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トラックバックを頂いた感想先ではBLOG不眠飛行さんなんかが、セイロン島や北アイルランドの紛争の詳細な背景もちゃんと描けと怒ってますが(第3話の感想など)、そういった怒りは、上記コラムの小寺信良さんの書く所の、
「例えばまだ何も経験していないうちから、この職種はこういうところがオイシくてこういうところがキツい、人事部の面接ではこういうところが評価される、営業とはこういうものだ、といった情報には異様に詳しい。これを聞いたら、オマエが営業の何を知っとんのじゃオラと、多くの現役営業マンが怒髪天を衝くことだろう。」
といった類の怒りに近い印象を受けます。
ただ、そういった「Level1飛空艇」症候群の危うさと、そういった若者に対する現場の人(紛争の話で言うなら、紛争の当事者や、真剣に調べたり学んだりしてる人)の怒りをも、込みで客観化して作中に盛り込んでいるので(天上人の立場で思惑が伏せられたまま物語が進むという構成を取られている主人公サイドソレスタルビーイング=視聴者の感情移入は拒む/天上から降りてきた彼らに困惑する地上人サイド(セルゲイ中佐や沙慈くんなど)に視点を設定してむしろ第3話までは作られている)、おそらく急に視点を現場に持ってきて各紛争の詳細をお勉強的に作中に盛り込むことはないかと思われます。詳細をはぶいているのに(ソレスタルビーイングの面々もある種の視聴者も飛空挺から見下ろしてるだけなので現場の詳しい背景など知らない)、なのに上から分かった気になって武力干渉してくるソレスタルビーイングというのを、危うく、別な視点(ある種の視聴者の視点含む)からは怒りの対象として描くのが恐らく送り手の意図でしょうから。
そして、作劇上ほぼ当たり前ですが、序盤でまだ優勢のソレスタルビーイングの「Level1飛空艇」症候群軍団に対して、必ず揺り戻しが来る部分が描かれるハズです。上記コラムで言う所の全滅経験ですね。
ここは一発、まずは全滅して貰って、オノレの限界と力量を知るというのが筋だろう。
とありますが、まさに僕もそれが筋だと思うので、全滅まではいかないかもしれませんが、それに類する破滅経験をソレスタルビーイングの主人公達は物語途中で経験するという筋を、ちゃんと制作サイドは通してくれるように今のところは感じられます。
そして、どっちを正しいとは描かないのがガンダムシリーズですが、天上人VS地上人の構図もおそらく相対正義的に描かれるはずで、その中で現在優勢の見下ろし視点からのソレスタルビーイングに対して、思想的カウンターとして自国のために世界中を飛び回ってるという設定のヒロイン、マリナ・イスマイールが、地面を這いずり回っている地上人代表として出張ってくるんだろうという予想は僕もかもめさんと同じ。
そこで、上記コラムで言う所の、
そして地面をはいずり回って構築したオリジナルのワールドマップこそ、リアル世界で価値があるものだと知って貰うしかない。
が、危うい「Level1飛空艇」症候群の少年達に対してグサリと決まってくれるのを期待しております。

→前回:第03話「変わる世界」感想へ
→次回:第04話「対外折衝」へ
→「ガンダムは誰のために創られているか?」へ
(ユリウス・カエサル)
先週の感想レスで、リアルIRAの紛争停止宣言に憤激する人が出るんじゃないかと予想しましたが、残念なことに的中。カガリの指輪と同じく、悪い予感ほどあたるものです。
現実にある紛争の描写は『それを掘り下げるのではなく、知ってもらうためのきっかけ』という監督の言葉。わざわざグラハムに作中でも言及させている『武力による戦争の根絶という矛盾』という番組のキャッチコピー。軌道エレベーターを螺旋滑落してゆくOPでのエクシアの姿などから、現在の主人公サイドの言動が製作者の真意でないことは明白なのになぁ……。
自分の目で見たものしか信じないセルゲイ中佐。見たいと思う現実だけを摘みあげて作品を批判する人々……世の中、色々ですね。