 ネギジェット、何気に後半でアクションに使われるような気がするなー。空中戦ですよ、空中戦。ファンタジー要素満載の世界観に立ち向かう、現実に存在する科学技術。ネギジェット!(←ツボに入ってる)

●締めはエヴァ様

 「踏み出した者がより多くのリスクを負うのは当然だ。だがそれが何だ?安全圏で惰眠を貪る腐った豚よりよほどマシ。掴むに値するモノはリスクの先にあるのさ」(エヴァンジェリン)

 前回の、

  「あんた本当にその親父を捜さなきゃダメなのか?この学園で奴等と楽しくバカやってるだけじゃダメなのか?」(長谷川千雨)

 とは真逆のこの台詞。「過酷な幸せ」と「楽しい今」との対立で、「楽しい今」じゃダメなのか?と聞いてるのが前回の千雨の台詞で、逆に「楽しい今」、そんなのに埋没するのは腐った豚だ、リスクを負ってでも「過酷な幸せ」を追え!と言ってるのが今回のエヴァ様の台詞。

 痺れるほどカッコいい。まったく同感です。僕が大好きで色んな所でたびたび引用しているジョン・A・シェッドの「港にいる船は安全だが、それは船が本来造られた目的ではない」に通じるものがあります。

 エヴァ様、ネギに、刹那に、アスナに、それぞれ踏み出すか踏み出さないかの選択を迫るようなことこれまでやってきてたエピソードがあるんですが、こうしてみるに、どこか本心的には自分が踏み出した人だから踏み出した人の方を好評価してるんだろうなぁ。

 ただ一方でエヴァ様も「楽しい今」に救われてるフシがあるんで、どっちが正しいとかの話にはならないと思うんですが。

 ◇

 そんな感じで次週一回休載をはさんでウェールズ編へ。楽しみ楽しみ。

●魔法先生ネギま!/感想/184時間目「ネギ・パーティ、ロンドンに立つ!!」

 前々回の千雨、前回のエヴァに続き、今回登場したメルディアナ校長なる人物も「楽しい今」に生きることもできるのに、それでも「過酷な過去」と向き合うのか?という問いかけをネギに発しておりましたが、ネギの答えは勿論YES。

 この「楽しい今」の象徴の、ネギの素性や過去を知らない3-Aの面々と、ネギが「過酷な過去」に向かってることを知っている魔法バレ組の面々とか同じ場所に集まってるシチェーションが面白いです。アーニャが正確にはネギが5歳から10歳までの故郷だという旨の発言をするんだけど、それを聞いてネギの過去を知ってる組は5歳まで暮らしていた村は悲劇に見舞われたんだと沈痛な顔をして、知らない組は委員長を筆頭にそうなの?程度のリアクションしか返せないという。

 まだ魔法バレしてない組で、今回のウェールズ編に入る前から色々夏休み編を通して仕込まれていたのは委員長と裕奈のような気が個人的にはしてるんですが、今話では委員長にも結構重要にスポットが当たっていて、何か色々期待させられる展開に。今回のウェールズ編は、これまでの仕込みから見ると、楽しい今から悲劇的な過去へと遡っていくお話になると思うんですが、そういう構図ゆえに、これまでネギ(同郷のアーニャも)、アスナ、刹那、エヴァ、(あと夏休み編前に退場したけど超鈴音)が、悲劇的な過去を持っている組としてクローズアップされてきたワケですよ。で、そういう観点からすると委員長もネギま!作中のキャラでは珍しく生まれてこなかった弟っていう悲劇的な過去を持ってるんだよなぁ(まだ物語初期のハーレム漫画テイストの頃に挿入されたこのエピソードは当時のテイストとのコントラストで非常に過酷で重いなぁと思った記憶があります)。それゆえにネギや明日菜にエンパシーを感じてあげられるポジションにいるので、委員長に魔法バレして、委員長がネギや明日菜の悲劇的な過去のことを知ったら?というのは予想妄想を膨らませて期待したくなるシチェーションです。

 一方でもう一人に裕奈をあげるのは、こっちは逆に本当は一番魔法世界の住人になる素地があるのに、悲劇的な過去とか、非日常とかから、一番遠ざけられている存在として、一つ物語上の役割を担ってるんじゃないかという感じで。エヴァ様が、ネギに、刹那に、最近ではアスナに、踏み出すか?/踏み出さないか?という選択をよく迫るキャラで、前回ラストの語りより、それでも踏み出せ!って言ってるようなキャラなんだけど、逆に裕奈回りは「踏み出さない」ように保護されている感じ。お母さんが死んでいるという普通に捉えたら悲劇的な過去も、そこはかとなく明るく前向きなテイストで描かれていますし、明石教授はあくまで裕奈は踏み出さないように温かく保護している感じ。楽しい今じゃダメなのか、過酷な過去へ向かう必要があるのか?と、エヴァ様が、この前の千雨が、今回は校長が問いかけていた問いですが、それらにネギは過酷な過去へ向かうと返答するんだけど、それだけが是ではない。楽しい今にいることにも価値があると、そういうのを体現していくキャラに裕奈はなるんじゃないかなぁというのが個人的な感想。十中八九、過酷な過去への旅路に向かったメンバー(特にネギ、アスナ)の救済に一役買うのは、楽しい今組の3-Aのメンバーの役割だと思うので。

 そうして、ネカネ姉さんとの再会。ネギの幼少時代の思い出の場所巡りと楽しい時間が描写された後で、引きではスタンおじいちゃんを筆頭に石化したネギの故郷の人々とネギが体面する場面が描かれ、悲劇的な過去へ遡っていくお話の幕が開いた所でウェールズ編開始。意外と、テイスト変えて重いシリーズになるのかもしれないですね。

●魔法先生ネギま!/感想/185時間目「未来への出発点」

 「過酷な過去」とのご対面ということで、石化したネギの村の人々とネギパーティーのご対面。このシーンが、ネギ一人での対面ではなくて、ネギ・パーティーの仲間の面々と一緒に対面という形になって、ネギの成長が描かれているのがポイントでしょうか。一学期編の序盤はとにかくネギの何でも一人で抱え込もうとする悪癖が描かれていたんですが、今話でネギ自身も語ってるように、一人で抱え込むだけじゃないということが分かるようになったくらいには物語冒頭からネギは成長しているという。冒頭の頃のネギだったら、たぶんこういう場に仲間の同伴を許したりはしなかったんで、こういう場に一緒に立つことを受け入れられるだけの仲間が出来たというのは、これまでのお話の意味が振り返られてしみじみとしてしまう場面。修行すれば治してやれるかもと決意を新たにする木乃香がいいですね。本気で皆ネギを想ってるのが伝わってくる。

 ◇

 「あんたにはいつか全部話すよ」(明日菜)

 もう一つ描かれていたのは明日菜と委員長の信頼関係。「あんたには」って言ってるあたり、他のクラスメイトよりも委員長を別格視してる辺り、要因としては委員長が幼少時の悲劇経験者っていうのも少しあるんだろうなぁ。全体的に、刹那の時も、エヴァの時も、もちろんネギに対しても、過去に悲劇体験を持ってる人に、本人が意識しない所で光を与えてしまうキャラなのだと思うのですよ、明日菜は。そんな明日菜が実は本人が自覚してないだけで、とびっきりの悲劇的な過去を持ってるっていうんだから、構成熱いよなぁ。

 委員長はウェールズ編から少し1レベル上でスポットがあたってた気がするんですが、ここで役割一区切りかな?ドネットが宝くじの1等が当たるくらいの確率で迷い込む人もあり得ると言ってるのがまず誰か非日常組のクラスメイトが迷い込む伏線だと思うんで、それが委員長だったりしたら大躍進なんですが。

 ◇

 引きはフェイト・アーウェルンクスが何年ぶりかに再登場で、一気にファンタジー色へ。ウェールズ編はアスナの過去との対面編だと思うから、やっぱりフェイトもアスナ絡みで何か関係あるのかな?

●魔法先生ネギま!/感想/186時間目「Welcome to Anotherworld!」

 ファンタジーの部分と現実の部分を行ったり来たり。ネギま!にはネギ個人のお父さん志向か3-Aの皆志向か?という対立の他に、ファンタジー志向か現実志向か?という対立軸も作品の中に盛り込まれていて、学園祭の超編というのが、まさに世界を魔法世界のファンタジーにしようとした超がいれば、例えば現実と続いている日常というのもを賛歌する台詞を最後に語る千雨がいたり……というシリーズでした。千雨は結局あれだけ冒頭では現実よりだったのに、超編のクライマックスで仮契約してファンタジー部分に足を踏み入れるのが熱い部分だったわけですが、ウェールズ編でも引き続き現実とファンタジーの境界を意識させる役割を担ってるキャラの模様です。メガロメセンブリアにメルヘン的なファンタジー志向を求める面々に対して、千雨は一人、この世界もやっかいな現実世界と同じとジャッジ。お話のフォーカスがファンタジーに現実にと振れまくって面白いです。まき絵ら、日常組が前回の伏線ヨロシクメガロメセンブリアに到達してしまったのも、ファンタジーと現実のさらなるシャッフル展開。あとは個人的な希望ですが、この作品、この部分のテーマに関しては、ラストはファンタジーと現実、君ならどちらを選ぶ?的に読者に問いかける形で終わって欲しいなぁ。最近のヒット作では、「涼宮ハルヒの憂鬱」がまさにそんな作品でしたけど。

 ◇

 久々に赤松先生の日記を見てみたら、ドラマ版ネギま!はテレ東系で10月から深夜に放送とのこと。テレ東系じゃたぶん僕のいる地域では見られないなぁ、残念。

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