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 今週の「ツバサ」。マガジン雑誌本編のタイムリーネタバレ感想、Chapitre.173「覆らぬ願い」の感想です。
 飛王ー。
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 飛王の目的、夢、願いがついに明らかに。高麗国のチュニャンのエピソード、修羅の国の阿修羅王&夜叉王のエピソードから伏線を張っていた通り、それは「死んだ者を生き返らせる」でした。セレス国編で同じ願いをファイ(幼少時に塔の上にいた方)に対して抱いていたファイの、その願いを棄却するまでのエピソードを描いておいて作品としては改めてその思想を否定しておいた上で、いよいよここで明示的に明らかになりました。

 「死んだ者を生き返らせる」という願いを可能にするためには、どうやらこの世界全ての理をねじ曲げる必要がある設定みたいで、セレス国編でのアシュラ王の不合理はその理の崩壊現象のためという前回での説明がここに繋がります。

 一方で、真・小狼は桜都国を実現化させた星史郎さんの羽根を使って、一気にサクラの夢の世界へ。写身小狼の気持ちを汲んでるだけじゃなくて、ちゃんと具体的に目的もあったんだ。

 そんなワケで、舞台がサクラがいる夢の世界に移った所で引き。これ、今週のヤンマガから連載再開した「XXXHOLiC」と同じ引きなんだよな。あっちでも、ラストにサクラの後ろに手が!?という引きでした。つまり、サクラがいる夢の世界には、サクラ、四月一日、真・小狼がおり(もしかすると星史郎さんも一緒に?)、そして、サクラがいる夢の世界が入ってる筒状のモノは「ツバサ」冒頭のシーンのサクラと写身小狼が入ってるモノと同じっぽいということで、おそらくここに写身小狼もやってくるものと思われます。日本国編で一息と思いきや、一気の一気にクライマックスへ。

●予想(ちょっと妄想)
・物語の結末近くでサクラ、真・小狼、写身小狼、四月一日あたりの主人公級の人物が死ぬ。
→その人物を理を曲げて生き返らせるか、理を遵守して生き返らせないかという選択肢が突きつけられるシチェーションにもっていき、飛王の「死んだ者を生き返らせる」という願いの是非を主要人物と読者に突きつける。そこまでして結局願いを棄却する結末を描けば、自分の願いを貫き通す尊さを描き続けてきたツバサ&XXXHOLiC(というかCLAMP作品)全ての総括としての逆転構成が決まる。
・あるいは四月一日は既に死んでいる存在。
→今回の星史郎さんの持ってる羽根をはじめ、夢(虚構)を具現化する能力にスポットがあたってるのが気にかかる。その場合、そもそも四月一日の存在自体が虚構の産物だった。ただ、同じく虚構の存在だった写身小狼でも、旅で培ったサクラと仲間との「関係性」はホンモノというのを描いている通り、存在が虚構だとしても、四月一日が獲得した「願い」はホンモノという部分を作品のメッセージとして提示したいのは既に「XXXHOLiC」12巻部分で示唆されている(詳しくは「XXXHOLiC」12巻の感想を参照)。そうなると、そんな虚構の四月一日が最後に抱いた真実の願い、「侑子さんの願いを叶えたい」が、上記と同じく、これまで自分の願いを貫き通す尊さを描き続けてきたCLAMP作品に対して、「自分ではなく他者の願いを願う」という逆転構成でフィナーレが描かれる。そして、世界の理の方を立てなければならないために大事な人のために行動を起こせない(侑子さんは対価の原理の遵守、理の中でしか動けない制約があるのが何度か描写されている)悲哀が描かれていた侑子さん(「ツバサ」のインフィニティ編、XXXHOLiCのお花見のシーンの四月一日の誕生日に何も贈れずに悲しい顔を見せる侑子さんの場面など参照)が、はじめて「個」あるいは「我」として願う「何か」が、圧倒的に作品の解答となるシチェーションが整えられる。

 ◇

 切なくて苦しくなるけど圧倒的という。数年前マガジンでツバサ第1話を読んだのはほんの偶然で初CLAMPだったんですが、あの時出会えて良かったなぁ。

→いよいよ明後日発売。超楽しみ。

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